誉田屋源兵衛・10代目山口源兵衛の新ブランドNOBLE SAVAGEの“HAORI”とは

創業280年の帯匠、誉田屋源兵衛・10代目山口源兵衛が手がける新ブランド「NOBLE SAVAGE」が、伊勢丹新宿店から始まります。ブランドのローンチを記念して、6月17日(水)~23日(火)伊勢丹新宿店本館1階=ザ・ステージ、6月24日(水)~30日(火)本館7階=呉服にて、販売イベントを開催します。日本古来の染織技術を世界基準のライフスタイルの新しい価値観として発信する「NOBLE SAVAGE」が提案するHAORI。その立ち上げに携わった、バイヤーの山口亮さんに聞きました。

 

 

誉田屋源兵衛は、京都にある創業280年の帯匠です。帯を中心に着物や浴衣などを伝統的な技法と意匠、稀少な素材を用いながら制作してきました。現在10代目の山口源兵衛氏は、伝統的な帯の継承者でありながら、日常ではなく特別な日に着るようになった和装を取り巻く現状に危機感を抱いてきました。「着物や浴衣に留まらず、時代と共に和装を変化させなければいけない」と、長年構想を練っていたといいます。
価値観が多様化してきた現代において、ルールに縛られた和装をかつてのように自由に、そして新しい価値観をもったものにしたい。そんな中で、和から洋ではなく、和からボーダーレスになりうる、平面から作り上げられる和装の特徴を活かしながら、現代のライフスタイルにとけこむ可能性を羽織に見出します。そして、ここ数年、欧米の人々が着物の羽織をガウンや部屋着としてのみならず、ストリートでファッションアイテムとして取り入れていることから、その可能性に確信を得ます。着物を欧米で好まれているような、さらっと羽織ってまとえる全く新しい形へと昇華させたもの、それが新ブランド「NOBLE SAVAGE」が出すHAORIです。

今、世の中は、ジェンダーレス、ボーダーレスというようにさまざまな垣根を超える“レス化”が進んでいます。山口氏をはじめ、NOBLE SAVAGEの皆さんは、着物も性別や季節、コーディネートももっと自由でいいと考えています。HAORIはまさに、着る人も、着用するシーンも選ばない新しいファッションアイテムなのです。
レス化など自由度の高い趣向が浸透する一方で、古の精神もまた、価値が見直されています。古代の文化では、自然をまとうことを高貴なこととしていました。日本ならではの天然素材や伝統的な文様を使用し、古代の精神、野生や自然との共存を表現することもまた、「NOBLE SAVAGE」の重要なコンセプトです。具体的には、誉田屋源兵衛が所有する膨大な色柄や、伝統的な染め生地を惜しみなく使用します。また、ブランドローンチの目玉となるのが、世界の稀少な手織りの生地と奄美大島の泥染め・草木染めで作るHAORIです。

Profile 山口源兵衛・やまぐちげんべえ
280年以上の歴史を持つ、京都の老舗帯匠・誉田屋源兵衛の10代目。唯一無二の美意識と高度な技術を持ち、稀少性の高い素材を使用した制作に挑み続けている。

 

泥染めとは、草木染めをした生地の上から泥田で染める奄美大島の伝統技法です。草木の成分、そして泥の鉄分と微生物の化学反応によって、化学染料では出せないアースカラーを生み出します。泥染めに使用できる泥田は、鉄分が多い島の北部に限られています。また、台風が多く、紫外線の強い島の過酷な自然環境によって育まれた草木で染めることで、生命力のある鮮やかな色合いの染めを生み出します。

染めを手掛けるのは、奄美大島出身で工房<檸檬草>の染め職人、前之濱勇登氏です。染めの技術を独学で学んだ前之濱氏は、泥や草木の状態はもちろん、気候や気温、湿度などでも変わる色を見極めながら染めています。さながら、草木や自然と対話しながら染めているのです。化学染料を使えばイメージ通りの色を出せる今にあって、「自然が教えてくれた色」は、前之濱氏と奄美大島の自然にしか作り出せません。
泥染めや草木染めは染めムラが出るため、すべて一点ものです。また、繰り返し着ているうちに生地は馴染み、また全体が変化していくので、着るほどに唯一無二の個性を楽しめます。

 

HAORIの生地は、野蚕を使った現代では再現が難しいラオスの手織り絹地と稀少な野蚕のムガシルクを泥染めと草木染めで仕上げています。柄は、誉田屋源兵衛が所蔵している日本古来のものです。袖の振りは一般的な着物よりうんと短くしながらも、襟には半纏や半被の型を取り入れ洋装の立体を組み合わせることで、和の印象はありながらもストリートやモードファッションとも合わせやすいデザインになりました。
薄めの生地なので、夏場や秋口などにロングカーディガンなどの代わりに、さらっと着るのもおすすめです。国籍や性別を問わず、自由に楽しんでいただけたらと思います。
伝統的な着物や浴衣とは別の、まったく新しい形で和の技術や美しさを多くの方に楽しんでいただけるブランドが、伊勢丹新宿店から始まります。HAORIを皮切りに、ライフスタイルプロダクツの展開も模索しているところです。日本の魅力を世界に向けて発信する「NOBLE SAVAGE」に、ぜひご期待ください。

 

イベント情報

6月17日(水)~23日(火)伊勢丹新宿店本館1階=ザ・ステージ ※展示のみ
6月24日(水)~30日(火)伊勢丹新宿店本館7階=呉服

6月16日(火)午前10時からオンラインストアにて販売いたします。

 

 
※価格はすべて税込です。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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