ABOUT <&ISSUE> | プライムガーデンとスタイリスト井伊 百合子さんが<&ISSUE>を始めた理由
2021年夏、伊勢丹新宿店 本館4階 プライムガーデンは、スタイリストの井伊 百合子(Yuriko E)さんをディレクターに迎え新しい取り組みを始めます。
今回、<&ISSUE/アンドイシュー>と名付けたプロジェクトでは、6ブランドとともに受注生産型でものづくりを行い、9月1日(水)~7日(火)まで、伊勢丹新宿店 本館4階 センターパーク/ザ・ステージ店頭と三越伊勢丹オンラインストアでオーダーを受け付けます。
1. あたらしいラグジュアリーとはなにか?
2013年、伊勢丹新宿店は、百貨店で主流だったブランドごとにアイテムを紹介する方法から考えを一新し、お客さまのライフスタイルをイメージして商品をキュレーションする方法へと舵を切りました。プライムガーデンも「残すべき名品」をコンセプトにアイテムをセレクト。そして現在は、「あたらしいラグジュアリーのかたち」をテーマに、ブランドの思想や、プロダクトが気づかせてくれる新しい価値を大切に、ファッションと向き合うことを目指しています。
では、あたらしいラグジュアリーとはなんでしょうか?
上質なプロダクトであることは大切なポイントです。しかし、それがしっかりとお客さまのライフスタイルに寄り添えるのか。長く愛用していただけるものなのか。さらに、ブランドの考え方や生産過程にも共感ができるのか。
プライムガーデンが考えたのは、質の良さだけではなく、ものができあがってくるまでの過程に共感でき、さらに、それがお客さまの生活に長く寄り添えるものを提案することこそ、あたらしいラグジュアリーの提案なのではないか、ということです。
そして今回始動させるこの<&ISSUE>。スタイリストの井伊 百合子さんをディレクターに迎え、これまで関係を築いてきた6ブランドと協業し、“現代における名品”とは何かを追求しながら、同時にファッションにおける作り手と買い手の間に横たわる問題に目を向けます。
2. ディレクター 井伊 百合子さんについて
スタイリスト 井伊 百合子さん
東京生まれ。文化服装学院で服づくりを学びながら、在学中よりスタイリスト Sonya S.Park氏に師事。5年ほどのアシスタント期間を経て、2008年に独立。『装苑』『ku:nel』『Ginza』『&Premium』などの雑誌や、無印良品といった企業の広告、俳優のスタイリング、ファッションブランドのルックブックなどを手がけています。
和装との出会い / 社会の課題と洋服の関係
また、井伊 百合子さんは、「白いシャツのように着る、新しい日常をつくる着物」がコンセプトのブランド<THE YARD/ザ・ヤード>で、アドバイザーを務めています。アイテムづくりのために産地を訪ね、作り手とのコミュニケーションを通して和装の文化や考え方を学び、たくさんの発見があるそう。
さらに、ファッションが持つポジティブな力を社会問題に繋げていくためのプロジェクト「+IPPO PROJECT」を主催。オンラインサイトやポップアップ形式で、バザーを開催しています。その売り上げは児童養護施設等を出た方々への自立を支援するアフターケア施設「ゆずりは」へ寄付。貧困や虐待といった社会の問題をより多くのひとに知ってもらうきっかけづくりを、今後も継続していくそうです。
問題(イシュー)を知ったうえで、ファッションを楽しむ
仕事と生活の両方で、社会にある課題と、ものづくりの関係に常に関心を持ってきた井伊さん。シーズンごとに絶えず移り変わるアイテム。セールにかけられる商品の多さ。欲しいときにすぐ買える。安くて嬉しい。でも、これでいいのだろうか?と疑問を持つことも多くなったそうです。
「仕事を通して出会えたデザイナーさんの熱意や、問題意識に耳をかたむけるのはとても楽しいこと。お話を聞くと、気持ちよく納得して身につけるものを選べますし、その後の愛着にもつながります。しかし、消費者としてお店に足を運ぶとき、作り手の思いやものの背景を知る機会はすごく少ない。正直、作り手と買い手のあいだに、不透明な部分というか、溝があるように感じていました。今回のプロジェクトについてお声がけいただいたとき、私自身がファッションについて問題だと感じている部分を、ポジティブにクリアしながらものづくりができればと思いました」(井伊 百合子さん)
3. 受注生産という選択肢を百貨店から
そこで井伊 百合子さんが発案したのが、信頼するデザイナーさんと受注生産でものづくりをする試みです。
注文がついた数だけ生産をする受注生産は、通常ショップで買い物をするときのように、その場で商品を受け取ることはできません。しかしだからこそ、価格のワケや生産の背景、デザイナーの考えを知り、未来の自分にとっても必要なものか、吟味する必要が生じてきます。
また、過剰な在庫を防げるので、アイテムになったにも関わらず売れ残ってしまう商品を少なく抑えることができます。
「明日から着られる。そんな楽しさもあります。でも、数カ月待っても欲しいのかどうか、ひと呼吸置いて考えられる買い物も選択肢にあったらいいのではないか。感覚的な喜びだけでなく、納得してファッションが楽しめて、一過性ではないものへの愛着が育つきっかけにこのプロジェクトがなったらいいな、と思っています」(井伊 百合子さん)
Text and Edit:kontakt
&ISSUE 2についてはこちらから。
・プライムガーデンとスタイリスト井伊 百合子さんのプロジェクト第二弾|2022年3月23日
イベント概要
※会期は終了いたしました※
■2021年9月1日(水)~9月7日(火)
■伊勢丹新宿店 本館4階 センターパーク/ザ・ステージ#4
※本館4階 ザ・ステージ#4にてイベント・プロモーションを併設中。