注目のアーティスト AUTOMOAI(オートモアイ) 伊勢丹新宿店2回目の個展に寄せる想いとは

注目のアーティスト AUTO MOAI(オート モアイ) 伊勢丹新宿店2年ぶりの個展に寄せる想いとはのメインビジュアル
 

日本のみならず各国にファンを持つアーティストAUTOMOAI(オートモアイ)が、伊勢丹新宿店2回目となる個展“Where there is love, there is jealousy”を開催いたします。

2021年、イセタン ザ・スペースで行った個展以来の企画となり、今回は、ISETAN ARTWEEKに合わせて、新作のアート作品を多数展開いたします。8月7日(水)からは会期に先駆けて、本館1階のウインドーディスプレイ2面をジャック。いち早く作品を体感いただけます。

今回の個展に寄せて、オートモアイ氏に創作や作品についての想いを伺いました。

 

“Where there is love, there is jealousy”

□2024年8月14日(水)~8月20日(火)
□伊勢丹新宿店 本館2階 センターパーク/ザ・ステージ#2
公式Instagram:@isetan_3d_artproject

※諸般の事情により、営業日・営業時間、予定しておりましたイベントなどが変更・中止になる場合がございます。必ず事前にホームページを確認してからご来店ください。

 

インタビュー

 

ー作品のインスピレーションや創作プロセスについて教えてください。

ひらめき、暮らしの中での発見、夢、友人との会話等からインスピレーションを得ます。そのあとさらに掘り下げ、作品にする必要があると感じたものが実際に着手されます。

 

ー今回、伊勢丹新宿店で2回目の展覧会を開催するにあたっての思いや作品に込めたメッセージやテーマを教えてください。

まずは2度目の機会をいただけたことをありがたく思います。

新宿自体に個人的な思い入れがあるので、そこに立つ伊勢丹新宿店で作品を展示するというのは私にとって特別な意味を持ちます。

前回の「あやまった世界で愛を語るには」では、そういった個人史における感情や眼で見ることのできない人々の繋がりといった不可視の領域にあるものを描きました。

今回の作品は、2022年頃より取り組んでいる「記憶の霊性」へのアプローチになります。

確認するための手段のない曖昧な記憶は、語られることのない歴史となり、あるのにないまたはあったことなのになかったことになるといった、まるで科学的根拠がないのに存在しているとされている幽霊のようなものへと変容します。

もしかしたら現実世界で幽霊とされているものは、そういった誰しもが忘れてしまった時間そのものなのかもしれません・・・とまで書きましたが、自分でもここまでいくと少し飛躍している気もしますが・・・

つまり「記憶の霊性」とは人間の時間軸上では語りきることの難しい時間、空間への解釈のことを指しています。

「記憶の霊性」というテーマの中で個人の存在としての不安定さや、移ろい易さというものを顔のない人物が提示しています。

 

ー前回展示を開催した2021年から制作手法や考え方に変化はありましたか?

今までは人、個人そのものに興味関心がありましたが、過去という個人の中に流れる時間に興味が移りました。

制作手法は常に変化し続けていますが、身体的な部分が強いがゆえに具体的な説明ができません。まだ変化の余地はありそうです。

 

ーアート作品が社会や人々に与える影響についてどのように考えていますか?

ほとんどのアートは少なからず社会的であり、また政治的なものです。

自身の作品としても社会における不安定な個人の存在とジェンダー規範、異性愛規範な社会への問題提起を孕んでいますが、身体を持った直接的な行動程の速度と強度はもちませんので、自身の経験からは目に見えて影響を与えていると感じることが少なく、また専門的に研究を行なっていないためお答えすることが難しいです。

ただ個人的にはアートを通して人々の権利が守られ、社会が平和でそして自由になっていくことへ影響を与えられたらとても素晴らしいことだと思います。

 

ーアーティストとしてのキャリアにおいて特別な瞬間は何ですか?

キャリアにおいて特別な瞬間を感じたことはありませんが、それは決して特別な瞬間がなかったというわけではないと思います。

通り過ぎた瞬間は過去となり、過去は現在という時間の中では曖昧ではっきりとは掴むことができないものです。なのでもしかしたら知らぬ間に忘れてしまい、思い出せていないだけなのかもしれません。

今後そういった瞬間にまた出会えたらいいなとは思います。

 

今後の展望や新しいプロジェクトについて教えてください。

絵画やソフトスカルプチャーといった静的なアナログ表現をメインとしてやってきたのですが、さらなる時間、空間の広がりを表現するために動的な映像表現を実践していきたいと思っています。

ただ全く新しいことを取得しなければならないのでいつになるかはまだ未定ですが・・・

 

今回、作品を鑑賞するオーディエンスに向けて伝えたいことを教えてください。

街の雑踏の中に絵が立ち現れるというような、あまりないシュチュエーションでの展示が出来ることを面白く感じています。

ギャラリーや美術館とはまた違う、開けた空間へ向けての作品展示をお楽しみいただけたら嬉しいです。

 
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AUTOMOAI (オートモアイ)

2015年からモノクロでの作品の制作を開始、2018年からはカラーも多用し、匿名性の高い“存在”が画面に佇んでいるような作風で知られる。極めて客観的でもありながら、とてもパーソナルな情景にも見えてくるその作風は、人間同士の関係性や、作品と鑑賞者の関係性など、必要な情報が削ぎ落とされているからこそ見えてくる景色と情景を提示。

過去の展示
2024 “Outer Me, Inner Me” (iGALLERY OSAKA、大阪)
2024 “Soul as a butterfly, or the soul of a butterfly” (SORTone Fukuoka、福岡)
2024 Solo Exhibition (OVERGROUND、福岡)
2023 “ボリビアから来たトルコの石” “Turquoise from Bolivia” (PARCO MUSEUM TOKYO、東京)
2022 “I wanna meet once again if like that dream” (SAI、東京)
2022 “名前を忘れることで距離をとっていた” (TAV GALLERY、東京)
2022 “澱を泳ぐ” (デカメロン、東京)
2021 “Three Different Minds” 3 person exhibition with Nick Atkins, Aki Yamamoto and AUTO MOAI.(MUCCIACCIA GALLERY、London)
2021 “dog,ghost” two-person exhibition with Nick Atkins and AUTO MOAI. (CALM & PUNK GALLEY、東京)
2021 「I CAN FORGET YOU AND LIVE」 (everyday mooonday、ソウル)
2021 “6 Paintings From 6 Artists” (Parcel、東京)
2021 “Big Ass Beyond Mountains” (Gallery Ascend、香港)
2021 “あやまった世界で愛を語るには” (イセタン・ザ・スペース、東京)
2020 “Buoy” (CALM & PUNK GALLEY、東京)
2019 “ANGEL” (GALLERY X BY PARCO、東京)
2019 “Anonymous” (藤井大丸、京都)
2019 “Permanent Boredom” (TAV GALLERY、東京)
2018 “Endless Beginning” (OVER THE BORDER、東京)