2023.9.15 UP
2010年3月、伊勢丹新宿店本館地下1階=プラ ド エピスリーのリモデルと同時にオープンした<ナヴァラサ>。世界中の紅茶、中国茶、オリジナルのブレンドティーやアロマティー、ハーブティーなども取り揃える。なかでも、<ナヴァラサ>の実力を伺い知ることができるのは、やはりダージリン紅茶だろう。
現地で買い付けのためのテイスティングをする株式会社リーフル代表取締役の山田 栄さん。ひとつの農園で数十種類の紅茶をテイスティングし、さらに1日に3,4カ所を周ることも。1988年の創業後、インドやネパールなどの茶園を訪ねて現地スタッフと交流を重ね、高品質の紅茶を選び扱うようになった。
今から30年以上前のこと。代表を務める山田 栄さんは、「ゼロから何かを始めてみたい」という想いで専業主婦から紅茶の世界へと飛び込んだ。
試行錯誤の末、山田さんは1988年に自身の会社を創業。「よりよい紅茶を自分の仕事として表現しよう」と、生産地であるネパール、インド・ダージリンへ買い付けに飛んだ。1990年代初頭、大手商社ですら現地へ買い付けることなど珍しかった時代である。以来、毎年のように、ダージリン紅茶の葉が摘まれるファースト(春)、セカンド(夏)、オータムナル(秋)の年3回、現地へ買い付けに行くようになる。
標高の高い生産地は、そこにたどり着くだけでも重労働。生産者に会い、顔を合わせて話を聞き、そして1つの農園で何十種類もの茶をテイスティングする。さらに1カ所のみならず、1日に3,4カ所もの農園を巡ることもある。
コロナ禍を除き、何十年にもわたって続けた結果、生産者との人間関係が築かれ、誰もが驚くようなクオリティの稀少な紅茶を手に入れられるようになったのだった。
良質な紅茶の産地として世界的にもその名を知られる、インド・ダージリンのマーガレッツホープ農園。
よい茶葉が育つ条件を満たす、マーガレッツホープ農園での茶摘みの様子。手作業で丁寧に行なわれる。
紅茶の魅力について、山田さんは「気象条件や生産者の情熱、そして時季のおいしさが掛け合わさったものです」と語る。現在、20~30の農園との付き合いがあるが、扱うのはすべてシングルオリジン。せっかく大事に育てられた「この農園」「この季節」の茶葉を混じり気のない状態で味わってもらうためだ。
ダージリン2023年 セカンドフラッシュ マーガレットホープ農園 ホワイトシャイニーディライト 大缶(35g)5,994円
高名な農園の標高1200mに位置する伊勢丹限定区画で栽培されたダージリン。熟したフルーツのような甘い香りや花のような香り、香ばしさが一体に。大きな茶葉がカップの中で開き、丁寧な仕事が感じられる。
店頭に並ぶのは、どれも胸を張って「本物」といえる紅茶ばかりで、それぞれに特徴がある。さらに、「お茶は心と結びつくもの」という考えから生まれた商品「エモーショナルシリーズ」もある。気分やシチュエーションに合わせて大事に選びたい。
大切な人への贈り物に、時には日々がんばっている自分へのご褒美に。本物の紅茶で癒しの時間を優雅に味わおう。
ダージリン2023年 ファーストフラッシュ マーガレッツホープ農園 ホワイトシャイニーディライト ボトルドリンク(900ml)10,800円
伊勢丹限定の茶畑で摘みとられた上質な一芯二葉のみを使い、海洋深層水のお水で、時間をかけてじっくり抽出したもの。タンニンは抑えめ。保存料不使用。数量限定のスペシャルドリンク。
エモーショナル 喜、エモーショナル 怒、エモーショナル 哀(各6袋入)各702円
喜怒哀楽など9つの感情をテーマにブレンドした伊勢丹限定のエモーショナルシリーズ。たとえば、「哀」は「悲しい時は無理に元気にならなくてもいい」という思いを込めたブレンド。菩提樹のしみじみとした味とメープルのほのかな甘さが気持ちを和らげる。
シャングリラ2022年 セカンドフラッシュ グランセ農園(大缶)8,154円
ネパールの標高約2000mの地に位置する農園で、山田さんがネパールに初めて訪れたきっかけとなった。生き生きとした茶葉が採れ、ネパールの国花グランセ(シャクナゲ)を思わせるような馥郁とした風味。
フルーツインティー 2,160円
カフェインの渋みが出ないルイボスティーなどのティーと手作業で丁寧に乾燥させた旬のフルーツを共に抽出して味わうフルーツティー。ドライフルーツとティーのマッチングに重きを置く。
Text : Yumiko Numa
Photo : Yuya Wada