<なだ万厨房> お弁当で気軽に味わう老舗料亭の味とおもてなし。

2023.3.10 UP

老舗料亭の味をもっと身近に楽しんでもらえるよう、調理人が日々腕を振るう<なだ万厨房>。その母体となる日本料理店<なだ万>は、1830年に大阪で創業した。

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挑戦と創意工夫を重ねてきた<なだ万>の歴史。

創業190年を超える<なだ万>。その老舗が、惣菜部門として立ち上げたのが<なだ万厨房>だ。コンセプトは「料亭のおもてなしを食卓へ」。素材を生かした献立は彩りに満ち、お弁当のちょっとした副菜からも季節を感じられる。

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<なだ万>で修業を積んだ調理人が腕によりをかけて作る。

売り場には、旬の野菜をふんだんに取り入れた惣菜がずらり。食材ごとに下拵えの仕方や味付けを変えるなど、それぞれに合った調理方法を工夫している。だしや調味料の配合など、細かい部分にも目を光らせるため、各工場に調理長を配置。そんなところにも、妥協を許さない老舗の矜持が垣間見える。

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灘萬の三代目・楠本萬助。1919年、西園寺公望公のパリ講和会議の欧州随行料理人として選ばれた。

 

すべての始まりは、江戸時代後期に大阪で創業した料理屋<灘萬>。初代・灘屋萬助が、出身地である長崎の卓袱料理を提供していた。卓袱料理というは、中国、西欧の料理を日本化した宴会料理の一種。これを二代目が、漢方の心得を生かしつつ上方料理(京都や大阪の料理)に取り入れ、独自の日本料理に発展させたのだという。

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時代に先駆け、西洋の食品を取り扱う綜合食料品店をオープン。

明治中期には、綜合食料品店(今でいうスーパーマーケット)を開設。なんと、当時はまだ普及していなかったパンも売り出している。

 

おもしろいことに、こんなところでも名前を発見。

「仕舞に彼は灘萬のまな鰹とか何かというものを是非父に喰わせたいと云い募った」(夏目漱石「行人」より)など、文豪の作品にたびたび登場し、読者の想像を掻き立てている。

 

 

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ホテルニューオータニの日本庭園内にある<なだ万本店 山茶花荘>。1974年、本店を東京に移転した。

 

 

 

料亭の味を食卓にお届け。目と舌で味わう季節の恵み。

1995年、<なだ万>の惣菜部門として百貨店に初進出した<なだ万厨房>。伊勢丹新宿店には、その翌年に出店している。バラエティに富んだ品々につい目移りするが、どれにしようか迷うのも楽しい。季節ごとに登場する新商品も、ぜひ味わいたい。

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<なだ万厨房>伊勢丹新宿店の店舗。

人気は「ローストビーフのお弁当」。時季によって御飯の具材を変える、季節感あふれる一品だ。例えば、12〜2月は蟹帆立御飯、3〜5月は筍御飯というように、調理長がその季節に合わせて内容を吟味し、新しいお弁当を考案。

ローストビーフは上品な味わいながら、噛み締めるとじわりと牛肉の旨みが広がる。

 

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ローストビーフと蟹帆立御飯のお弁当(1個)2,376円

時季によって御飯の内容は変更。蟹帆立御飯は12〜2月の期間限定。

 

煮物、焼物、厚焼き玉子など副菜も豊富。食材ごとに適した調理法で仕上げてあり、それぞれの持ち味や食感が存分に生きている。おかげで最後まで飽きずに食べられ、まるで懐石を食べているような満足感。これはもう、次の季節も楽しみに待ちたくなる。

 

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こだわり弁当 舞(1個)3,780円

煮物、焼物、揚げ物など色とりどりの副菜と、季節の御飯を詰め込んだお弁当。2段重ねで見た目も華やか。

 

 

伝統的な味わいの中に独自性が光る。

一見脇役とも取れる惣菜にも、老舗のアイデアがキラリ。「スープ茶碗蒸し」には、だしがたっぷり使われている。口に入れるとするっと溶け、驚くほどなめらかな舌触り。温めて食べるのはもちろん、冷やしてもまた味わい深い。

 

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スープ茶碗蒸し (1個 )422円

具材は海老、銀杏、椎茸、蒲鉾、鶏肉など。料亭では前菜として登場することも。

意外なのは、「和風ビーフカレー」。元々は調理長が一部店舗で裏メニューとして作っていたもので、常連客からのリクエストを受けて商品化されたという。隠し味には醤油が使われ、スパイスの香りと重なり合う。玉ねぎ、にんじんをはじめ、形がなくなるまで煮込まれた野菜もいい仕事をしていて、コクのある深い味わいに仕上がっている。

 

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和風ビーフカレー(1個)999円

大人向けのスパイシーなカレー。レトルトながら、スパイスが飛んでしまわないように工夫されている。

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お好みの具材をトッピングするのもいい。

王道の和食を味わいたい人は「彩り野菜と湯葉」がおすすめ。茄子や、里芋などの野菜を湯葉と一緒に盛り付けた一品だ。食材の味を生かして調理されていて、それぞれの個性を味わえるのがうれしい。広がるだしの風味にホッとさせられる。

 

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彩り野菜と湯葉(1パック)519円

一つひとつ丁寧に調理された野菜の彩りが食欲をそそる。

伝統を守りつつ、その中でしっかり独自性も出す。その精神は、「老舗はいつも新しい」という社是として今に引き継がれている。

 

Text : Maiko Shindo

Photo : Yuya Wada

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