フランス展バイヤー紀行|<Ex-Libris Paris>が日本初上陸!美しい紋章をオーダーメイド
今パリで注目のクリエーターズユニット<Ex-Libris Paris/エクスリブリス パリ>。若手クリエーターの二人が立ち上げた蔵書票用スタンプの専門店です。創業者の一人イゴールさんは美術学校でデッサンを学び、ロレンヌさんは版画を職業とする家系の出身。ソルボンヌで美術史、イギリスのダラム大学で紋章や中世ヨーロッパの芸術について学んだ経歴を持ちます。
コンセプトは「あなたが話し、私が作る」。
お客さまのお話を聞きながら、オリジナルの紋章や図案を独自のセンスでデザインし、美しいスタンプに仕上げます。
パリの百貨店ボン・マルシェに出店して以来、大きな注目を浴びている二人が今回三越フランス展に初来日します!
─Ex-Libris(蔵書票)の起源は15世紀まで遡る
ブランド名でもある「Ex-Libris/エクスリブリス」は日本語で「蔵書票」と訳されます。少し耳馴染みのない言葉かもしれません。蔵書票とは「これは私の本です」ということを示すために、本の見返しに貼られる小さな紙のこと。蔵書票の習慣が生まれたのは、ヨーロッパで活版印刷が発明された15世紀半ば。当時、本がとても貴重であったことから、自分を示すための紋章や肖像画・格言・テーマに応じた絵画などが描かれました。装飾性が高く、その美しさから「紙の宝石」ともいわれます。特にフランスでは、蔵書票の文化が貴族からブルジョワまで広がり流行したのだそう。<エクスリブリス パリ>はそんなフランスの伝統をとても大切にしています。
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ウィンストン・チャーチルの蔵書票(左)
ヴィクトル・ユゴーの蔵書票(右) -
古い蔵書票(Ex-Libris)
─ボン・マルシェで話題を集めた、本をテーマにした特別展
記憶に新しいのは、ボン・マルシェの特別イベント。ゲストキュレーターは伝説のコンセプトストア「コレット」のディレクターだったサラ・アンデルマン氏。サラが愛する本、紙の世界がテーマに集められたこの特別展です。
1階吹き抜け空間で存在感を放つ巨大インスタレーション、そしてイベントスペースの壁から床もすべてブルー一色で統一され、それだけでも普段とは違う特別感でワクワクしながら足を踏み入れると、<エクスリブリス パリ>の専用カウンターが。フランスでもほとんど忘れ去られていた過去の美しい蔵書票という伝統を二人の若者が現代によみがえらせた驚きに、彼らのコーナーには連日多くの人々が足を止め、賑わいを見せていました。
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ボン・マルシェの特別展の様子
─好きなものを詰め込んだ、世界に一つの紋章をオーダーメイド!
実際にオーダーされたスタンプ、そのどれもがとっても素敵!それぞれにストーリー性が感じられ、ユニークさもあり、このスタンプはどんな人がオーダーしたのだろうと想像が広がります。パーソナライズドの紋章は、特別な贈り物としても人気です。
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オーダースタンプのイメージ
─フランスをこよなく愛するWEBクリエーター nontageさんに、実際にパリでフルオーダーしたスタンプについて熱量たっぷりに語っていただきました!
まず初めに、30分ほどのインタビューをしました。その中で、好きな動物・好きな本・好きな街などについて質問されます。
「猫、ボリス・ヴィアンの『うたかたの日々』、パリ、フランス映画、アンナ・カリーナやジェーン・バーキンのファッション、フランス語、ガリマール出版社の表紙デザイン、シネマテーク・フランセーズで買ったゴダールやトリュフォーのトートバッグのイラスト・・・まとめると、本当にとにかくフランスが好きすぎる!ただフランスが好きなだけじゃない、普通じゃない、異常だし偏愛だと思う。
拗らせ度合いは日本でもトップクラス、だからパリのシンボルはほかの人と被らないようなものがいいです、エッフェル塔とか凱旋門とかわかりやすいのではなく・・・」
と、自分でもドン引きするくらい熱い熱い熱すぎる思いを伝えました。
それでもロレンヌさんはすごく丁寧に聞いていただいて、楽しそうにどんどんアイデアを出してきてくださり、そのインタビューの場でさらさらーっとラフ画を描いていらっしゃいました。もうこの時点で感動。
後日、デザインを受け取った時は、感激のあまり思わず叫んでしまいました。
10000%完璧!!
これはもう私の家紋です。ありがとうございました!!
ロレンヌさんが私のために選んでくださった古本もセットで。とっても良い買い物をしました。
nontageさんがオーダーしたスタンプと、オーダー時の様子
─nontageさんの溢れる思いが伝わってくるお話!会話を通して生まれるアイデアは、まさにロレンヌが大切にしているもの。できあがったスタンプも本当に素敵ですね!スタンプは、お仕事で使う納品書や名刺、ギフト包装のシールなど生活の至るところで使っているそう。スタンプをするだけですべてがお気に入りグッズに変身するのが嬉しいですね!心ときめくお話をありがとうございました。
─オーダーは、パリを訪れた気分で会話を楽しんで!
フランス展会場では、デザインブックからパターンを選んでお好きなメッセージやイニシャルなどを入れる「セミオーダー」と、お客さまのお話を伺ってデザインを作り上げる「フルオーダー」のご注文を承ります。
オーダー受注では、お客さまに合わせて選ぶ「ビンテージの古書」と、お客さまのお名前のイニシャルを使った「フランス語の詩」を即興で書いて差しあげます。詩のプレゼントは、パリでも行っていない三越フランス展でオーダーしたお客さまだけのスペシャルな企画!!
フルオーダーでは、お客さまの背景、ご希望をお聞きし、デザインをつくることをとても大切にしています。愛するペットの写真や、おうちの写真などをお持ちいただければ、デザインに入れることもできます。会場では通訳がお手伝いいたしますが、フランスを訪れた気分で、フランス語での会話もぜひ楽しんでくださいね!
オーダー受注について 詳しくは
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デザイン見本
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古書とポエム
―根底にあるのは、文化と職人技への敬意
すべてのものにはそれぞれルーツがあります。<エクスリブリス パリ>は有形・無形どちらもの知識を継承する事に魅せられた2人によって始められました。フランスの伝統を重んじる商品を販売する彼らには、蔵書スタンプの木製部分にも特別なこだわりが。地元の木を使うノルマンディーの伝統的な家具職人の手で土台を作られた蔵書印は、「スタンプ」という一言では表せない特別感にあふれています。
<エクスリブリス パリ>のオーダースタンプは、必ず彼らがお客さまのために選んだ一冊の古書を添えてお渡ししています。パリの風景の一部であり、長い歴史を持つ本愛好家と情報伝達の職業であるブキニスト。現在も書店員が両岸で生き続けています。しかし、古本屋の存続が危くなっています。新型コロナウイルスの影響で、彼らの活動はほぼ停止し、多くの人が書棚を永久に閉鎖することを余儀なくされています。「私たちが何もしなければ、本が散乱するセーヌ川の岸辺のイメージは、やがて夢に見た古きパリになってしまうでしょう」。
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フランスの文化を継承することに魅せられた二人
伝統を受け継いだクラシカルな美しさと、クリエーターのみずみずしい感性、人の手による温かみが合わさって、唯一無二の魅力を放つ<エクスリブリス パリ>。三越フランス展ではオーダー受注のほか、フランス展のためにご用意した新作スタンプもたくさんそろいます。ぜひお気に入りとの出会いを探しに、遊びにいらしてください。
<エクスリブリス パリ>
蔵書票スタンプ 来日オーダー受注会
□2024年9月25日(水)~9月30日(月) 各日午前10時~午後6時(最終日のみ受付午後5時)
□日本橋三越本店 本館7階 催物会場
※ 予定しておりましたイゴール氏、ロレンヌ氏の来日は諸般の事情により中止となりました。マルレーヌ・アギウス氏が来日し、オーダー会は予定通り開催いたします。お客さまにはご迷惑をお掛けいたしますことをお詫び申しあげます。
(2024年9月24日(火)午後4時30分更新)
※お渡しは約2カ月後となります。(事情により前後する場合がございます。)
※フランス展会場にて先着順にて承ります。事前のご予約は承っておりません。詳しくは
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フランス展のためにご用意したレディメイドスタンプたち
フランス展 2024
Part1:2024年9月25日(水)~9月30日(月) [最終日午後6時終了]
※9月25日(水)はエムアイカード プラス会員さま特別ご招待日
Part2:2024年10月2日(水)~10月7日(月) [最終日午後6時終了]
□日本橋三越本店 本館7階 催物会場
※<エクスリブリス パリ>はフランス展2024 Part1に出店いたします。
※10月1日(火)は会場準備のため終日閉場いたします。
※諸般の事情により、営業日・営業時間、予定しておりましたイベントなどが変更・中止になる場合がございます。必ず事前にホームページを確認してからご来店ください。
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IGOR TELINGE/イゴール・テランジュ
イラストレーター
1999年パリ生まれ。美術学校でデッサンを学ぶ。
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LAUREN EASUM/ロレンヌ・イッサム
イラストレーター
1999年オランダ生まれ。父はピアノ製作者、母は版画家。ソルボンヌ大学で美術史、英国のダラム大学で紋章や中世ヨーロッパの芸術について学ぶ。