深く緻密なカットが放つ輝きが魅力の江戸切子|日本のよいものを巡る旅 vol.16<高野硝子工芸>

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暮らしを豊かにしてくれる日本生まれの名品の数々には、作り手の並々ならぬ努力や生まれた土地ならではの生産背景があります。連載「日本のよいものを巡る旅」では、ショップのスタイリストを通じてお伝えしている名品の魅力やストーリーをオンラインストアでも感じていただけるように、日本のよいものをその背景とともにご紹介します。連載16回目のテーマは「江戸切子」になります。伝統的な技術を活かしながらも、モダンで新しい江戸切子を作り続けている<高野硝子工芸>をクローズアップいたします。

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美しいガラス工芸として発展してきた江戸切子

江戸切子の画像

江戸時代後期に、江戸大伝馬町のビードロ屋である加賀屋久兵衛が金剛砂を用いてガラスの表面に彫刻したのが始まりと伝えられています。明治時代に入ると、切子(カット)指導者として英国人エマニュエル・ホープトマン氏を招き、十数名の日本人がその指導を受け、現代に伝わる江戸切子の伝統的ガラス工芸技法が確立されました。
大正時代になるとカットグラスに使われるガラス素材の研究や、クリスタルガラスの研磨の技法が開発されるなどして、江戸切子の品質はさらに向上していきました。大正時代から昭和初期にかけて工芸ガラスといえば「カットガラス」といわれるほど急速に高度の発展を遂げて、第一次の全盛時代を迎えました。
そして、江戸切子は昭和60年に東京都の伝統工芸品産業に指定、平成14年には国の伝統的工芸品にも指定されました。美しさと品質を追求したガラス工芸品として江戸切子の伝統は現在まで続いています。

江戸切子の制作工程

江戸切子の制作工程の画像
江戸切子の制作工程の画像

1.割り出し(わりだし)

カットする際の目安となる縦横の線を、割り出し機を使ってマーカーで引きます。

2.粗摺り(あらずり)

割り出しした線に合わせて、親骨と呼ばれる太いカットを回転する目の粗いダイヤモンドホイールで削ります。

3.模様入れ

粗摺りで使用したものよりも細かい目のダイヤモンドホイールに変え、親骨の中の菊繋ぎ紋や籠目紋などの細かい模様をカットします。

江戸切子の制作工程の画像
江戸切子の制作工程の画像

4.仕上げ

粗摺りで削ったところを再度目の細かいダイヤモンドホイールで削り、所定の太さ、長さに仕上げます。

5.磨き、完成

クリスタルガラスの磨きは主に酸磨きが用いられ、専門の工房で酸磨きをしてもらいます。その後、口元などをバフなどで磨くことにより透明感と輝きを持った作品が完成します。

高野さんのモノづくりに対する想い

高野さんのインタビュー画像

江戸切子に携わるきっかけを教えてください。

高野氏:「もともと小学生の頃からガラスに興味を持ち、コップなどを集めていました。電気工学科に入学した学生時代も、ガラスの展覧会を見に行くなどガラスに興味を持って接することが多かったです。
新卒で就職した会社を退社した後、やはりガラスを作る仕事がしたいとの思いが強くなりました。その中でも手作業で商品を生み出す切子の世界に魅力を感じて工房に弟子入りしました。」

高野さんのインタビュー画像

江戸切子の作品を作る上で、自分の中で大切にしていること、こだわっていることはありますか?

高野氏:「今作業中のガラスは自分にとっては日々製作するいくつもの中の一個だけれど、お客さまにとっては特別な一個であるということを意識して作業するようにしています。お客さまお一人おひとりに、作品との出会いがそれぞれあると思っています。
またこだわっていることは、深く奥行きのある切子の面が宝石のファセットのようにガラスの色や光を反射するよう、デザインをしています。高価であるがゆえに、職人から見ても『丁寧な仕事』と思えるように、カットの一つひとつを大事にしています。」

深く緻密なカットは、高野氏の丁寧なお人柄を反映するかのようで、一つひとつのカットが細やかな輝きを放っています。

<高野硝子工芸>について

<高野硝子工芸>江戸切子の画像

江戸切子の伝統工芸士である高野 秀德氏の工房です。作品はどれも、緻密で丁寧なカットが特徴で、深く彫ることにより手触りも楽しめ、立体感が生まれます。また、周囲の光をさまざまな角度で反射しながら美しい輝きを放ち、光と色の美しいコントラストを楽しめます。外からは細かな模様が浮き出し、中をのぞくと万華鏡のような輝きを放つ江戸切子です。

特注の2色のガラス生地を使用したロックグラス「帯」

透明なガラス生地に2色のガラスを2層に被せた特注の生地を使用しています。色の組み合わせとカットデザインのバランスを考え抜いて作られたロックグラスです。光を取り込み、カラーグラデーションも美しい作品です。側面に菊繋ぎの帯が巻かれているようなデザインで、豊かな色調を楽しむことができます。

光の反射で煌めくロックグラス「星に矢来」

矢来紋、菊籠目紋と伝統的な文様を施したロックグラスです。下段の矢来紋は深く彫ることにより、光を多く取り込みます。上段の星(菊籠目紋)も、籠目の一つひとつが浮き出て見えるように深く彫られており、こういった基本的な柄にこそカット技術の高さが現れ、正確無比なカットをお楽しみいただけます。

ジュースでもお茶でもお酒でも、汎用性の高いフリーグラス

下部のカーブと細めのサイズで女性の手にも馴染みやすいフリーグラスです。汎用性の高いサイズなので、お酒以外にもさまざまな用途でお使いいただけます。下部のカマボコと呼ばれるカットの部分に底面の菊カットが万華鏡のように映り込み、光が入ってくるデザインです。帯の菊繋ぎ紋は深く彫りながらも色を残したデザインとなっており、交差するカットの深さを揃えることで、小さい菊の花が並んでいるように見えます。

正確にカットされた八角形のバランスが美しいぐいのみ

高野氏の代名詞とも言える細かなピッチの八角籠目紋が入ったぐいのみです。深く彫ることにより手なじみの良さが増し、立体的な籠目のカットがより光を反射します。丁寧なカットにより、一つひとつの八角形のバランスが美しく整っております。また口元の部分も、滑らかで口当たりが良く感じられるように、細かく仕上げられています。カラーバリエーションも豊富なので、色違いで揃えても素敵です。

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