facebook twitter LINEで送る

ISETAN MEN`S + 西垣靴下

ISETAN MEN`S + 西垣靴下

facebook twitter

メンズ・ファッションの世界では、クールビズなどの影響で夏のスタイリングの自由度が増し、ビジネスシーンでもコンフォタブルなスタイルが主流になっています。それに伴い、パンツの丈も短くなりつつあり、お客様の足元のワードローブの重要なアイテムとして、「シューズインソックス」のニーズが高まってきました。今回は、お客様の“最強の黒子”になりうるドレス用シューズインソックスの開発ストーリー。

イセタンメンズの松矢バイヤーと、靴下の街、奈良県大和高田で新しいことに果敢にチャレンジし続ける靴下メーカーの西垣靴下さん、そして両者をつないだギャレットの山崎さんに、それぞれお話を伺いました。


ビジネススタイルに合うシューズインソックスをつくりたい! ビジネススタイルに合うシューズインソックスをつくりたい!

松矢俊史
ISETAN MEN`S バイヤー

7〜8年前でも「素足に革靴」というスタイルはありましたが、ごく少数の人たちのファッションでしかなかった。しかし、ファッションスタイルやビジネススタイルの変化を受けて、この1〜2年でかなりマスのマーケットにも広がりました。パンツがアンクル丈になって、弊社でも、コーディネイトに応じて春頃から多くの男性バイヤーたちがシューズインソックスを履いています。

ただ、シューズインソックスはカジュアルなものが多く、ビジネスシーンにフォーカスしたものが少ない。そこでぜひ、どんな靴を履いてもソックスが「見えにくい」、そして「脱げにくい」、夏でも「快適な」、ドレススタイルに適したシューズインソックスをつくりたい!と、ギャレットの山崎さんに相談したわけです。


山崎健太郎
株式会社ギャレット

弊社はソックスやインナーウエア、雑貨などの企画と販売をしている会社。私たちもシューズインソックスの開発は以前から行っているのですが、私自身、これがベストと思うビジネス向けの製品が市場にないと感じていて、日々色々な素材を探していました。ある日、西垣靴下の部長さんから『和紙』で出来た靴下のサンプルを見せてもらい、それがずっと心に残っていました。西垣靴下さんは、市場になかった商品の開発に大変力を入れられてモノつくりをされている会社です。

たまたま松矢さんから、ビジネスシーンに適したシューズインソックスのご相談をいただいた際、『和紙』を使えば出来るのではないか、と直感しました。


西垣和俊
西垣靴下株式会社
代表取締役社長

奈良県は、日本国内の靴下生産量の約60%を占めている一大産地です。その中で弊社は、高機能でこだわりのあるモノつくりに重点を置き、たとえニッチでも、それぞれのお客さまが何を望まれているか、追求した靴下づくりを目指しています。

今回の企画の「和紙素材」の靴下は、新たな試みでした。和紙って弱い素材なのでは?と思われがちですが、実は大変丈夫なのです。軽くて丈夫で吸水性も速乾性も抜群。和紙は今一番面白い素材だと思います。


夏に最強で最適な素材、和紙

松矢:
開発にあたって、ギャレットさんに相談したのは、なるべく天然由来の素材を使いたいということ。次に、通年はもちろん、夏場でも、高いパフォーマンスを発揮できるもの。そして、ドレス仕様のシューズインソックスという、主に3つの条件でした。

山崎:
以前、西垣靴下さんで見せていただいた和紙素材の靴下は、ミドルゲージでした。松矢さんの要望はドレス対応ということでしたので、ハイゲージで薄いものが出来ないかと、まずは西垣靴下さんに「糸の製作」を依頼しました。

西垣靴下:
和紙を厳選するために岐阜県美濃市の製紙会社にも赴きました。糸を作るうえで、和紙の幅が広いと糸自体が太くなってしまう。それではハイゲージの編み機には入りません。そこで、最小限に糸を細くするように依頼しました。また、和紙と綿糸とを普通に撚って染めると、それぞれの染まり具合が違って色にムラが出てしまう。最終的には、無地色になるように和紙糸を芯にして、綿でその周りをカバーした形状にするなど工夫しました。和紙の風合いはリネンと似ていますが、リネンのようにチクチクしないのが特長です。

松矢:
和紙素材と聞いたとき、耐久性はどうなんだろう?とか、和紙はシャリ感が強いので、肌に直接触れると履き心地が悪いのではないか?とか、いろいろ懸念しました。 しかし、最初のサンプルを見たとき、すべての懸念は払拭されましたね。

山崎:
和紙って、夏の靴下としては、最適の素材だと思います。ドライタッチでさらっと心地よい。和紙は弱いというイメージを持たれている方が多いですが、摩耗試験をしてみると、一般的な綿糸より耐久性が高かったのです。吸湿性も良いので、最近ではランナーなどスポーツ選手が履いているそうです。スレと蒸れによる水ぶくれができにくいのだそうです。


縫い目がなくストレスフリーな仕上がり

松矢:
さらに私がこだわったのは、編み機の針が200本以上のハイゲージであることと、上質なドレスソックスに多い無縫製のリンキング仕様であることです。リンキングとは、編み地の剝ぎ目の始末を、一目一目拾って閉じていくニット独特の仕様。西垣靴下さんが所有する機械では、編み始めからリンキングまで、すべてをひとつの編み機で自動的に編み上げていきます。リンキングで仕上げた編み地は、縫製部分の縫い代がないので、靴下を履いたときにつま先の縫い代のゴロツキがなくすっきりします。見た目も履き心地も良く、シューズインソックスにはあまり無い、上質でこだわりのある仕上がりになりました。

靴下の裏側。裏から見ても、縫い代がなくすっきりした仕上がり。

バイヤーたちの厳しいチェックで完成したフォルム バイヤーたちの厳しいチェックで完成したフォルム

松矢:
靴下って、ひとつお気に入りを決めたら、自分の相棒はこれ!と思って履き続けるアイテムだと思います。お客様にも、そう思っていただけるようなソックスを作りたかった。そのため、自分だけで判断するのではなく、社内のバイヤーたちに何度も試着してもらい、モニタリングを繰り返しました。

イセタンメンズのバイヤーたちの多くは、コーディネイトに応じて春先頃からシューズインソックスを履きます。彼らからは、様々な意見や要望が集まりました。中でも特に多かったのが、ソックスが靴からはみ出て「見えないこと」。そして「脱げにくいこと」。靴のバイヤーには特に協力してもらい、様々な靴で試してみて、履き口のカット、かかとの深さなど、試作を重ねました。

山崎:
「見えないこと」と「脱げにくいこと」というのは、相反することです。靴から出ないよう浅くすればするほど、脱げやすくなる。脱げづらいように深くすると、靴からはみ出る。双方のバランスが難しいのです。深さのサンプルだけで、西垣靴下さんには、5〜6パターン作っていただきました。

西垣靴下
実際社内では、その倍は作りましたね。(笑)


本当にいいと思うものだけをご提供したい

松矢:
男性のワードローブで定番というと、白いワイシャツ、ネイビーのタイ、ネイビーのジャケットなどが挙げられますが、靴下に関しては、黒か紺無地のリブソックスになると思います。今回のシューズインソックスも、是非そのワードローブの定番として新たに加えていただきたいアイテムですね。

山崎:
毎日身につけるものの中で、意外とこだわりが少ないのが靴下かなと思います。結構おしゃれだなと思う人でも、靴下にはそれほどこだわっていない人が多いですよね。

松矢:
小さなアイテムですが、靴下ひとつだけで全体のスタイリングが悪くなってしまったり、逆にぐっと良くなったりもする。実は気の抜けない重要なアイテムだと思います。

山崎:
消耗品と言ってしまえばそれまでなんだけど。だからこそ、私たちがあえてこだわりを持って作っていることが面白いですよね。

松矢:
やはり、自分が身につけたいもの、自分が本当にいいと思うものを作りたいですね。そこは、ギャレットさんも西垣靴下さんも同じ気持ち。だからこそ、信頼してモノづくりを一緒にできるんだと感じています。


和紙でできたシューズ・イン・ソックス

和紙素材を使用しているので、高温多湿の夏でも、汗によるべたつきを軽減し一日中さらっとした履き心地です。つま先部分はリンキング使用で、縫製によるゴロつきも軽減されており、アーチサポート機能付きで疲れにくい・脱げにくい設計。スニーカーインソックスは、スニーカーを履いたとき甲に靴が当たらず快適。ローファーインソックスは、ドライビングシューズ・ローファーなど、浅履きの靴におすすめです。