<天童木工>名作スツールに新たな色彩を取り入れる by HAROSHI
使い古されたスケートボードを彫刻作品の素材として再利用し、作品を制作するアーティストのHAROSHIさん。<天童木工>とのコラボレーションでも、名作の魅力を活かし、ものづくりへのリスペクトを込めたスツールを製作しました。
HAROSHI
プロフィール
東京を拠点に活動する現代アーティスト。
使い古されたスケートボードデッキを再利用した彫刻作品で知られ、現代アートとストリートカルチャーを横断する独自のスタイルを確立し、国内外で高い評価を受けている。
これまでに、ニューヨークのJeffrey Deitch、東京のNANZUKA UNDERGROUNDなどのギャラリーを中心にグローバルに個展を開催。
さらに、Art Basel、Frieze、東京現代といった国際アートフェアにも継続的に参加し、ファインアートとサブカルチャーをつなぐ新たな架け橋となっている。
<天童木工>SHAPE OF TENDO かたちには、つづきがある。
店頭会期
□2026年3月25日(水)~4月21日(火)
□伊勢丹新宿店 本館5階 イセタン ホーム エッセンス (デザイン スタジオ)
三越伊勢丹オンラインストア 販売会期
エムアイカード会員限定 先行販売
□2026年3月11日(水)午前10時~3月21日(土)午後11時59分
一般販売
□2026年4月1日(水)午前10時~5月12日(火)午後11時59分
─HAROSHIさんと<天童木工>との出会いについて教えてください。
HAROSHI:2020年にウェブメディアの企画で<天童木工>さんと一緒にスケートボードのデッキ(足を乗せる板の部分)をつくったことがありました。数量限定でアートピースとしてつくったものだったのですが、日本のメーカーでも質の高い成形合板のデッキがつくれるのだと驚きました。それまではオリジナルでデッキをつくるとなるとアメリカの工場に依頼する必要があったのですが、質の高いプレス工場を見つけるのは難しくて。
<天童木工>の家具との出会いで言えば、僕はもともと椅子が好きで、柳 宗理さんがデザインされた「バタフライスツール」のファンだったんです。でも、その時は日本のメーカーが生産している家具だとは思っていなかったんです。2020年のコラボレーションを通じて、国内にこれだけ技術力の高いメーカーさんがあるんだと興奮しました。
─HAROSHIさんの彫刻作品のなかでも、色とりどりのデッキを重ねて彫ることで生まれる美しいカラーボーダーはアイコニックです。今回の企画でも色をポイントにされていますが、どんな経緯で着想されたのでしょうか。
HAROSHI:ほとんどのデッキは7枚の板をプレスした合板製なんですが、素材となるメープル材を染色して側面に赤や青の色層を見せるようなものもあります。でも、今回製作したスツールのように、表面はナチュラルで内側を虹色にするようなものには、僕自身の作家活動のなかでほとんど出会ったことがありませんでした。
スケートボードの世界では、色を入れすぎると合板の強度が弱くなるとか、色にまつわるストーリーやジンクスがあるのですが、虹色で1枚のデッキをつくるということは、僕にとってのドリームプロジェクトだったんです。そういった経緯もあって、スツールにレインボーのカラー合板を取り入れるというアイデアに行き着きました。
─今回、オリジナルバージョンの製作に挑戦した「ムライスツール」は、金具を使わずに3枚の成形合板を組み合わせた幾何学的で無駄のないかたちが魅力です。
HAROSHI:<天童木工>さんのショールームや山形の工場をいろいろと見学させてもらって選んだのがこのスツールです。6面ある側面のうち、3面が空洞になっていて、合板の切断面が台形型に見えるようになっています。そこに色が入ることで、虹色のループがぐるっと一周見えるというのが、デッキの形状では実現できないことだったので。家具づくりでの挑戦としておもしろいと思いました。
虹色についてはほかにもエピソードがあって、1970年代にアメリカの某IT企業がカラーディスプレイのPCの発売時に、リンゴ型のロゴを6色のレインボーカラーにしたことに着想を得ました。「色のない世界に色を取り入れる」というコンセプトであり、「色のないムライスツールに色を与える」という僕のアイデアと通じる部分もあると考え、リスペクトの意味も込めてロゴの配列にならいました。
─色付きの成形合板というのは、技術的に実現が難しいものだったのでしょうか?
天童木工・加藤:ムライスツールの通常版ではホワイトビーチを使っていますが、今回は9枚の板を重ねていて、表面材の下地にはホワイトビーチを、内側は染色したメープルを使っています。染色した単板をプレスするという試みは、本企画が初めての挑戦でした。(2026年時点。当社調べ)
芯材がホワイトビーチからメープルに変わることで、型に入れて成形する際に割れてしまうんじゃないかという懸念もありました。それぞれの単板は薄いため、曲がったとしてもシワが寄ってしまう可能性もあります。工場での試作では、プレスの加減を何度も調整しながら様子を見ていきましたね。
HAROSHI:スケートボードのプレス工場の場合は、複数のデッキを重ねてプレスするので、位置によってプレスの具合に差が出てくるんです。金型を開いてみたらちょっとねじれてしまっていたり、型から出した後に反ってしまったりして。だから自分の滑りに合わせて一番上を選ぶとか、真ん中あたりを選ぶとか、多少ねじれていてもまぁいいやって、乗り手の好みによっても変わってくるんですよね。
それに比べて、ムライスツールの場合は、プレスの具合が0.5ミリでもズレてしまったら座面の平滑性が保てないので、ほんとうに精度の高い仕事をされているんだと思います。実際、工場でさまざまな家具の生産ラインを見せていただきましたけど、想像していた以上に人の手によってつくられていたのが印象的でした。一見すると手の形跡が見えないものこそ、実は人の手によってものすごい精度が保たれているんですよね。
天童木工・加藤:すべての工程において職人の手と眼が入ることで、品質と精度を確保できるよう心がけています。そんななかでもムライスツールは製作難易度の高い製品ですが、プレス加工のブレをいかに抑制するかという点については、これまでの家具づくりで培ってきたノウハウに拠るところが大きいですね。歴史的なノウハウと職人技の両方が組み合わさった仕事が、このスツールのミニマルなかたちに結実していると思います。
HAROSHI:当初イメージしていたとおりのものが完成してとても満足しています。
─HAROSHIさんから購入を検討される方々へメッセージがあればお願いします。
HAROSHI:ふだん彫刻作品をつくる際には実用的な機能をもたせるということはしないんですが、今回は家具として完成されているムライスツールにできるだけ余計なことをしないよう心がけていたので、まずは椅子としての機能を楽しんでもらいたいと思っています。そのうえで、使っていてたまに色が目に入ったときに、「そうだ、この椅子の色って綺麗だよね」と思うくらい僕の仕事の存在感が消えていることが、家具づくりとしては理想的なんだと思っています。
HAROSHI:百貨店って、僕にとっては子どもの頃から特別な時に家族で行くような、すごく高揚感のある場所なんですよね。そういうところで自分のデザインした家具を販売していただけるなんて、嬉しいですね。<天童木工>さんとは今後も新たな取り組みを検討しています。今後の企画もご期待ください。
店頭販売のご案内
<天童木工>SHAPE OF TENDO かたちには、つづきがある。
□2026年3月25日(水)~4月21日(火)
□伊勢丹新宿店 本館5階 イセタン ホーム エッセンス (デザイン スタジオ)
※会場の入場方法・購入についての注意事項・イベント案内などの詳細は、下記のページにてご案内しております。
※2026年3月18日(水)午前10時公開予定
三越伊勢丹オンラインストア 販売のご案内
エムアイカード会員限定 先行販売
□2026年3月11日(水)午前10時~3月21日(土)午後11時59分
エムアイカードをお持ちの方のみ、三越伊勢丹オンラインストアにて一部商品に限り、先行販売いたします。
※ご購入には「三越伊勢丹WEB会員」及び「エムアイカード情報」のご登録が必要となりますので、事前にご登録されることをおすすめいたします。
※購入時期、商品によって、お届けの時期が異なりますので、各商品ページの「ご購入に関する注意事項」を必ずご確認ください。
※先行販売品の数には限りがございますので、品切れの際はご容赦ください。
エムアイカードのご案内
※カードのお申込みから到着までに最短で約1週間~10日間となります。審査によりご希望に沿えない場合がございます。
※ご注文には「三越伊勢丹WEB会員」と「エムアイカード情報」のご登録が必要です。カードが届いてからの事前登録をおすすめします。エムアイカードのご登録についてはこちらをご参照ください。
※一部店舗を除きエムアイカードカウンターでの即日発行・店頭受取りも可能です。
一般販売
□2026年4月1日(水)午前10時~5月12日(火)午後11時59分
※購入時期、商品によって、お届けの時期が異なりますので、各商品ページの「ご購入に関する注意事項」を必ずご確認ください。
※一部の商品は、先行販売・店頭販売で完売した際に、一般販売を行わない場合がございます。予めご了承ください。
※2026年3月31日(火)午前10時公開予定
制作 STUDIO ALTA


