facebook twitter LINEで送る

EADEM + D-FIELD

EADEM + D-FIELD

facebook twitter

「どんな時も心地よく、自分らしくいられる服」をコンセプトに、現代男性のライフシーンに根ざしたカジュアル・ウエアを提案するメンズブランド、EADEM 。 「ひとつのアイテムに対して、ひとつの工場で生産する」という基本スタンスでモノつくりを行っています。それは、その工場が手掛けてきたモノつくりの“英知”を集約させることによって、より良い製品になる、と考えたからに他なりません。今回ご紹介するアイテムは、全国シェア50%を占めるワーキング・ウエアの町、広島県福山市で作られています。

福山市は、かつて備後絣(かすり)の産地として栄えた土地。絣はまさに江戸時代の仕事着。着物文化の衰退とともに製造も減り、その後、地域は日本有数のデニム製品など、ワーキング・ウエアの産地へと進化していきました。備後絣からそのDNAを引き継ぐ福山。そこで生まれた1本のスラックスのストーリーを、EADEM の池田バイヤーと、福山の産地をつなぐ架け橋となったD-FIELDの山口さんにお伺いしました。


上心地よく、体にしっくり合うスラックスを

池田康信
EADEM バイヤー

EADEMの中心となるお客さまは35歳から50歳前後。仕事や生活の中で、移動や行動範囲が大きく、常に快適さを求めていらっしゃる方々です。そんなお客さまのために、心地よく、どのような体型にも馴染んでカッコイイ、そんなカジュアル・スラックスを作ろうと考えました。

海外でも活躍する著名な日本人デザイナーたちが、惚れ込んだ産地があります。それが、福山だったのです。我々の想いを形にしていただくパートナーとして、たどり着いたのは、福山に本社を置く、D-FIELDの山口さんでした。カジュアルウエアを作る場合、生地工場さん、縫製工場さん、洗い加工工場さんなどいくつもの工場を介して作られます。山口さんは、縫製会社にいた経験もあり、ファッションにもモノつくりにも精通した人。直感的に、ぜひこの人と一緒にやりたい、と感じました。


山口和也
株式会社ディーフィールド
第三事業部 部長

「われわれは普段、アパレル・メーカーさんとモノつくりをしていますが、百貨店さんとのお取り引きは初めてだったので、はじめは非常に戸惑いました。池田さんは、こういうものを作りたい、という熱い想いはあるのですが、いかんせんデザイナーではないので、われわれと共有できる言語を持ち合わせてない。正直、これはもう無理ではないか、というところまで行きました。しかし、腹を割って遠慮なく話すうち、段々と、何が求められているのか、池田さんの頭の中のイメージを理解出来るようになりました。そこからは一気にスムーズにいきましたね(笑)。


イメージを“カタチ”にする

池田:
まずは、生地選びから始めました。光沢があり伸縮性のあるコットンサテンを探していたのですが、今ひとつピンとこない。それで見つけたのが、バックサテンのストレッチ素材。あえて裏面のサテンを表にしてみたら、思いがけず上品な光沢が出ました。いわゆる“裏づかい”ですね。ジャケットとのコーディネイトでも使いやすい。この生地であれば、毎日履いても飽きのこない仕上がりになりそうだと思いました。

山口:
生地が決まったら、デザインとパターンの作成に入ります。池田さんのイメージを聞いて、それをまず絵に落とし込む、細かいディテールまでデザインが決まって、やっとパターン作成に入れます。 弊社の女性パタンナー、黒木は、長年パリで洋服の仕事をしていた、知識も経験も豊富なパタンナー。試行錯誤を繰り返しましたが、彼女のパターン力のおかげで、イメージの具現化に成功したのだと思います。


世界のトップメゾンが認めた縫製工場

山口:
洋服は、縫製工場や加工屋さんの技術によっても、仕上がりが大きく変わります。今回の縫製は、大江被服さんにお願いしました。大江さんは、海外の名だたるトップ・ブランドから信頼されている創業50年の縫製工場。ワーキング・ウエアなど、カジュアル製品を得意とする福山産地の中で、たとえ効率が悪くても丁寧に仕上げ、細部まで行き届いた、美しく上品なスラックスを仕上げてくれます。池田さんがイメージするカジュアル・パンツにぴったりだと考え、縫製を依頼しました。

池田:
山口さんが推薦された大江被服さんに伺った際、工程の流れ、技術的なことの説明も確かなものでした。縫製工場の人手不足にも当然危機感を持ってらっしゃることも伺う中でも、大江社長は、従業員一人一人を大事に想い、消費者目線で、丁寧に工場を運営されているとわかりました。一貫工程を進めていけば、一人一人の責任も持たれた製品に仕上がる。私はそんな工場のことを、お客様に伝える責任があると思いました。


大江淳子
大江被服株式会社
代表取締役

福山は、裁断、縫製、仕上げと、昔ながらの分業化しているところが多いのですが、私たちは社内ですべて行う一貫生産体制にしました。そうすることによって、対応が早くなりましたね。縫っている最中でも、気になる部分が見つかれば、裁断し直してもらう。効率は悪いですが、確かなものが出来あがります。

大変な時期もありましたが、社員を減らしたくはなかった。いくつになっても働いていただきたい。熟練した技術を次の世代に継承して欲しいと考えています。


「ボールバイオ」という仕上げ加工

池田:
今回のスラックスは、わざと色落ちした“アタリ”を出すために、「ボールバイオ」という洗い加工を施しています。大江さん同様、クワダ洗業さんが山口さんからの依頼を既に理解してくださっていることが、一言でわかりました。クワダさんから、「EADEMの場合は、キレイ目に仕上げるんだよね」一見簡単そうなその一言で、目線が合っていることが確認できた瞬間でした。この工程が、最終的に製品としての顔になる重要な部分になりますので、クワダさんのような存在が本当に大きいのも事実です。

山口:
「ボールバイオ」は、洗い釜の中に、繊維を分解する酵素とゴムボールを入れ、製品と一緒に洗う加工方法。酵素の働きで、素材の風合いを柔らくし、上品な色落ちが得られます。また、ボールと生地がぶつかり合うことによって、より強い“アタリ”が出て、雰囲気のある表情に仕上がるのです。クワダ洗業さんは、このパンツに合う様に、洗い、すすぎ時間の長さや柔軟剤の量なんかも細かく調整してくれているんです。

ディスカバー・フクヤマ

山口:
私は福山生まれ。物心ついた頃には、備後絣はすっかり衰退し、福山が繊維の街という印象はまったくありませんでした。大学で上京し、音楽やファッションに大きく影響を受けましたが、大好きなブランドの服が、生まれ故郷の福山で作られていることを知り、ショックを受けました。自分の故郷と大好きなブランドが繋がってることでうれしかったと同時に、福山のことを何も知らないことに衝撃を受けました。そこで私は、故郷で好きな洋服の仕事に携わりたいと思い、福山の縫製工場に就職したのです。

池田:
EADEMでは、しっかりと産地にフォーカスを当てたアプローチをしています。福山は、生地の企画生産、染織、縫製、加工など、多くの関連事業者が連携して、良質な製品を作りだしている。商品が媒体となって、つくり手の方々の技術や想いが、世の中に広がればいいなと考えています。

山口:
三越伊勢丹さんが産地をしっかりクローズアップして頂いたことによって、つくる側のモチベーションもすごく上がると思っています。この先も、福山が産地として評価される状況が続くのか、分かりません。地域の持続的な活性化は大きな課題です。私は、これからも引き続き、福山の活性化のために役に立ちたいと考えています。


備後ブランドのカジュアルパンツ

池田:
EADEMのコンセプトでもある、コンフォート。最近よく耳にする言葉ですが、改めて、コンフォタブルであることにこだわって、メンズのカジュアル・スラックスを作りました。素材、サイズ、汎用性という、3つのワードのどこから検証しても、心地いいパンツに仕上がっています。素材は、福山で作られたコットンサテンストレッチ素材。ストレッチ素材なので体に馴染んでくれます。フロントファスナーの内側に施したパンチェリーナ仕様はしっかりお腹をホールドして、パンツのずり落ちなどを防いでくれます。サイズは5サイズ展開。

<<EADEM> >
ワンタックサテンストレッチパンツ


20,520円(税込)

カラー:ベージュ、ネイビー
素材 :綿98% ポリウレタン2%
サイズ:44, 46, 48, 50, 52
原産国:日本


素材づくりから、縫製、加工に至るまで、すべてを広島県福山市で行いました。 30番手コーマ単糸を使ったサテンストレッチのパンツは、ソフトで綺麗めな仕上がり。仕上げにボールバイオ加工を施すことで、ベルトや、ポケット口などにほどよいアタリや色落ち感が、上品なカジュアル感を醸し出しています。