『チ。からウォッチ。へ』天文と時計の同期を辿る「ウォッチコレクターズウィーク」とは【伊勢丹新宿店】

伊勢丹新宿店にて、最大規模の時計の祭典「WATCH COLLECTOR’S WEEK/ウォッチコレクターズウィーク」が今年も開催される。今年のテーマは「天文と時計の同期」。かつて天体の運行を追い求めてきた人間の営みと、そこから生まれた機械式時計の深い関わりにフォーカスする。
 

【7月2日(水)から】伊勢丹新宿店「ウォッチコレクターズウィーク」イベント詳細はこちら

 

*『ジュエリー&ウォッチカタログ』表紙のビジュアルは
『チ。ー地球の運動についてー』作者、魚豊氏の描き下ろし。


今シーズンの『ジュエリー&ウォッチカタログ』で、すでにご存知の方もいることだろう。表紙は人気マンガ『チ。ー地球の運動についてー』作者、魚豊氏の描き下ろしビジュアルである。この作品は15世紀ヨーロッパを舞台に、当時禁忌とされた地動説に命懸けで挑んだ人々の姿を描いたストーリー。「世界の真理」を知りたいと願う人々の気持ちが、宗教、政治、常識といったさまざまな壁に阻まれながらも時代を超え受け継がれていく物語だ。

7月2日(水)から22日(火)まで開催される「ウォッチコレクターズウィーク」期間中、本館5階 ウォッチでは、マンガの世界観とともに天文時計の魅力をストーリーテリング形式で紹介するコラボレーションが企画されている。会場では、当時の地動説を巡る人々の信念と情熱、そして挑戦を受け継いできた壮大な歴史を描くマンガのパネルも展示される予定。地動説の確立を命がけで追い求めた人々の物語とともに、宇宙・自然・時間の本質に迫る時計の世界観を体感できる特別な場所となる。

*『チ。からウォッチ。へ』展開期間は7月2日(水)~8日(火)まです。「ウォッチコレクターズウィーク」と終了日が異なりますのでご注意下さい。

イベント情報
チ。からウォッチ。へ
  • 開催期間:7月2日(水)~7月8日(火)
  • 開催場所:本館5階 ウォッチ、センターパーク/ザ・ステージ#5


ウォッチコレクターズウィーク
開催期間:7月2日(水)~7月22日(火)
開催場所:伊勢丹新宿店 本館1階 ザ・ステージ、本館4階 ジュエリー、本館5階 ウォッチ、本館5階 センターパーク/ザ・ステージ#5、メンズ館8階 イセタンメンズ レジデンス/ビンテージウォッチ

 

  1. 地動説を機械で表現した偉業とロマンの結実
  2. 「宇宙を掌に」という欲求を叶える天文時計の世界
  3. 多彩なモデルが魅せる天文時計たち
  4. 人類の知の軌跡を体験する貴重な機会に
  5. 時計の世界をもっと深堀りたい方へ「ジュエリー&ウォッチカタログ 2025」

地動説を機械で表現した偉業とロマンの結実

天体の動きを科学として認知し、地動説を信じ継承してきた人々の勇姿。星の動きを数式と機構に落とし込んだ人類の知と技術こそは、科学の進歩であると同時に限りない美を追求する芸術行為とさえ言えるものだ。そのすべてを凝縮した美しき作品、それこそが今回の主役となる天文時計である。

巧妙かつ複雑に歯車と振り子を組み合わせることにより壮大な宇宙の秩序を具現化したのは、18世紀オランダのアマチュア天文学者、アイゼ・アイジンガーだ。本業は羊毛業であったとされる彼は、天体の軌道は理論によって解き明かせるものであることを市民に知らしめるべく、自らの手で太陽系6惑星の軌道を忠実に再現する機械装置を作り上げた。

それこそが現存するアイジンガー・プラネタリウム。現役で稼働する世界最古の機械式天体模型として2023年、世界文化遺産に登録されている。

 

 


 

*オランダ北部の小都市フラーネカーにあるアイジンガー・プラネタリウム。1781年、アマチュア天文家であったアイゼ・アイジンガーが自宅の居間に制作。いまも現存し稼働する最古のプラネタリウムである。


このアイジンガー・プラネタリウムに触発され、自ら機械式の天文時計を手掛けんと志したのがクリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ、いま注目を集める天文時計ブランドの創業者である。

 

「宇宙を掌に」という欲求を叶える天文時計の世界

オランダの<クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ>は、世界でも稀有な天文時計専門ブランド。太陽、月、星座の動きを文字盤の上で精緻に表現し、宇宙のからくりをその手に収めるかのような感覚を味わえる逸品を作り続けている。

 

<クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ>
「プラネタリウム アイゼ・アイジンガー」13,200,000円
Ptケース:直径40mm/約96時間パワーリザーブ/5気圧防水/自動巻/世界限定6本


2020年に発表した「プラネタリウム アイゼ・アイジンガー」は、アイジンガー・プラネタリウムで稼働する水星、金星、地球、火星、木星、土星までの6惑星の公転を、直径わずか12ミリの空間に再現した天文時計。文字板もまた同プラネタリウムの天井板をモチーフに油彩で描くことで、“世界最古”を“世界最小”に最構築したもの。創業者の思いの丈を詰め込んだ逸品である。

 

 

 

 
<クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ>
「グランド・プラネタリウムエキセントリック・マニュファクチュール」 41,800,000円
Ptケース:直径44mm/約60時間パワーリザーブ/5気圧防水/自動巻


昨年、創業50周年を記念した「グランド・プラネタリウムエキセントリック・マニュファクチュール」は、同社史上最も複雑な機構を搭載した秀作。設計は創業者であるクリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ自身、デザインは二代目CEO、そして製作は三代目となる現CEOが担当し、太陽系の8つの惑星の軌道をケプラーの法則に則った楕円軌道にて忠実に再現しているという。

 

 

 

<クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ>
「グランド・プラネタリウムエキセントリック・メテオライト] 132,000,000円
*2025年6月5日(木)時点での価格となります。
メテオライトケース:直径44mm/約60時間パワーリザーブ/5気圧防水/自動巻/世界限定3本 


さらに今年発表された「グランド・プラネタリウムエキセントリック・メテオライト」は、ケース全体に一部の高級時計でのみ採用される「メテオライト」を使用。文字盤上のプラネタリウムの火星と木星の軌道間にある小惑星帯には、NASAから特別に入手した約5万年前の火星隕石の破片をリング状に搭載する。機構のみならず外装でも壮大な宇宙を感じさせるのだ。

 

 

 

*<クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ>の最新作「グランド・プラネタリウムエキセントリック・メテオライト」の文字盤には、太陽系の8つの惑星と本物の隕石片が配置されている。

 

多彩なモデルが魅せる天文時計たち

<クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ>のコレクションは様々に展開する。

 


<クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ>
「アリアドネ」各1,958,000円
SSケース:直径40mm/約48時間パワーリザーブ/5気圧防水/自動巻


「アリアドネ」は、近年人気の復刻モデル。同ブランドの哲学を受け継ぎながら、日常に寄り添う天文時計である。クロノグラフ、ムーンフェイズ、ポインターデイトなど多機能であり、ステンレススティールケースの採用による手に取りやすい価格帯も魅力のひとつとなっている。

 

 

<クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ>
「プラネタリウム 名古屋市科学館モデル」12,100,000円
SSケース:直径40mm/約60時間パワーリザーブ/5気圧防水/自動巻/世界限定6本 
 
<クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ>
「リアルムーン 1980」13,200,000円
K18WGケース:直径40mm/約96時間パワーリザーブ/5気圧防水/自動巻
 


世界最大級プラネタリウムをモチーフにした「プラネタリウム 名古屋市科学館モデル」では、同館の球体ドームを文字盤に再構成することで、科学の殿堂と天文時計の融合が実現。太陽と月の表示機能を並載する天文コンプリケーション「リアルムーン 1980」には高精度3Dムーンフェイズを搭載。サブダイヤルでは日食や月食の時期を、12時位置のロゴマークは上下することで季節ごとの太陽の高さを再現する。 

ほかにも、ドイツの老舗時計メーカー<ヘルムレ>からは、フラグシップの天文時計シリーズが展示される。

 

<ヘルムレ>
「テリリウム」1,980,000円
真鍮(ニッケルメッキ)、木枠にピアノフィニッシュ:高さ35×直径29cm/約8日間パワーリザーブ/チャイム機能(ウエストミンスター)/時報
 
<ヘルムレ>
「アストロラビウム」550,000円
真鍮(ゴールドメッキ)、木枠にマホガニー仕上げ:高さ28.5×直径21cm/クオーツ
 


上部には、太陽と地球、そして月の運行を視覚的に捉えられる精巧な天文機構を搭載するのは、「テリリウム」と「アストロラビウム」の2モデル。先の腕時計とともに、インテリアとしてのテーブルクロックでも、宇宙のリズムと人間の営みを重ねるかのように、時の流れを美しく視覚化してくれる。

人類の知の軌跡を体験する貴重な機会に

「ウォッチコレクターズウィーク」が目指すのは、時計という小宇宙を通して人間の知恵と技術、受け継がれてきたその情熱の歴史に触れる試みである。天を見上げ、時の流れを理解しようとした人類の欲望であり、そしてその営みを芸術へと昇華しようとした飽くなき探究心でもある。

 


時を刻むという行為は実用の枠を超え、宇宙の「真理」と「美」を追い求める知的かつ詩的な行為だ。それはまさに『チ。ー地球の運動についてー』の登場人物たちが命を懸けてきた「世界のかたち」そのものとも重り合う。科学と芸術、機能と美意識の融合を試みてきた天文時計は、作中に息づく信念と静かに響き合うもの。今年の「ウォッチコレクターズウィーク」は、現代に生きる私たちにとって、宇宙を見上げて生きてきた人間の知恵と情熱とを再発見する特別な時間となるに違いない。

 

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時計の世界をもっと深堀りたい方へ「ジュエリー&ウォッチカタログ 2025」

 

伊勢丹新宿店の宝飾・時計各バイヤーが独自の視点で選んだ商品をご紹介する「ジュエリー&ウォッチカタログ 2025」。デジタルカタログでもご覧いただけます。
 ►「ジュエリー&ウォッチカタログ 2025」はこちら

 

 

イベント情報
チ。からウォッチ。へ
  • 開催期間:7月2日(水)~7月8日(火)
  • 開催場所:本館5階 ウォッチ、センターパーク/ザ・ステージ#5

 

ウォッチコレクターズウィーク
  • 開催期間:7
  • 開催場所:伊勢丹新宿店 本館1階 ザ・ステージ、本館4階 ジュエリー、本館5階 ウォッチ、本館5階 センターパーク/ザ・ステージ#5、メンズ館8階 イセタンメンズ レジデンス/ビンテージウォッチ
Text:Yasuyuki Ikeda
Post by ISETAN MEN'S net


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