「イセタンマート」初のリアルショップ「矢尾板克則展」、伊勢丹新宿店で開催。バイヤー渡邉が作家に直撃インタビュー!

伊勢丹新宿店でイセタンマートのリアルショップが期間限定で開催!今回は陶芸家・矢尾板克則さんをご紹介。矢尾板克則さんにとってアートとは。のイメージ画像

「イセタンマート」バイヤー・渡邉 駿がその作風にひと目ぼれしたという新潟県長岡市在住の陶芸家・矢尾板克則さん。昨年春、とある店先で矢尾板さんの作品を見かけ、気になって色々と調べると、過去に制作されたノート型のオブジェやマグカップにたどりつき、その感性に心をわしづかみにされたそう。今回、この出会いがきっかけで実現したPOP UPショップ開催を目前に、矢尾板さんの素顔に渡邉が迫ります。

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矢尾板克則さんの顔写真

矢尾板 克則(やおいた かつのり)
1969年 新潟県生まれ。
1991年 武蔵野美術短期大学陶磁科卒業。熊本県にて山本幸一氏に師事。
1995年 新潟県長岡市にて制作活動を開始。
1998年 日本クラフト展優秀賞。
2000年 ビアマグランカイ佳作賞受賞。個展 桃居(東京)、ギャラリー炎舎(新潟)、うつわ祥見(鎌倉)、THE BANK(鎌倉)、CIBONE(東京)、fuuro(東京)。
2016年 BORNHOLMS MUSEUM、Galleri RASCH、Galleri VANG (Denmark)など多数。
2020年よりうつわSHOKENと「うつわラジオ」プロジェクトを立ち上げ、Tシャツ、バッグ、グッズの制作やイベントの企画を行う。


アートの境地はユースフルとユースレスの狭間

渡邉: 陶器でノートを表現されてるなんて、初めて見たときは、すごく感じるものがありました。

矢尾板さん: ありがとうございます。どの辺に、何を感じてもらえました?

渡邉: 色彩感覚とか、柄の付け方とか……とにかく、何なんだろうコレは!という驚き(笑)。

の画像
塗り重ねた土が乾いて剥がれ落ち、作品に表情が現れる矢尾板さんが独自に生みだした技法。

矢尾板さん: 実は偶然見つけた技法で作っているんです。顔料で色づけするとき、基本は1回塗りなんですけど何回も塗り重ねたり、引っかいたりしてみたんです。すると最後に重ねた土が乾いて剥がれ落ちて。本来は失敗となるところですが、そのときの表情が面白くて。じゃあ、中に色々仕込んだらどうなるんだろうと。

渡邉: 剥がれてみないとわからない面白さですね。

矢尾板さん: そうです。モチーフ探しも、いつも面白いという感覚が決め手……かな。

渡邉: 矢尾板さんにとってノートの面白さってどんなところですか?

矢尾板さん: 紙って、色褪せていきますよね。そこが面白いと思いませんか?

渡邉: そういう感性が矢尾板さんの独特な部分であり、そういう矢尾板さん自身にも僕は面白さを感じるんです!

矢尾板さん: (笑笑)

矢尾板さんが面白さを感じるのは、ごく身近にある日常のもの。手袋をよく絵付けされるのも「物を作ったり触ったり、いろんなことをする手って面白いから」だそう。一方で、どこか素朴で温かいお人柄が見え隠れする雰囲気の話しぶり。一連の作品がもつ独自性のある存在感や、どこか懐かしい質感は、まさに矢尾板さんそのものを表しています。

新潟県長岡市にある矢尾板さんの工房内の窯の画像
新潟県長岡市にある矢尾板さんの工房内の窯で焼成を行っている。工房では、矢尾板さんの手によって日常から得たアイデアが作品として生み出されている。

渡邉: 美術大学で陶磁科専攻を選択したのは、やはり陶芸家志望だったからですか?

矢尾板さん: そうではなかったんですけど、高校3年の面談のとき、母が担任に「絵を描くのが好きだった」と話したからか「美大に行けば」と言われて。その言葉が何故かしっくりきたんです。で、漠然とデザイン科かなと思って通った予備校で、水粘土を使って立体を作る授業があって。これだという感覚がありました。土を使えば、何でも作れる気がして。

渡邉: 新潟だと庵地焼とか有名ですけど、そういう窯元に入ろうとは思わなかったんですか?

矢尾板さん: 卒業してもまだ迷いがあったので、熊本の作家(陶器オブジェの造形で高く評価される山本幸一さん)のところで2年間修業したんです。ここで陶芸の本質とか可能性とか、個人作家の生き方も学べて今につながりました。

矢尾板さんと渡邉の対談画像1

「『イセタンマート』のテーマなんですけど……」と渡邉が切り出すと、「アートですよね。ん~、壮大だなあ~」と唸る矢尾板さん。そろそろ本題となり、話に熱がこもり始めました。

渡邉: ズバリお聞きします。矢尾板さんにとって、アートって何でしょう。

矢尾板さん: ぼくがやっている工芸や民藝には「用の美」という実用性の中に美しさを見出すという言葉があります。逆に「美の用」って言葉もあるような気がして、アートには心に及ぼす用途のようなものがあると思うんです。この絵、なんか気分が上がるとか。作るときもアートとクラフトの垣根を自由に超えられたようなとき、すごく気分が上がる。

使ってくださる人も同じで、以前ノートを買ってくださった人から、パン皿にしている写真の投稿があったとき。“わ! 使ってる!”って。びっくりしました。自分の中ではあくまで壁掛けだったけど、お皿にしても面白いんだと。人それぞれの感覚でいいんだと。

渡邉: アートなのか、オブジェなのか、器なのか……。この領域の境界ですね。

矢尾板さん: そうですね。それからはユースフルとユースレスの間を行き来したくなり、そこを遊ぶような感覚になって。

渡邉: アートと日用品、ひいては、非日常と日常の境界線。それが日々の彩りになる。「イセタンマート」が目指すところも、その辺りのトーンです。

矢尾板さん: プラス、余白。手にした人それぞれが自由に感じてもらえる、自由に使ってもらえるような、“あなたの余白を残してます”的な(笑)。作る私も楽しんでるし、使うあなたも楽しんで欲しいという感覚ですかね。

渡邉: アートを日常に落としこむのが「イセタンマート」のコンセプトなんですけど、矢尾板さんの活動から日常にあるものがアートだというアプローチの魅力にも気づかされたと感じます。初めてノートを見たとき、今お聞きしたような部分に私も響いたんだと思いますね。

矢尾板さん: 渡邉さんに見つけていただいたことも嬉しいし、いろんなことを気づかせてくれたのもこのノート。最初は遊びで作ったんですけど、私にとっては大事な作品です。


「イセタンマート」のリアルショップが初登場!

NOT NOTE MART 矢尾板克則
さまざまなカタチの出会いを生んだ“ノート”の新作シリーズ、矢尾板ワールドの魅力を実際にご覧いただける、「イセタンマート」のリアルショップが初登場。絵付けや色調の独特なニュアンスが楽しめる器など実際に手にとってご覧いただけます。

矢尾板克則さんPOP UPの商品画像

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INFORMATION
NOT NOTE MART 矢尾板克則
会期:2021年1月20日(水)~2月4日(木)
会場:伊勢丹新宿店 本館5階 センターパーク/ザ・ステージ#5
[矢尾板克則氏来場:2021年1月20日(水)正午~午後6時  ※途中離席する場合がございます。※都合により変更になる可能性がございます。]
お問い合わせ:03-3352-1111(大代表)


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