フランス・パリ発のアーティスト、ロナン・ブルレック氏の個展を日本国内最大級で開催!

フランス・パリ発のアーティスト、ロナン・ブルレック氏の個展を日本国内最大級で開催!のメインビジュアル

フランス・パリを拠点に、プロダクトデザイン・空間デザイン・ドローイングや映像・写真など、ジャンルにとらわれない活動を続けるロナン・ブルレック氏のアート・エキシビジョン「The hand remembers.」を伊勢丹新宿店 本館2階 イセタン ザ・スペースにて開催いたします。
本展では日本国内最大規模となるアート作品41点を展示販売するほか、ロナン氏がデザインを手がけたアイテムや作品集なども販売。
また、一般会期に先がけて8月28日(水)から本館1階のウインドー11面をジャック。ロナン氏のドローイングから着想を得た空間構成をご覧いただけます。尚、展示スペースとウインドーディスプレイは、日本デザインセンター三澤デザイン研究室が手がけています。

イベント初日の8月31日(土)午後4時から、今回先行販売となる書籍『Triptyque』*をお買いあげいただいたお客さまを対象に、ロナン氏によるサイン会を実施予定です。ぜひ、この機会にご来場ください。

※在庫に限りがございます。品切れの際はご容赦ください。
※詳細はイセタン ザ・スペース公式Instagramをご確認ください。

Ronan Bouroullec「The hand remembers.」

□2024年8月31日(土)~9月29日(日)
□伊勢丹新宿店 本館2階 イセタン ザ・スペース
※本館1階ウインドーディスプレイ:2024年8月28日(水)~9月17日(火)
公式Instagram:@isetan_the_space

諸般の事情により、営業日・営業時間、予定しておりましたイベントなどが変更・中止になる場合がございます。必ず事前にホームページを確認してからご来店ください。

ウィンドウ画像
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  • <Ronan Bouroullec/ロナン・ブルレック>アイテムの画像

    <Ronan Bouroullec/ロナン・ブルレック>
    Triptyque 11,000円

この手が覚えていること

ドローイング(デッサン)とロナン・ブルレックの人生は、完全に溶け合うほど緊密に絡み合っています。幼少のころから描かなかった日は1日たりともありません。学びの時代もずっと、さらにその後も休みなく、デザインの仕事と平行してドローイングを描きつづけてきました。アーティスト自らが厳選した40点近いドローイング、画帳、陶板シリーズ(bas-reliefs)からなる、このたびの展示会で、彼の創作のまだあまり知られていない重要な一面を発見し、日々描き継がれてきたドローイングの満々たる豊かな流れにひたっていただけたらと思います。

The hand remembers.

The practice of drawing is entwined to the point of fusion with the life of Ronan Bouroullec. Not a day without drawing, from childhood, throughout his formative years, and then over time, as a counterpoint to design work. With nearly 40 drawings, notebooks and bas-reliefs selected by the artist, this exhibition offers an insight into this still largely unknown facet of his work, animmersion in the immense current of his day-to-day drawings.

  • 制作の様子の画像

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    ©Claire Lavabre studio bouroullec

ロナン・ブルレックのドローイングの特徴は、デザイナーとしての創作活動に不可欠なツールであるスケッチとは全く違い、注文の制約、問題意識、基準、結果に一切とらわれずに生み出されるというところにあります。いかなるプロジェクト、仕事の枠にも組み込まない、という姿勢が貫かれています。プランも出発点となるアイディアもありません。ただフォルムが、連続性と関係性をたよりに、繰り返される動きによって、徐々に展開していきます。要するに、Le dessin est sans dessein.(意図なきデッサンなのです)。

Unlike a sketch, the tool indispensable to the designer’s creative process, Ronan Bouroullec’s drawings are defined by the rejection of concerns with a commission, a problem, criteria or results. By a refusal to engage with any definition of the work. There is no plan or initial idea; the form unfolds progressively through repeated gestures, by continuity, by contiguity. It is drawing without design.

  • 作品の画像

    Drawing 20,2022
    ©Claire Lavabre studio bouroullec
  • 作品の画像

    Drawing 22,2023
    ©Claire Lavabre studio bouroullec

意図の払拭は、規則正しい筆運びと、身振りへの強い意識につながります。軽やかに紙にもたれてペンをあやつる左手、画紙のまわりをめぐる身体の動き、線に表われる脈動、呼吸のリズムへと、たえず意識が向かいます。描画は、実際に感じられ生きられた時間とシンクロして直線的に進みます。それは自己認識、心を浄化する修養の時ともなります。

The abolition of intention is linked to the regularity of the exercise and to the absolute focus on gesture: the (left) hand resting lightly on the paper, the movement of the body around the page, the pulse of the line, the rhythm of breathing. Drawing time is linear, in synchrony with the time as it is experienced. It is the time for self awareness, for spiritual exercise.

  • 制作の様子の画像

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    ©Claire Lavabre studio bouroullec

それはまた、歓びの時でもあります。なめらかに素早く紙上を滑る快感。紙の抵抗の度合いによって、その滑り具合は微妙に変化します。さらに、ボールペンの緩慢さ、フェルトペンの敏捷さ、液をたっぷり含んだ筆ペンの官能性も歓びをもたらします。哲学者ジャン=リュック・ナンシーも『デッサンにおける歓び』という論考で、「現存するありとあらゆる存在物と形の彼方にあるものに、形を与え、それを存在させようとする際に生じる歓び」は、ほかのいかなる芸術形式よりもドローイングにはっきりと立ち現れる、と述べています。

著:マルタン・ベトゥノ

But it is also a time for pleasure. The pleasure of gliding, more or less fluidly, more or less quickly, depending on the resistance of the paper, the slowness of the biro, of the speed of the felt-tip, the liquid sensuality of brush pens.

The pleasure in drawing, according to Jean-Luc Nancy’s formulation, whereby drawing is the place where, more than with any other artform, is found“the expression of the pleasure of wanting to give form and presence to that which goes beyond all presence and all form”.

Martin Béthenod

  • 作品の画像

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    Bas reliefs 05,2023
    ©Claire Lavabre studio bouroullec
  • 作品の画像

    Courtesy Mutina,Gerhardt Kellermann
ロナン・ブルレックの画像

Ronan Bouroullec/ロナン・ブルレック

1971年カンペール生まれのフランス人デザイナー。
35年以上にわたり、国際的に敬意を表されているブランドとのコラボレーションにより、独創的な製品を創り出してきました。彼の作品は、工業的かつ職人的なノウハウが共鳴しあう創造プロセスに基づいて作られています。
またデザイナーとしての仕事と並行して、ドローイングは彼の日常生活の重要な部分を占めており、その作品はアートコレクターやギャラリーから注目され続けているだけでなく、世界各地の美術館や美術財団に展示され、収集されています。(ニューヨーク近代美術館/MoMA、ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館、パリのポンピドゥー・センターなど)。

Ronan Bouroullec, born in 1971 in Quimper, is a French designer.
For over thirty-five years, he has been creating unique objects in collaboration with the most prestigious international design editors. Ronan Bouroullec's work is based on a fluid creative process in which industrial and artisanal know-how resonate with each other. Alongside his work as a designer, drawing is an important part of his daily life. His work is regularly exhibited in museums and galleries around the world. His creations and drawings have been included in major international public and private collections (MoMA in New York, the Victoria and Albert Museum), including a recent addition of around thirty works to the Centre Pompidou.