2024.9.13 UP
店頭に並ぶおむすびは、のべ30種類以上。昔ながらの王道の具材にも惹かれるが、食べたことがない変わり種にも興味をそそられる。しかも、季節の野菜や魚介を使った期間限定の商品は、毎月4種類の新作が登場するのだ。バラエティーに富んだラインナップの中から、お気に入りを見つけたい。
伊勢丹新宿店の店内にある厨房で手作り。出来立てのおすびが次々と店頭に運ばれていく。
なかでもユニークなのが、「玉子かけごはんをおむすびで再現する」というテーマから誕生した「半熟煮玉子おむすび」。なんと煮玉子が丸ごと1個、具材として使われ、とろりとした半熟の黄身が口の中でごはんと絡み合う。煮玉子には昆布と鰹で出汁を取った甘辛いタレが染み込んでいて、それだけでもとても味わい深い。一方、ごはんには鰻の蒲焼きをヒントにして作られたやや甘めのタレを混ぜ込み、これらが合わさった時の濃厚さがたまらない。
(右)ジャンボ肉巻き(1個)411円、(左)鮭おむすび (1個)270円【2024年10月15日(火) 価格改定いたしました。】
(中央)半熟煮玉子おむすび(1個)324円、
<穂の香>の代名詞とも言える「半熟煮玉子おむすび」をはじめ、豚バラを使った「ジャンボ肉巻き」、王道の「鮭おむすび」も人気。
子どもにも大人にも幅広く愛されているのは、王道の「鮭おむすび」。使用しているのは銀鮭の粗ほぐしで、口に入れると舌触りがしっとりしていて、ほろりと優しくほぐれる。この食感は、銀鮭をふわっと蒸し焼きし、人の手でほぐしているから。見えないところにも手をかけることが、味わい深いおむすびを作る秘訣である。
おむすびをどこから食べてもひと口目で具材に当たるように、たっぷり入れるのがこだわり。
既製品の鮭フレークを使わず、自社で蒸し焼きするところから始める。
「辛子明太子おむすび」は、しっかりとした辛さが印象的。具材にする辛子明太子は、食べ進めるごとにごはんの粒とまんべんなく混ざる「バラコ」(皮がない、粒の状態のもの)と、明太子らしい濃厚な味わいを感じさせてくれる「切れ子」(カットされた、皮が付いた状態のもの)を独自に配合している。また、「海老天むす」は海老天丼をイメージして、丸ごと一本をトッピング。<穂の香>にはインパクトのあるおむすびが揃っているので、さまざまな種類を組み合わせて手土産にすれば、見た目もにぎやかになり、きっと喜んでもらえるはず。
(右)海老天むす(1個)335円、(左)辛子明太子おむすび(1個)281円【2024年10月15日(火) 価格改定いたしました。】
大きな海老天は、ショーケースの中でひときわ目を引く。辛子明太子は静岡の指定工場から仕入れている。
おにぎらずのスタイルをとった商品「ぐぅサンド」シリーズも忘れてはいけない。「ワンハンドで丼物を」がコンセプトに考えられただけあって、具材がボリュームたっぷりに入っている。「とろたまハムカツ」は、たっぷりのソースと肉厚なハムカツがサンドされ、食べごたえ満点。「ぐぅサンド」は他にも、漬けマグロとチーズを挟んだ「漬けマグロチーズ」など、洋風テイストのものも揃う。
ぐぅサンド とろたまハムカツ(1個)389円
ご飯にたっぷり染み込んだハムカツソースが食欲を刺激する。
<穂の香>で使用されている米は、新潟県魚沼産コシヒカリ。きれいな水と空気に恵まれた十日町市の棚田で栽培された、ミネラル豊富な棚田米である。噛み締めるたびに、旨みが大きく膨らんでいく。個性が強い具材でも最後まで飽きが来ず、むしろもっと食べたいとつい2個目に手がのびるのは、この米のおかげかもしれない。
米を約一時間、冬だと約二時間浸水させることで熱が中まで入り、ふっくら炊き上がる。
伊勢丹新宿店の店内厨房では、業務用の炊飯釜3台をフル稼働。この炊飯釜は一度に5kgの米が炊けるサイズだが、よりふっくらさせるため、あえて4kgずつ炊く決まりになっている。1日に15〜20回転させ、温かい炊きたてをおむすびに。ごはんの粒が潰れないようにひとつひとつ優しく握っている。
一粒一粒ハリがあり、輪郭があり、ふっくら炊きあがった米。
のりにもこだわり、国産品を使用。香りがよく、全体の味わいをきれいにまとめてくれる。ちなみに、口溶けがよすぎても手につくなどして食べづらくなってしまうので、絶妙に歯切れのよいものを選んでいるそう。
ミネラル豊富でまろやかな藻塩を振り、最後にていねいにのりを巻いていく。
アイデア満載の<穂の香>の進化系おむすび。その見た目と味わいで、食事のひとときを華やかに彩ってくれる。さらに、オリジナル具材が気付かせてくれる米の旨み。思いっきり頬張って実感しよう。
▼クレジット
Text : Maiko Shindo
Photo : Yu Nakaniwa , Yuya Wada