クリスタルガラスと江戸切子の美しい出会い
| 日本のよいものを巡る旅 vol.8<カガミ>

クリスタルガラスと江戸切子の美しい出会い
|日本のよいものを巡る旅 vol.8<カガミ>

暮らしを豊かにしてくれる日本生まれの名品の数々には、生産者の並々ならぬ努力や生まれた土地ならではの生産背景があります。連載「日本のよいものを巡る旅」では、ショップのスタイリストを通じてお伝えしている名品の魅力やストーリーをオンラインストアでも感じていただけるように、日本のよいものをその背景とともにご紹介します。

クリーム状のデザインで料理を引き立てる「Crema(クレマ)」

昭和9年に東京に創立したクリスタルガラス専門工場

長年培った技術と高い品質が、時代と世代を超えて愛される<KAGAMI/カガミ>。創立者の各務鑛三(かがみ こうぞう)は、1927(昭和2)年に予て熱望していたドイツに留学し、クリスタルガラスの加工技法、特にグラヴィール彫刻を修得し日本へ帰国します。1930(昭和5)年、東京市滝野川に「各務クリスタル工芸硝子研究所」を設立し、カット・グラヴィール彫刻作品の創作活動を開始。1934(昭和9)年、東京市蒲田にクリスタルガラス専門工場「各務クリスタル製作所」を創立し、国産クリスタルガラスの製造を開始しました。
<カガミ>では、「刹那的場当たりの効果を狙う創造を忌み、真に価値のあるものを創造する精神を常に持つ」と各務鑛三が説いた“もの創りの心”を携え、高度な技術と共に絶えず独創的なもの創りを目指しています。
※2016(平成28)年にブランド名・ロゴが変わりました。

■クリスタルガラスについて

クリスタルガラスとは、“水晶のように透明なガラス”という意味です。精選された高純度な原料と、洗練されたデザイン、熟達した技術によって創り出された高級クリスタルガラスは、高い透明度を有し、美しい響き、澄んだ音色が特徴です。

■色被せ(いろきせ)クリスタルガラスとは

■色被せ(いろきせ)クリスタルガラスとは

色被せクリスタルガラスは、無色透明なクリスタルガラスの表面に、さらに薄く色クリスタルガラスをかぶせる技法です。その上からカット、または精緻なグラヴィール彫刻を施すことで、下層の無色透明なクリスタルガラスが現れ、色クリスタルガラスとの鮮やかなコントラストを創ります。
<カガミ>では、独自の製法で鮮やかな色被せクリスタルガラスを製作しています。赤の色被せクリスタルガラスには、純金を使うのが特徴。金赤色と呼ばれる冴えた色調で、無色透明のクリスタルガラスとひときわ美しいコントラストを創り出します。

【型吹成形】

【型吹成形】

ここからは、クリスタルガラス製品づくりの技法についてお話ししましょう。 型吹成形は、1000℃を超す温度に溶けたガラスを吹き竿に巻き取り、空気を吹き入れたものを型に入れて、さらに空気を吹き込んで型通りに成形する技法です。成形されたガラスに切子やグラヴィール加工を施し、磨き・検品などを経て製品となります。

【切子(カット)加工】

切子(カット)加工

切子とは、ガラスの表面を各種のダイヤモンドホイールで削って、幾何学的なパターンを彫り込む技法です。基本的には菱カット、カマボコカット、角山カット、平カットの4種類で構成されており、切子はクリスタルガラスの最も主要な加工技術です。高い屈折率を活かした<カガミ>のカットガラスは、その彫りの深さ、精密さ、デザインの格調の高さから、国内外で高い評価を受けています。

【グラヴィール彫刻】

【グラヴィール彫刻】

<カガミ>で行っているのは、カッパーホイールエングレービングと呼ばれる技法で、グラヴィール彫刻の中でも習得が非常に難しい技法に位置づけられています。この技法は、回転軸に取り付けた銅の円盤に油で溶いた細かい金剛砂を付け、グラスなどの表面に描いたデッサンを根気よく彫り込んでいくものです。さらに艶出し、ボカシを施すことで、切子技法では得られない繊細で陰影に富んだ表情を持たせることができます。ボヘミアガラスの出現とともにボヘミア地方を中心に発達したこの技法を各務鑛三が日本に伝え、現在まで受け継がれています。

【江戸切子】

【江戸切子】

江戸時代後期。江戸大伝馬町のビードロ屋、加賀屋久兵衛が手がけた切子細工が今日の江戸切子の始まりと言われています。町人文化の中で育まれた江戸切子は、江戸時代のおもかげを色濃く残し、その優れた意匠や技法の数々は現代に至るまでの180有余年もの間、途絶えることなく切子職人によって受け継がれてきました。<カガミ>ではさまざまな伝統の文様を基本に、新しい組み合わせや構成で、新たな意匠を作り出しています。そして江戸切子は<カガミ>の切子士とともに、伝統工芸士の方々の協力を得て制作されています。

江戸切子の伝統的な文様とその名前のいわれ

江戸切子の伝統的な文様とその名前のいわれ

①魚子(ななこ)
切子面の細やかな光の反射が、魚の鱗が連なっているように見える様から。
②六角籠目(ろっかくかごめ)
切子のラインが、竹籠の六角形の編目と似ているところから。
③八角籠目(はっかくかごめ)
切子のラインが、竹籠の八角形の編目と似ているところから。
④菊つなぎ(きくつなぎ)
細かな交差の連続が、菊の花の連なった様子を思わせるところから。

江戸切子の伝統的な文様

⑤麻の葉(あさのは)
切子の交差が麻の葉の形になるところから。江戸小紋などにも用いられる伝統的文様。
⑥矢来(やらい)
竹や丸太を粗く組んだ柵の組み方から。
⑦七宝(しっぽう)
両端のとがった長楕円形をつないだ連続模様。七宝つなぎという伝統文様のひとつから。
⑧四角籠目(しかくかごめ)
切子のラインが、竹籠の四角形の編目と似ているところから。

季節を楽しむ切子

四季を楽しむ「桜」「紫陽花」「向日葵」「菊」「水仙」

カガミ>江戸切子 伝統工芸士・鍋谷 聰 作 冷酒杯各種 各16,500円 商品を見る
左から「菊」[桜」「紫陽花」「水仏」「向日葵」

伝統工芸士の鍋谷 聰氏が手がけた冷酒杯で、お酒とともに季節の花を楽しむシリーズです。柔らかなフォルムを持つ鮮やかな金赤の色被せクリスタルガラスにカットを施した「桜」をはじめ、5種展開でご用意しました。ぜひ上から覗いてみてください。さまざまな切子技法で、5種類の花が表現されています。

「だるま」「フクロウ」モチーフの縁起物

「だるま」「フクロウ」モチーフの縁起物

カガミ>祝だるま(大)165,000円、(中)110,000円
祝だるま(小)77,000円  商品を見る

 日本橋三越本店 本館5階 和食器

鮮やかな金赤の色被せクリスタルガラスに、カットとサンドブラストを施してだるまを表現した置物です。<カガミ>の祝だるまは、両眼があることでしっかりと世の中を見据え、確かな祈願成就を願います。縁起祝いとして、広く永く幸福を願うものです。

「だるま」「フクロウ」モチーフの縁起物

カガミ>招福ふくろう 77,000円  商品を見る

なんとも可愛らしい、ふくろうの置物です。「不苦労」「不苦老」「福来郎」「福籠」などに通じることから、日本では縁起のよい動物とされるふくろう。ヨーロッパにおいても「知恵・賢者の象徴」や「森の守り神」として広く愛されています。<カガミ>では、江戸切子とサンドブラストでフクロウを表現。正面には「八角籠目(はっかくかごめ)」、背面には「魚子(ななこ)」の文様を施しました。

迷ったらこれを!ギフトでも人気。定番ベスト3

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カガミ>江戸切子 ペア冷酒杯「六角籠目紋」 11,000円  商品を見る

赤と青の色被せクリスタルガラスに、江戸切子の伝統文様である「六角籠目(ろっかくかごめ)」を施しました。仲睦まじい赤と青のペア冷酒杯は、お祝いの贈り物や海外へのお土産などに喜ばれます。

迷ったらこれを!ギフトでも人気。定番ベスト3

カガミ>江戸切子 ペアひとくちビールグラス「笹っ葉に星紋」 11,000円  商品を見る

鮮やかな色被せクリスタルガラスに、江戸切子の伝統紋様である「笹っ葉」と「星」を施したペアひとくちビールグラス。容量120mlと小ぶりで使いやすく、 赤と青が並んで木箱に入っているのでギフトや海外へのお土産にもおすすめです。

迷ったらこれを!ギフトでも人気。定番ベスト3

カガミ>江戸切子 ペアロックグラス「幕襞に四角籠目紋」 22,000円  商品を見る

鮮やかな赤青の色被せクリスタルガラスに、江戸切子を施したペアロックグラス。「幕襞(まくひだ)に四角籠目紋」という新しいデザインで、和を感じさせる紋様と洋を感じる華やかなカットが調和した美しい一品です。

制作の工程を身近に感じるなら工場見学へ

制作の工程を身近に感じるなら工場見学へ

茨城県龍ケ崎の本社工場では、工場見学も受け付けています。1000℃を超す温度に溶けたガラスを成形する工程から、切子やグラヴィールが施される工程までをご見学いただけます。
※現在は新型コロナウイルスの影響から、当面の間見学ツアーを休止しております。

工場見学の様子や伝統工芸士によるインタビューは、
ISETAN GUIDEによる動画をチェックしてみてください。

合わせて読みたい▶︎ ・日本のよいものを巡る旅 シリーズ

※価格はすべて税込です。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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