10月19日(水)より、年に一度の香りの祭典「サロン ド パルファン」が開催されます。毎年大盛況の本催事は、今年で10回目。これを記念して、“オリジナルフレグランスハンドスプレー”を制作。フレグランスショップ「Pallumer(パリュメール)」の調香師・松野 秀至氏監修の元、香りマニアなイセタニスタ＆伊勢丹新宿店 化粧品バイヤーで制作を手がけた、“ここでしか手に入れられない特別な香り”が楽しめるハンドスプレーが誕生しました。
今回はその香りの制作過程をレポート。ノベルティを手に入れる前に読んで、気分を高めて。“オリジナルフレグランスハンドスプレー”は会場にてお買いあげいただいた方に差しあげます。※文末にプレゼントの条件記載

“サロン ド パルファン10回目を祝した香り”の制作メンバー

サロン ド パルファン10回目を祝す特別な香りを監修するのは
「Pallumer」の調香師・松野 秀至氏

東京・代官山に本店を構えるフレグランスショップ「Pallumer(パリュメール)」。フランス語で香水「parfum」と火を付けるという意味の「allumer」を合わせて生まれた店名で、香水を通して人の心に火をつけたいという、情熱や熱い想いが込められている。同店のオリジナルブランド＜kilesa＞＜L'Héritage＞＜kohshi parfum＞フレグランス製品がそろうほか、オーダーフレグランスの受注も。

サロン ド パルファン10回目にふさわしい香りってどんな匂い？

8月某日、東京・代官山の「Pallumer」にて特別な香り制作を実施。

調香師 松野 秀至さん(以下、松野さん)：香りを作る上で欠かせないのは、イメージ。今回は、香りの祭典「サロン ド パルファン」の10回目を祝う香りということで、みなさんどんな香りが作りたいですか？

イセタニスタ YUKIRINさん(以下、YUKIRINさん)：事前の打ち合わせで話し合い、今回は“香りの祭典”のノベルティの香りですので、香りマニアな人も楽しめ、香り初心者の人も親しみやすい「深みや奥行きのあるシトラス」が作りたいと思っています！

イセタニスタ まよさん(以下、まよさん)：リラクシーすぎず、外出先で使った時に気分がON！になるような香りがいい。

YUKIRINさん：ネロリやプチグレンのように、スッとしながら癒される甘さが気になります。

松野さん：トップはさわやかにし、ムスクを入れてまとめつつ、ウッディな香りをプラスして深みを出すのはどうだろう？

伊勢丹新宿店 化粧品商品部アシスタントバイヤー・村上さん(以下、バイヤー 村上)：香り好きな方も初心者の方にも、さすが伊勢丹！と思っていただけるような香りをつくりたいですね。

香りの処方を作ろう！イメージをもとに香料の選定から調合

松野さん：香りを組み立てるための香料は、2,000〜2,500種あって、精油だけでも300種くらいある。例えば、ラベンダーの精油と一言で言えど、種類は同じでも、産地や年代よっても香りに違いがあるので、調香師はそういったことを踏まえて使い分けしているのですよ。そして、今回みなさんのオーダーを元にピックアップしてみたのがこれらの香り。

調香
ちなみに松野さんは、一カ月に200本以上の香りの処方を書いているそう。

まよさん：これを組み合わせて香りを作っていくのですね！すごくたくさんの原料を混ぜて作るんだなあ。

バイヤー 村上：各香料の配合量はどうやって考えているのですか？

松野さん：処方を書いて、全分で“1,000”になるように組み合わせる。パズルを組み合わせてオーダー(香りのイメージ)を表現していきます。香料には“合成”と“天然”がありますが、どちらの方が良い(上等)ということではなく、合成香料だけで調合すると香りが固くなり、反対に天然香料だけで調合すると香りがやわらかくなりすぎる。合成香料の香りを骨組み、天然香料の香りを肉付きと捉え、人間の身体のように骨と肉付きのバランスを整えていく感じです。一旦嗅いでみて。

最初に調合されたものの試し嗅ぎ

一同：おお！最初の時点でここまでしっかり香りができているのですね！

松野さん：ここで香りの大枠ができていて、このあと方向性を整えていく作業に入っていきますよ。今回は、すっきりさせるために香料全体を1,000と捉えた時に1,2くらいの割合でユーカリを入れています。いわゆるユーカリの香りはしないと思いますが、“すっきり感”の演出ができているのは、それがポイント。

まよさん：現時点でもとても良い香りなのですが、もう少しフェミニンな要素も欲しいかも。

YUKIRINさん：少し男性的な硬さがあるかも。ユニセックスな香りへ調整をお願いいたします！

松野さん：ではもう少し整えていきますね。

メンバーの意見をもとに松野さんが再度調合、香りを整えていく

バイヤー 村上：松野さんが調合しているそばから、もう良い香りが空間に漂っているんですよね。どんな香りに変化するのか楽しみ。希望を聞いて香りを整える事ができるなんて、調香師さんてすごいなぁ。

松野さん：男女問わず愛される香りのオーダーなら、最近はアンバーとウッディの要素を入れることが多い。フローラルすぎない方がベターですよね。

再度香りの試し嗅ぎ

松野さん：トップにユーカリ、メインは柑橘、最後にウッディが香るようにベチバー・サンダルウッド・ヒノキも入れてみています。香水作りの基本ですが、それぞれの香料の揮発するタイミングを組み合わせて、トップ〜ミドル〜ラストと香りの変化を楽しめるようにしているのです。

まよさん：なるほど！香る時間が長い香りだけが最後に残る、ということではなく、それぞれの香料の揮発時間の違いで香りを変化させているのですね。

YUKIRINさん：うん、香りの骨格はできた感じがします！

香りの骨格が完成！続いて香りの“クセ”付けに

松野さん：シトラス・グリーン・ウッディで今回の香りの骨組みができました。ここからどんなふうにクセ付けしていきたいですか？

YUKIRINさん：わりと重めな印象を受けるので、少し軽さを出したい。もう少しフローラルなお花っぽい柔らかさも加えたいかも。

松野さん：トップをもう少しすっきりさせてみましょう。

スペアミント・洋梨・アップルなどを再調合

まよさん：良い香り！ユニセックスに使いやすそうですね。

YUKIRINさん：ぐっと理想に近づきました！若干、タバコを加えてシトラスを強めてもらえませんか？

再調合

松野さん：タバコロールという香料を加えました。(合成と天然のタバコの香料を追加)

バイヤー 村上：入れたの？ってくらいの少量だったけれど、香りがとても変化しました。

まよさん：これ、とっても好き！もはやハンドスプレーじゃなくて、香水として使いたいって思っちゃうくらい良い香りです。

YUKIRINさん：ハンドスプレーの領域は超えていますね！最近いろいろなハンドスプレーが出ているけれど、ここまで深みのある香りが楽しめるハンドスプレーは出会ったことがないかも。新しさもありながら、オーセンティックな要素もあって素敵な香りになったと思います。

サロン ド パルファンオリジナルの香りが完成！

松野さん：では、オリジナルの香り完成！このあと、この香りを弊社の化粧品工場でハンドスプレーとしてアルコールやグリセリンと合わせて、製品にしていきますね。

まよさん：想像以上に良い香りで、ずっと手の匂いを嗅いでしまうと思いますね。

YUKIRINさん：関わる人が多いともっと迷走すると思いましたが、1回目のテストですでにグレードの高い香りだったので、そこにヒントを得て、スムーズに完成まで辿り着けたと思います。

バイヤー 村上：意外とみんなの意見が割れずに即一致でしたね！とても素敵な機会をありがとうございました。

松野さん：最初はシンプルに。そこからオリジナルにもっていくのです。そのベースからのアレンジが結構苦戦するのですが、今回はみなさん具体的な意見やイメージをもらえたから、スムーズにできたなと思います。さすが日頃から香りに親しんでいるメンバーですね！

一同：ありがとうございました！

作った香りを使ったハンドスプレーがこちら

今年のサロン ド パルファンでしか手に入れることのできない貴重なハンドスプレー。フレグランスレベルのエレガントな香りで日々のハンドケアが楽しくなるはず。パッケージは、持ち歩きやすいサイズ感＆シックなデザインのため、バッグやポケットに忍ばせて持ち歩いて愛用していただけたら幸いです。