風味が冴えるオリーブオイルは「さしすせそ」の次の調味料。

2023.9.15 UP

2007年6月、伊勢丹新宿店食品フロアに誕生した国内初の本格的オリーブオイル専門店。自社直輸入のイタリア製商品を中心に、選りすぐったオリーブオイルを取り扱う。日本の食にも寄り添えるオリーブオイルは、もう一つの基本調味料として食卓に仲間入りを果たした。

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シングルエステートを中心に目利きしたオリーブオイルを豊富に揃える

イタリア品種だけでも軽く500種類にも上るというオリーブオイルの世界。<オリオテカ>では、知識豊富なスタッフが現地に足を運んだり、常に新しい情報をチェックしながら、その茫洋な種類から、イタリア製を中心に選び抜いた約20種類を常備する。本格的なオリーブオイルを扱う店として、かなり豊富なラインナップである。

 

選択のポイントは、生産地の違いや味わいのタイプ、オリーブの品種、そして日本の食卓で活躍しそうなものという視点。オリーブオイルもまた農作物ゆえ、年に数回見直しも行っている。 

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創業時から扱うオリーブオイル「バルディ」が作られるオリーブ農園は、シエナの南。波のような丘が続くキアーナ渓谷の小さな村にある。

中でも、オリオテカを代表するオリーブオイルとして紹介したいのが、イタリアトスカーナ州のフランコ・バルディ氏が作る「バルディ」。完全に耕作放棄されたオリーブ園を手に入れたバルディ氏が、一から手を掛けて築いた農薬や化学肥料不使用のオリーブ畑で育てられたもので、いわば彼の夢と情熱の結晶。オリオテカでは創業時から販売している銘柄だ。

 

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バルディ(イタリア製/458g)4,860円 (イタリア製/229g)3,024円

すべての木を農薬や化学肥料不使用で育て、手摘みを中心に収穫したオリーブを自家搾油所で搾油。心地よい苦みと辛みがありコクが豊か。年間1万本の限定生産。

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イタリアのオリーブオイル界で「オリーブと会話する男」といわれるフランコ・バルディ氏。耕作放棄されたオリーブ園から見事再生し、木々はたわわな実をつけるようになった。

オリオテカでは、「バルディ」がそうであるように、ひとつの生産者による畑から収穫されたシングルエステートのオリーブオイルを扱うことを基本としている。さらに、搾油がどのような方法によるもので、いかなる環境で行われているのかも踏まえた上で目利きをしている。

 

オリーブオイルソムリエの資格を持つオリオテカ新宿店 店長の室橋安佐子さんは、その魅力をこう語る。

「オリーブの自然なスパイス感があってインパクトのある味わいながら、コクがあってどんなお料理にも使えます。バケットにはもちろん、豆腐にかけたり豚汁に垂らしてもおいしいですよ」

 

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2018年より自家搾油所で搾油。ここで搾るのは自家農園のオリーブのみという贅沢。

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農園ではトスカーナ風のガーリックトースト「フェットゥンタ」をお薦めしてくれる。オリーブオイルの鮮烈な風味が広がる。

 

知識豊富なスタッフがヒアリングしながら「好みの1本」へとナビゲート

オリオテカでは、味のタイプを「ストロング」「マイルド」「グリーン」と独自に分類している。店頭では、「香り」「苦」「辛」「コク」と4つのカテゴリーの特徴を視覚的に端的にわかりやすく記した表を設置し、用途や好みを聞いて求める味にナビゲートしてくれる。すべて商品がテイスティングできるのも、オリオテカならではのサービスだろう。

 

室橋安佐子さんは、オリーブオイルの生かし方をこう語る。

「イタリア料理と日本料理には共通性があって、油というよりは砂糖、塩、酢、醤油、味噌といった基本の『さしすせそ』に続く調味料として取り入れていただきたいですね。醤油が各地で味の違いがあるように、オリーブオイルも異なる風味を食べ比べるおもしろさがあります」

豆腐や魚料理、豚汁に合うもの、と、まさに日本の食卓に添う活用術も提案する。

 

さらに、毎年10~12月は、当年製の“オリーブオイルヌーボー”が10種類ほど出揃う。そのみずみずしさと口当たりのなめらかさに、オリーブオイルが果実のジュースといわれることを実感!

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アグロ・ディ・モスト(イタリア製/250ml)2,700円

エミリア・ロマーニャ州の特定地域の農産物を規定された製法により生産・加工・調整された製品であることを示すD.O.P.(Denominazione di Origine Protetta)地域で造られる、ブドウ果汁100%のバルサミコ酢。樫の大樽で約2年の発酵を経て、ぶどう本来のフルーティーな味わいとフレッシュさ、なめらかさが一段と強く感じられる。サラダをはじめ、豚肉の肉汁と合わせてソースに。

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トラパニ・サーレ フルール・ド・セル(塩の花)(イタリア製/90g)1,296円

原材料は「海と太陽と風」といわれる天日海塩。トラパニとエガディ諸島を結ぶ海域の澄み切った海水を、WWF(世界自然保護基金)が管理する自然保護区の中の自社塩田に引き込み、昔から変わらぬ製法で天日海塩を採取している。ミネラル成分が多く、旨みが豊か。なんといっても、肉や魚のグリルの振り塩に◎。イカや白身魚のお刺身にはレモンとともに。カツオのたたきにも!

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カステル・ディ・レゴ・オーロ(イタリア製/458g)4,320円

地品種のオリーブのみを栽培する作り手が、2000年からトンダ・イブレア種100%で作るロングセラー。自社搾油所も構える。青草や青いトマトを思わせるような、青みの立ったフレッシュかつフルーティーな香味が持ち味。野菜との相性がよく、火を通したものでも生でも◎。

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ボナミーニ DOP ヴェネト・ヴァルポリチェッラ(イタリア製/229g)2,376円、(イタリア製/458g)3,780円

北イタリア、ヴェネト州を代表するオーブオイル生産者が手掛けるブランド。ヴェローナやヴェネチアの数多くのレストランがテーブル用オリーブオイルとして提供している。セロリやミント、青いバナナのような優しい香りで、温かな料理にひと振りすれば、テーブルに甘い香味がパッと広がる。ホワイトアスパラガスや白身魚との相性は抜群!甘味もあるのでヨーグルトに入れたり、シリアルと合わせても◎。

 

 

Text : Yumiko Numa   

Photo: Yuya Wada 

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