アトリエはモンマルトル。パリジェンヌ、マルレーヌさんに聞く“絵を描く日々”
26歳のパリジェンヌ、マルレーヌさんが描き出す繊細で詩的なイラスト。静かなモンマルトルの空気と、伝統と自由、そして遊び心が混ざりあうイラストには、パリの日常の美しさがそのまま閉じ込められています。
─マルレーヌさんが絵を描くことを仕事にしたきっかけを教えてください。
小さいころから、絵を描くのが本当に大好きな子どもでした。9歳のとき、そんな私を見ていた両親が、ルーヴル美術館の絵画教室に通わせてくれたのです。その教室は、ジェリコーやドラクロワのようなクラシックな絵を模写することから始まりました。子どもながら、じっくり観察して見たものを描き写す時間が楽しくて仕方がありませんでした。
大人になった今、絵を描くことは、私にとって一番自由な表現方法だと思っています。心の中にある世界を、そっと現実の中に呼び込むような感覚。舞台装飾などほかのアートにも関わってきましたが、絵を描く時間は、私だけの静かで特別なひとときです。「この情熱で生きていけるかもしれない」と思うようになったのは、ごく自然な流れだったのかもしれません。
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キャンバス画
─マルレーヌさんのペンと黒インクだけで描かれるイラストは、とても印象的ですね!
フランスの絵画といえば、まず有名な美術館に並ぶ油絵を思い浮かべる方も多いですよね。私も油絵のなめらかな質感が大好きで、今回のフランス展にも、パリの風景を描いた小さなキャンバス画をいくつか用意しました。
でも、黒インクだけで描く作品にも、特別な思いがあります。絵の具では出せない独特の質感や、線の表情が好きなんです。蚤の市でヴィンテージのペンを探すのも私の楽しみのひとつ。
19世紀末から1950年代まで、いろんな時代のペン先を少しずつコレクションしています。
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ペンと黒インクだけで建物が描かれるイラスト -
ペン先のコレクション
─絵を描くうえで、大切にしていることは?
私のアトリエは、パリの中心部・モンマルトルにあります。静かなアトリエで、一つひとつの線に集中しながら、情熱と忍耐をもって描いています。目指しているのは、細部にまで詩情が宿るような、見る人の心にそっと何かが響く作品。
描くモチーフは、ごく身近な日常の風景や、人々の姿。ときには現実に想像の世界が混ざることもあります。いつもの暮らしの中でふと見つけた詩や物語を、絵にするのが好きです。
制作はすべてキャンバスや紙の上に手作業で。デジタルでの修正は一切しません。紙との直接的な関係を大切にしたいと思っています。
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アトリエでの1コマ
─作品に感じる“フランスの伝統”。マルレーヌさんにとって、フランスの伝統はどんな風に影響していますか?
学生時代、歴史学の修士論文では古い版画をテーマに研究していました。フランスには、ユニークな線の表現が魅力的な挿絵の伝統があります。そんな流れの中に自分がいることを意識しつつ、今の時代らしい自由さや、ちょっとした遊び心も加えたいなと思っています。
映画では、1930年代の詩的リアリズムに惹かれます。光と影が織りなす美意識や、前衛芸術、表現主義の影響を受けた世界観。構図やコントラスト、物語の語り方にも、そうした映画的な感覚が自然と表れている気がします。
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伝統、日常、さまざまなものから影響を受けた美意識
─パリのモンマルトルで暮らすマルレーヌさんにとって、パリはどんな場所ですか?
パリは私の生まれ故郷でありながら、いまだに発見に満ちた場所です。
すべてを知っているはずなのに、いつも何かに心を動かされる。
この街は、私の作品における舞台であり、登場人物であり、モデルでもあります。モンマルトルの空気のなかで描くたびに、パリそのものと対話をしているような感覚が芽生えます。
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地元モンマルトル
─そんなパリジェンヌのマルレーヌさんから日本の皆さまへ。おすすめのパリの楽しみ方を教えてください!
もしパリを訪れることがあったら、ぜひ“道に迷う”ことを楽しんでみてください。
ガイドブックのコースから少しだけ外れて、裏通りや坂道をのんびり歩いてみるのもおすすめですショーウインドーにふと足を止めたり、小さな本屋さんにふらりと入ってみたり。街の音に耳を澄ませながら歩いていると、パリの本当の魅力がきっと感じられるはず。パリの美しさって、実は静かで目立たない場所にこそ、そっと息づいているんです。
それから、朝のモンマルトルは本当に特別。光がやわらかく、街全体がまだ眠りの中にいるような幻想的な時間帯です。
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美しいパリの街並み -

─2025年の三越フランス展では、マルレーヌさんがお客さまの前でイラストを仕上げるデモンストレーションを予定しています。日本の皆さまにメッセージをお願いします!
世界に一つだけの作品を、お客さまのために描けたらと願っています。
お名前を繊細なカリグラフィーで綴ったり、ペットのポートレートを描いたり、あるいは日常のなかの特別な一瞬をイラストにすることも可能です。
一枚一枚、手作業で丁寧に仕上げており、そのすべてに心を込めています。
パリの空気と、私自身の静かな想いが、紙の上にそっと染み込んでいきます。
もし私の作品が海を越えて、日本の暮らしの中に居場所を見つけてくれたなら、それは何より幸せなことです。
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※作品はイメージです。
─キュートで知的なマルレーヌさん、素敵なお話をありがとうございました!
フランス展では、パリの暮らしで磨かれたみずみずしい感性が創り出すアートの世界をお届けします。ぜひパリの街を訪れた気分で、マルレーヌさんとの会話を楽しみながら、お気に入りを見つけてくださいね。
マルレーヌ・アジウス氏 来日&オーダー受注会
□2025年10月1日(水)~10月6日(月) 各日午前10時~午後6時 [最終日午後5時終了]
※10月1日(水)はエムアイカードプラス会員さま特別ご招待日
□日本橋三越本店 本館7階 催物会場
※マルレーヌ・アジウス氏は、「フランス展 2025 PART2」のみの出店です。
期間中、パーソナルオーダーでイラストを仕上げます。
写真のようにそっくり描く画風ではございません。最終的な仕上がりはアーティストにお任せいただきます。
2025 三越フランス展
PART1:2025年9月23日(火・祝)~9月29日(月)[最終日午後6時終了]
※9月23日(火・祝)はエムアイカードプラス会員さま特別ご招待日
PART2:2025年10月1日(水)~10月6日(月)[最終日午後6時終了]
※10月1日(水)はエムアイカードプラス会員さま特別ご招待日
□日本橋三越本店 本館7階 催物会場
※9月30日(火)は会場準備のため終日閉場いたします。
※諸般の事情により、営業日・営業時間、予定しておりましたイベントなどが変更・中止になる場合がございます。必ず事前にホームページを確認してからご来店ください。
漫画の分野では、イラストレーターや脚本家として活動し、出版社や美術コレクターとコラボレーション。
現在は、自身の創作活動とオーダーメイドの制作に専念。
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