キリスト教式
キリスト教式の流れ
通夜
キリスト教式の通夜や葬儀は、一般には教会で行われます。カトリックの場合は“通夜の祈り”“通夜の集い”と呼び、プロテスタントの場合では“前夜式” “前夜祭”といいます。式次第もカトリックとプロテスタントでは多少違います。

しきたりとマナー
式の進行に関して、カトリックでは神父の方、プロテスタントでは牧師の方に従います。キリスト教では、死は神に召されること。死者が仏や神になる考えはなく“帰天”(カトリック)“召天”(プロテスタント)といって、拝礼はあくまでも神に捧げられます。

Q&A
-
- キリスト教の通夜の不祝儀袋はどのようなものがよいでしょう?
- キリスト教の葬儀では、原則として白い生花以外の献花はしません。仏式のお香典に相当するものも本来は必要ありません。しかし現在では、生花の代わりに「御花料」として金子を贈るのが一般的です。その際には、のしも水引もつけない白無地袋か市販の袋に入れて持参するとよいでしょう。蓮の花の不祝儀袋を使うのは仏式のみなので注意しましょう。
-
- ご返礼はどのようにしたらよいでしょうか?
- カトリックの場合には三十日目の追悼ミサ、プロテスタントの場合には一カ月後の召天記念日の後に挨拶状を添えて返礼を行います。ご返礼の目安は、いただいた額の三分の一から半分を返すのが一般的です。
葬儀
カトリックとプロテスタントでは、葬儀の式次第も多少違います。ただし、葬儀と告別式を区別せず、同時に行うのは共通です。

しきたりとマナー
式次第や歌詞は配られることが多く、カトリックでは聖歌を、プロテスタントでは賛美歌を参列者みなで歌います。仏式のお焼香に近いものが献花で、白い菊やカーネーションなどが使われます。

Q&A
-
- キリスト教式の供物とはどのようなものでしょうか?
- カトリックの場合、祭壇に供物は供えません。花を贈りたいときは自宅に届けるようにします。プロテスタントの場合、祭壇に生花のみ供えます。
追悼ミサ、記念式
カトリックでは3日目、7日目、30日目、1年目、それ以降は毎年教会で追悼ミサを行うのが通例です。プロテスタントでは記念式といい、1ヵ月後の召天記念日の記念式、1年目、3年目、7年目などの召天記念日に教会で追悼式を開きます。

しきたりとマナー
プロテスタントでは、1ヵ月後の召天記念日に埋骨式(まいこつしき)をかねる場合が多いようです。追悼ミサや記念式に招かれた場合、供物として花を贈ることはあっても、金子を持参する習慣はありません。ただし、ミサや記念式の後で会食があることがわかっている場合には、お食事代を目安として「お花料」として渡すことが多くなっています。品物を持参する場合の表書きはカトリックの場合「御弥撒(おんみさ)」、プロテスタントは「御忌慰(おんきい)」とします。

Q&A
-
- 追悼ミサや記念式のあとには、なにかあるのでしょうか?
- 追悼ミサや記念式のあとには、教会の別室で茶話会(さわかい)を開いたり、亡くなられた方の仕事や功績をたたえた“演奏会”を催したりするなど、さまざまなスタイルで偲ぶ会が開催されることも多いようです。仏式とは違い引き物は用意しないのが普通ですが、最近ではお茶、コーヒー、クッキーなどの茶菓を贈るケースも増えています。