レジ袋有料化が開始し、サステナブルという言葉をよく耳にする昨今、日本に古くから伝わり千年の布とも称される風呂敷が注目を集めています。今回10月14日(水)に開始する、伊勢丹新宿店本館7階=呉服「FUROSHIKI WORLD」に合わせて、風呂敷メーカーの老舗・山田繊維株式会社の取締役で風呂敷インストラクターである山田悦子氏に、風呂敷の魅力について伺いました。
Q 風呂敷との出会いはいつですか?
実家が風呂敷メーカーなので、物心がついたときには既に風呂敷は身近なものでした。小さな頃は、うず高く積まれた風呂敷や、風呂敷の素材である反物に囲まれながら遊んでいました。
Q 風呂敷にハマったきっかけは?
「和文化」の中で育った分「洋文化」への憧れが強く、テキスタイル、テーブルコーディネートなどの仕事に就きましたが、西洋の文化を知れば知るほど、日本の文化(特に生活文化)の魅力に気が付きました。風呂敷という1枚の布を多様に使いこなす賢さと美意識、そして使うほどに人も物も同様に敬う“心の文化”を感じてハマりました。
一枚の布でさまざまな結び方ができる風呂敷
Q 風呂敷にはさまざまなサイズがありますが、どのように使い分ければよいのでしょうか?
風呂敷のサイズは時代とともに変化しています。現代、一般的に使用されるサイズは、こちらの3種です。
●大サイズ:約90cm(二四巾)~105cm(三巾)
結んでバッグにしたり、ヨガマットなど大きな物も包んで運んだりできます。
●中サイズ:約68cm(二巾)~70cm
菓子折りやワインボトル1、2本を包めるのでギフトシーンにも活躍します。旅行の際に衣類を包むのにも便利。
●小サイズ:約45cm(中巾)~50cm
絹素材のものは、金封などを包んでふくさ代わりに。綿・ポリエステルのものは、お弁当包みやティッシュボックスカバーに使えます。
風呂敷のサイズ一覧
Q 最近トレンドの風呂敷結びを教えてください!
やはり「バッグスタイル」ではないでしょうか?7月からレジ袋の有料化がスタートして、風呂敷をマイバッグ仕様にされる方が増えました。スーパーでの大量買いには約100cm前後の風呂敷でバッグスタイルに、コンビニなどには約70cmのサイズが最適です。
最近トレンドの「バッグスタイル」
Q 海外でも注目度の高い風呂敷。山田さんの、海外での活動について教えてください。
2018年11月、パリの市庁舎前広場にて「FUROSHIKI PARIS」が開催されました。東京都とパリ市が姉妹都市であることから、パリ東京文化タンデムという両都市の親交を深める文化芸術事業の一環で行われたものです。唐草模様の風呂敷をイメージした50×10mの大きなパビリオンに加えて、市庁舎の石像40体と風呂敷をコラボするなどして、1週間で延べ8万人もの人たちが訪れるイベントとなりました。日本の風呂敷を通して、環境に配慮するサステナブルな生活スタイルや、アートを暮らしに取り入れる生活文化、人と人との心をつなぐ贈答の文化、そして先人が培ってきた伝統を、パリから世界に、さらには未来へと発信しました。ワークショップは老若男女たくさんの人で終日賑わいました。また、3年前からはパリのメゾンエオブジェ(見本市)などに出展し、海外のマーケットにも風呂敷を広めています。
FUROSHIKI PARIS、メゾンエオブジェの様子
Q 今後、風呂敷を取り巻く環境はどうなると思いますか?
これからは、風呂敷の新しい時代が始まりそうです。「古い」と思われてきた風呂敷ですが、若い世代や世界の目は今「風呂敷の本質」をとても新鮮に、魅力あるものとして捉えていると思います。まだまだ少数派かもしれませんが、その流れは徐々に大きくなることと思います。ユーザーが増えれば増えるほど、デザインも使い方も多彩になる、その未知なるポテンシャルに期待しています。
<むす美>山田悦子氏
ふろしきインスタライブ&来場イベント
■ふろしきインスタライブ
・10月18日(日)午前11時~(約40分)
新宿呉服Instagramアカウント@isetangofukuにて開催
※本企画は、終了しました。
■来場イベント
・10月18日(日)午後2時~4時
※本企画は終了しました。
店頭会期:10月14日(水)~27日(火)
伊勢丹新宿店本館7階=呉服
※本企画は終了しました。
※価格はすべて税込です。
※画像は一部イメージです。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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