イセタン ザ・スペース
鮮やかな色彩とシンプルな形状で作品を描くことで知られるアーティスト、ガイ・ヤナイ(Guy Yanai)。
日本で初めての個展となる「The Tokyo Edit」を、4月5日(土)から伊勢丹新宿店 本館2階 ISETAN THE SPACEにて開催いたします。
日常の瞬間を独特な視点で捉える彼の作品は、観る人に新たな視覚体験を提供します。
本展では、様々な要素や物事が交錯する街「東京」から着想を得て、人やモノ、日常の何気ない風景など多様な題材の作品を揃え展示販売。
日常の瞬間を巧みに切り取った作品の数々は私たちの日常に潜む小さな発見や魅力を映し出し表現しています。
日々の小さな瞬間を大切にし、そこに詩的な存在を表現することを大切にするヤナイは、
「大きな言葉や壮大なアイデアよりも、ささいな瞬間の中にこそ人生の奥深さがある」と語り、その哲学が彼の作品に色濃く反映されています。
ヤナイの作品は、観る者に新たな視点を提供し、日常の中に潜む美しさと価値を再発見させる力を秘めています。
ぜひこの機会に、彼のユニークな視点と独自の世界に触れ新たな感動や発見をお楽しみください。
Guy Yanai
Couple with Baby Sailing, 2025
Oil on canvas
40 x 30 cm
Guy Yanai
Tulips in Ceramic Vase, 2025
Oil on canvas
40 x 30 cm
Guy Yanai
Young Woman with Book, 2025
Oil on canvas
80 x 60 cm
Guy Yanai
Blue Telephone, 2025
Oil on canvas
40 x 30 cm
さらに今回は、ガイ・ヤナイ最新の作品集「Insecurity」を販売。
彼が2020年から2023年の間に、各プロジェクトの前にサポーターやコレクター、キュレーター、友人たちに送ったPDFを辿って構成された本書は、
新型コロナウイルスのパンデミック期間中のヤナイの活動や作品の数々を収めた貴重な1冊となっています。
「Insecurity」 9,350円 (税込)
アーティスト インタビュー
Q.今回の展示「The Tokyo Edit」に関して、テーマや思いをお聞かせください。
このプロジェクトと展示が、完全に「ISETAN THE SPACE」と「東京」に特化したものであることが非常に重要でした。ランプが置かれたデスクや、車に乗った若い女性、使い捨てカメラ、車、映画のスチールといった題材は、一見するとあまり一貫性がないように思えますが、これこそが魔法であり、私たちの生活、あるいは私の生活そのものなのかもしれません。
そう、これが“The Tokyo Edit”です。私の心を高鳴らせる、ユニークでありながら一見無秩序なテーマの数々が融合しています。中には何年も私のそばに寄り添っ
てきたものもあれば、ほんの数日前に出会ったばかりのものだってあるのです。
Q.作品をつくる上でのインスピレーション源はなんですか?
私の情報源は至る所にあります。常に探求し、観察しているのです。「今」を探すということは、InstagramやX、ニュース、そして無限の新しい選択肢からイメージを見つけることを意味します。また、自分の日常生活や旅先、日々の些細な出来事からもインスピレーションを得ています。大きな言葉や壮大なアイデアには、もはやそれほど興味を惹かれません。ささいな瞬間にこそ、人生の奥深さがあるからです。
例えば、風が花に触れる瞬間や、窓の外を眺めるとき、優しく触れられる手、そしてこれらの小さな瞬間の記憶。これこそが詩的な存在の本質であり、私をインスパイアしてくれるのです。デスクの上にある青いランプや鉛筆、買い物袋、ティーポットといった物たちは何が特別なのか、と聞かれることがありますが、実は何もないようでいて、すべてが詰まっているのです。
Q.あなたの作品では“ピンク”のカラーが象徴的にたくさん使われているように思います。配色に関して、意識していることがあれば教えてください。
太陽はすべての源です。それは地球上の生命を支え、私たちが目にする色を生み出します。私たちが知っている多くの絵画は、電気の普及以前に制作されたものであり、つまり人々が夜に働くことがなかった時代のものです。セザンヌは、南フランスに街灯が設置され始めた際に非常に怒っていましたが、その灯りはまだ油ランプに過ぎませんでした。
もちろん、色彩は私の作品において否定できない重要な要素です。なぜその色を選ぶのかをうまく表現することはできませんが、それは完全に直感的な選択です。
ピンクに関して申し上げると、それはうまく機能し、正しい印象を与えます。そして、それはそこにあるべきもののように感じられるのです。
Q.創作活動で大切にしていることは何ですか?
素晴らしい質問ですね。私は自由であることと同時に、規律を持つことを大切にしています。厳格な枠組みが美しい表現を生み出します。芸術の自由は、構造の中に存在するのです。私は誠実さ、正直さ、そして謙虚さを重んじています。レンブラント、フェルメール、ジョットの後を受けて、私はいったい何者になれるのでしょうか?私は自分の手、そして作品に自らの手の内を見せることを恐れないアーティストを大切にしています。
Q.今回はあなたにとって初めての日本での個展となります。これについての感想と来場者へのメッセーをお願いいたします。
日本で展示できることにとても楽しみに感じています。日本は私の人生において長い間大きな影響を与えてきましたが、不思議なことに今回が初めての訪問となります。何年も前から、日本が手がけるものはどれも素晴らしいと実感していました。デニム、ウイスキー、ファッション、電子機器、建築など、すべてが際立っています。そしてもちろん、私が30年も魅了されている日本の料理もその一つです。
私の作品を見てくださった方々が、少しでも何かを感じたり、心が躍ったりする瞬間があれば嬉しいです。そして、作品に込められた愛情を感じ取っていただけたらと思います。
Guy Yanai (ガイ・ヤナイ)プロフィール
Guy Yanai (ガイ・ヤナイ)
1977年生まれ。テルアビブとマルセイユを拠点に活動するアーティスト。
彼の絵画は、鮮やかな色彩と簡素化された形状、平面的な奥行きが特徴で、日常の平凡な対象を幾何学的な要素に還元し、デジタルイメージに近い視覚体験を
提供します。ヤナイは、世界各地の風景やフランス映画のシーンからインスピレーションを受け、日常的な物や空間を抽象化し、客観的に表現します。
近年は、ベルリンのKÖNIG GALERIEやロサンゼルスのHarper’s Galleryなどで個展を開催。また、オランダのMuseum MOREや
トリノのVelan Center for Contemporary Art、アシュドッドのアートミュージアムなど、数多くの公共および私的コレクションに収蔵されています。
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