2026年8月「西村 宏堂展「Cells - 細胞 -」」は終了いたしました。
西村 宏堂展「Cells - 細胞 -」
[8月5日(水)午後4時終了・最終日午後6時終了]
ハイヒールを履いた僧侶、西村 宏堂による初のアート個展。
本展「Cells - 細胞 -」では
「私たちは本来つながっている」をテーマに、
多様性・共生への願いを表現します。
「あなたはここにいていい」そんな想いを込めた作品を、ぜひご覧ください。
Introduction
ささくれができると、体全体が痛い。
小さくても傷があると体全体の調子が乱れる。
この社会も同じで社会のどこか一部が傷付けば、全体が歪んでしまう。
それはささくれが体全体に影響する感覚と同じです。
誰かが苦しんでいる限り、社会全体の幸せは完成しないのだと思います。
ですから、この社会で人は「自分だけよければいい」という生き方はできないのです。
私たちの体は、無数の細胞でできています。
一つひとつはとても小さな存在ですが、互いに関わり合い、
形を変えながら、つながっています。
仏教には「同体大悲(どうたいだいひ)」という言葉があります。
私たちは別々のように見えても、本来つながっている。
相手の苦悩を「自分のこと」として感じることが大切です。
思いやりの気持ちは忘れがちです。だからこそ私は、細胞の絵を描きます。
みんなが繋がっているということを、思い出すために。
私とアート
子どもの頃、絵を描くことは純粋な喜びでした。
ディズニープリンセスや夢のお家を描きながら、空想の世界に没頭していました。
寂しいときも、私が描いたキャラクターたちの存在が私を支えてくれました。
しかし中学生の時に、友達の女の子が虎の絵を写実的に描いていたのを見て驚きました。他人の技術と自分の技術を比べ、「上手に描けないと意味がない」そう思って自信を無くしてしまったのです。
その後、バルセロナに旅行をした時、ガウディが設計したサグラダファミリアを訪れました。彼は植物や動物を建物の一部として取り入れ、空想の世界を現実にしていることに感激しました。巻貝のような螺旋階段、葉っぱの形をしたフェンス。
私は「見えているもの」ではなく、「自分が見たい世界」を描きたいと思うようになりました。華道を学んでいた頃、先生が母に「西村さんは将来偉大な芸術家になる」と応援してくれたこともあり、ニューヨークのパーソンズ大学でファインアートを学ぶことにしました。
2011年、パーソンズ大学で水彩画を学んでいた時、偶然できた形からイメージを発展させるという手法に出会いました。
紙の上に絵の具を筆でパッと飛ばして、その形が何に見えるかを想像する。
鳥に見えれば鳥にする。ヤシの木に見えれば、その形に紙を切ってみる。
偶然性と手を組みながら、自分のイマジネーションによって見たい形を実現していく感覚に、私は強く惹かれました。
見えるものを描くのではなく、自分の頭の中からアイディアを引っ張り出すことがとても楽しかったのです。それは、のちに始めたメイクアップにもどこか似ています。偶然出会った人が元々持っている魅力をどう活かすかを考えるものだからです。
どのパーツを引き立てれば、その人らしい美しさが輝くのか。私はその感覚を絵の中から見つけていたのかもしれません。
今回の展示では、約15年ぶりにその感覚へ立ち返っています。何を描くかを最初から決めるのではなく、自分の感覚に任せて色や形を描いていく。
すると、まるで細胞分裂のように、さまざまなモチーフが自然に生まれていきました。
パーソンズ大学で学んだこと
美大の2年生の時に衝撃的なことがありました。
当時一緒に勉強をしていた韓国人の学生が、兵役に服するために大学を2年間休学することになり、最後にパフォーマンスアートを行いました。その内容は、軍服を着て、腕立て伏せや点呼を真似するものでした。
その息遣いや表情から、「怖くて、寂しいけれど、覚悟を決めた。」というリアルな気持ちが伝わり、胸がドキドキしました。これが、人の心に触れるアートなのだと衝撃を受けました。
そのときに、正直な心を見せないと、技術やアイディアだけでは、人の心に触れることができないのだと感じました。
なぜ今、この表現をするのか。
自分にしか表現できないものは何か。
そこから私は、自分のアイデンティティや役割を追求し始めました。
アイデンティティというアート
私だからできることってなんだろう?
美術大学を卒業した後、僧侶の修行に参加して学んだことは「仏教は自分らしく生きることを肯定してくれる」ということでした。そして僧侶の一番の役割は「みんなが平等に救われる」と伝えること。そのためにセクシュアリティや装いは関係ないと恩師はおっしゃいました。それは私に大きな自信と希望をくれました。
小さい頃は同性愛者は気持ち悪がられる存在だと思って隠して生きてきました。でも、海外で出会った人たちは、私に自分らしく生きる勇気を見せてくれました。しかしそれと同時に、彼らは宗教的な理由から、同性愛者であることに罪悪感を感じさせられているということも知りました。
私が仏教を学んだからには、自分らしさを応援できる僧侶になりたいと思うようになりました。
「あなたはここにいていい」
その想いが、私の作品の根底にあります。
蓮の花「自分の色で輝いていい」
極楽浄土に咲く蓮の花は、
それぞれの色で輝く、多様性の象徴といわれています。
お経の中に「青色青光、黄色黄光、赤色赤光、白色白光(しょうしきしょうこう おうし
きおうこう しゃくしきしゃっこう びゃくしきびゃっこう)」という言葉があります。
私たちもまた、自分の色で輝くべきだと仏教は伝えています。
そのことを知り、大きな希望を感じました。
変わらなくていい。「私は私の色で輝いていいんだ。」
作品紹介
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細胞シリーズ「みんな繋がっている」

「Green Dragon」
54.5×56cm
画用紙・水彩・色鉛筆・クリスタル
528,000円
一本一本の指は、それぞれ別に動いても
手のひらで一つになっているように。
私たちもまた、
見えないところで繋がっていると思うのです。
「私はみんな、みんなは私」
そう思えた時、
他人との比較から自由になれるのだと思います。
山は海と比べません。
海も山と比べません。 -
月の絵「私も救われる」

「雪兎」
90.9×72.7cm
キャンバス・銀箔・ムーンストーン・アクリル
924,000円
僧侶の修行に行った際、「月影の歌」という浄土宗の宗歌に出会いました。
月の光がすべての人を照らすように、
身分や立場に関係なく、
どんな人も平等に救われる。
その言葉に、救われた気がしました。
また「花も美しい、月も美しい、それに気づく心が美しい」
という臨済宗の足立大進老師の言葉も印象的です。
月は私にとって、
自分に価値を感じさせてくれるもの。
あなたにとって月は何を意味しますか?
-
魚シリーズ「私たちは一人じゃない」

「ぎょろっと」
75×110cm
画用紙・金墨汁
1,320,000円
子どもの頃、友達がいなくて
寂しい思いをすることがよくありました。
そのとき、絵の中のキャラクターたちが
私の友達であり、支えでした。
かつての自分に向けて、
そして、今孤独を感じているすべての人に向けて、
「私は一人じゃない」と思い出すためのシリーズです。 -
パズルのピース 「私はここにいていいんだ」

「十人十色」
60.6×72.7cm
キャンバス・アクリル
704,000円
私が同性愛者であることに対して、
あるお寺の奥さんに「ホルモンの異常だ」と言われたとき、「私はこの世界に必要ないのではないか」
と自分を責めたことがありました。
そのとき、パズルのピースが頭に浮かびました。
パズルのピースは、一つひとつ色も形も違うからこそ、社会に空いた穴をお互いに補い、ぴたりとはまります。
私と同じように悩んでいる人の気持ちをわかってあげられたり、私だからこそできる役割があるのかもしれないと考えるようになりました。
アートに込めた祈り
私は世の中の分断をもどかしく思っています。政治や戦争、
どうしたら人々は仲良くなれるのでしょうか?
きっとみんな自分や自分の大切な人を守りたいと思ってベストを尽くしている。
理解できない相手にも、その人なりの痛みがあるのかもしれません。
人を愛することは、
自分を愛することなのかもしれません。
私の描く輪をみて、そんな縁を感じてもらえれば嬉しいです。
あなたの心の変化があるとすれば、
それが私のアートです。
【アート×説法】開催のお知らせ
■伊勢丹新宿店 本館6階 催物場
■各日定員40名さま
※本イベントはLivePocketによる事前入場抽選を行います。
※イベント観覧ご希望の方は、7月23日(木)午後11時よりこちらからお申し込みください。
※お一人さま各日1回のお申し込みとさせていただきます。同日複数回のお申し込みをされた場合、抽選の対象外とさせていただきます。
※入場はチケットをお持ちのご本人のみといたします。
※イベントお申し込みの詳細は、申し込みページをご確認ください。
※イベントの終了時間は都合により変更となる場合がございます。
※掲載の情報につきましては、諸般の事情により予告なく変更・中止させていただく場合がございますので予めご了承ください。
また、ご来店の際は必ず事前に伊勢丹新宿店のをご確認ください。
エムアイカードでのご購入・新規ご入会のお客さまへのプレゼント
※数に限りがございますので、なくなり次第終了となります。
予めご了承ください。
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必ず事前に、または当ページをご確認いただき、ご来店ください。
制作 STUDIO ALTA
