ヘア&メイクアップアーティスト岡野瑞恵の「大人のアイメイク講座」

ヘア&メイクアップアーティスト岡野瑞恵の「大人のアイメイク講座」

「目指すべきは若作りではなく、大人としての健やかさや清潔感、知性」と断言する岡野さん。マスク必須の生活がまだまだ続きそうな今の世の中、「マスクだと肌もメイクも何となく冴えない」「唯一露出する目もとメイクのさじ加減が分からない」など迷っている人必見!
数多くの女優たちの美を支え続けているカリスマ・岡野さんが、withマスク生活に知っておきたい、「大人を素敵に"魅せる"秘伝のメイクテクニック」を、惜しみなく語ってくれました!

withコロナ時代の大人の“顔”に必要なものとは?

−−まず、今回の講座のテーマでもある“マスク時代の大人メイク”に一番大切なキーワードは何だとお考えですか?

岡野:ずばり「生命力」だと思います。昨年春の緊急事態宣言以降、これまでとはすっかり変わってしまった“新しい生活”の中、誰もがこれからどうなってしまうんだろう、というモヤモヤ感を抱え、何となくスッキリしない毎日が続いていますよね。そして、人前に出るときには必ず顔の下半身をマスクで覆われて、常に息苦しい思いをしている…。withコロナによる“新しい生活”は、ストレスや不安でいっぱいです。でも、そんな先の見えない毎日を生き抜く“強さ”とか“勢い”、つまり生き生きとした“生命力”がある顔でいられたら、自分も、そして周りの人たちも、なんだか安心できるんじゃないかと思います。そうでなくとも、カラダが変わり始めるアラフォー以降の女性の美しさにとって、生命力=心身の健康は、切っても切り離せないもの。
サバイバル、というと大げさですが、どんな状況の中でも生き抜ける強さを顔に感じさせることが大切だと、自分も含めて改めて感じています。

岡野瑞恵さん

−−ではそんな“生命力”を顔に宿らせるために、どのようなメイクテクニックが必要なのでしょうか?

岡野:マスクで顔の下半身が隠されている中、唯一、メイクで印象をいかようにも変えられる「目もと」にこの“生命感”をいかに与えるか、が、大きなポイントとなってくるのは間違いないですよね。そのために意識したいのが目周りの「“毛”のあしらいと色選び」。まず、まつ毛や眉毛といった、目周りの「毛」にツヤと勢いがあるだけで、目そのものに力が漲るもの。ですから、眉はいつもよりも少しだけ強めに仕上げ、マスカラも艶っぽい質感のものを、下まつげまで丁寧に。そして、アイカラーは、肌になじみながらも、さりげなく目もとに立体感を与える、くすんだオレンジや、バーガンディなど「赤み」含みの色がおすすめ。赤というカラーの持つ力強さはそれだけで、目もとにパワーを与えてくれる上、少しぼやけ始めたアラフォーの目もとの骨格を適度に掘り起こし、目の“生命力”をより高めることができます。また、大人の女性の中には、20代30代の頃にお気に入りだった”顔の作り方“を、今も頑なに守り続けている人も少なくないと思いますが、大人の魅力を引き出すためには、メイク方法もアイテムもアップデートが必要。今回のwithマスクな生活は、今の自分の目もとをもっと生き生きと見せるメイクを見つけるチャンスだと思って、是非トライしてみて欲しいと思います。

ただし、“美しい顔”はトータルバランスが作る。“目だけしか見えてないし”という考えは捨てて。

岡野瑞恵さん

−−−目もとのメイクを工夫する以外に、“生命力”ある顔を作るために意識するべきことはありますか?

岡野:withマスクの生活も随分長くなってきて、最近本当に思うのですけど、「目しか見えないから、目の周辺だけ、気を使えばいいでしょ?」という考え方、そろそろ捨てませんか?(笑)。「見えないところは手を抜いたっていい」。こんな考え方って、ただでさえ心も肌もどんよりしがちな今の生活の中で、女性をさらに“くすませる”一番の原因になるんじゃないかと思うんです。マスクをつけて過ごす時間が長いとはいえ、例えば、食事のときなど、一日の中で、マスクを外すタイミングは何度かありますよね。そんなときに、不意に見える肌や口もとが、とても丁寧に整えられていたら、見た人は絶対に、はっとするでしょうし、自分自身も、朝、フルメイクし終わったときに「なんか今日の顔いいな」と感じられたら、自然と生き生きとした表情になれると思うんです。だから、マスクに隠れた下の“下半身”も目もとと同じくらい手を加えて仕上げること。幸い、今は、マスク移りしにくいファンデーションも、口紅もたくさんあるのだから、それらを上手に駆使して、メイクを“平常心”で楽しむくらいの余裕を持つことが、大人の女性ならではの知性であり、それが目指すべき生き生きとした生命力につながるのです。マスク生活によって何となく忘れがちになってしまっていた「自分の顔を美しく装う楽しみ」を思い出して、メイクをもっと自由に楽しんでいただけたら嬉しいです。

岡野瑞恵さん
PROFILE/岡野瑞恵(おかの・たまえ)
ヘア&メイクアップアーティスト
1969年生まれ。国内大手化粧品メーカーにて、ヘア&メイクや商品開発に携わった後、独立。常に“いま”の空気感をさりげなく取り入れた、繊細で洗練性あふれるメイクテクニックには定評があり、多くの女優やモデルからも絶大な信頼を得ている。「Marisol」「eclat」など数々の女性誌や美容誌はもちろん、広告やTV、映画など、様々な分野で活躍中。著書に『大人がきれいに見えるメイク』(光文社)『大人のMake Book』(ワニブックス)などがある。

撮影/天日恵美子 インタビュー&文/原千乃

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