【パリレポート】パリの循環型社会を意識したお買い物と手放し方
Bonjour!三越伊勢丹のパリ駐在所で働くASAMIです。
4回目となる「パリレポート」では、世界的に注目されている“循環型社会”をテーマに、今注目のお店と、不用品の手放し方についてクローズアップ。フランスならではの、モノとの付き合い方についてご紹介したいと思います。
◆話題の液体バルクショップ
まずご紹介したいのが「バルクショップ」(いわゆる量り売りのお店)です。
無駄が出ない、ごみが減らせるなどの観点から、今パリで非常に注目を集めており、さまざまなバルクショップが誕生しています。その中でも特にご紹介したいのが「The Naked Shop(ザ・ネイキッド・ショップ)」というお店。
「The Naked Shop」は、“廃棄物ゼロ”を目指した、液体バルクを専門とするコンセプトショップ。店内にはシャンプーなどのヘアケアをはじめ、ボディケア、各種家庭用洗剤などの液体製品の自動ディスペンサーがずらり。
“リターナブルボトル”と呼ばれるガラス瓶を購入し、自動ディスペンサーからセルフサービスで欲しい液体を必要な分だけ注入します。
ボトルはデポジット式なので、文字通り使い終わったボトルを返却するとボトル代が返金される仕組み。
私もミントのガラス窓拭きクリーナーを購入してみました。フレッシュミントのほんのり自然な香りが心地よく、お掃除しながらリフレッシュできそう。
メインの液体バルク製品以外に、雑貨や生活用品も展開しています。常に新製品のリサーチに余念がなく、中小企業や職人とのパートナーシップに重きを置いた製品を取り揃えています。
◆ギフトにもなる
選りすぐりのアイテムが揃うセカンドショップ
続いてご紹介したいのが、セカンドショップ「En Second Lieu(アン・セカンド・リュー)」です。パリでは、不要になったものをセカンドショップに持っていく選択肢が普及しており、数多くのセカンドショップが存在するのですが、中でも「En Second Lieu」は人気店の一つです。
店内には中古のウェアをはじめ、家具や食器・雑貨・おもちゃといったさまざまなアイテムが並びます。一般的なセカンドショップとの違いは、中古品なら何でも販売するのではなく、セレクトショップのように、お店の雰囲気に合わせたアイテムを厳選して販売しているところです。
状態の良さとセンス溢れるセレクトに、ギフト需要として購入する方も多いそう。
ラッピング材には再生紙や天然素材を使用したもののほかに「風呂敷」の選択肢も。
日本のアートやカルチャーはフランスで人気ですが、こういった形でも日本の文化が注目されているのは、日本人として喜ばしいことです。
◆パリ市内のリサイクル事情
セカンドショップ以外の手放す方法として、リサイクルボックスでの収集も普及しつつあります。
パリでは、廃棄処分を減らす取り組みとして、「PARIS ANTIGASPI(パリ アンチガスピ)」というスローガンのもと、ごみゼロ運動が行われています。
そのごみゼロ運動の一環として、パリ市内の随所に設置されたダークグリーンのリサイクルボックスでは、金属や古紙・段ボールなどのほかに、洋服・布類・革製品の回収も行っています。
リサイクルボックスの側面には、“この回収により、61%は雇用・36%はリサイクル素材・3%はエネルギー価値に貢献する”といった内容のリサイクル啓発の説明が書かれています。
回収されたものは仕分けされた後、状態良いものはリサイクルショップでの販売に回され、残りは、紡績や断熱材等への再利用などに使用されるそうです。そして、それらの活動が雇用機会を生み出し、定職に就けない方の雇用にも繋がっているとのことです。
長く愛用したものをリサイクルボックスへ持っていくことに、何だか味気なさを感じ抵抗があったのですが、きちんと仕分けされ、状態の良いものは欲しい方の手に渡ってまた使用してもらえる。こういった仕組みを理解することで、抵抗なくリサイクルボックスを利用できるようになりました。
フランスに広がる循環型社会を意識したモノとの付き合い方はいかがでしたか?
日本とは異なる取り組みもあれば、似たようなものもあったのではないかと思います。ぜひご参考いただき、みなさまの生活でも取り入れていただければ嬉しいです。
それでは、Au revoir!