現代アーティスト トム・サックスが、3年ぶりとなる伊勢丹新宿店での展覧会を開催
©Tom Sachs
Model Ninety Three, 2023
151.1×148.6×74.9cm
コンテンポラリーアーティスト、トム・サックスが2回目となる「トム・サックス:店舗体験」を開催いたします。本展覧会では、新作の絵画、彫刻、大型音響システム、陶器、トム・サックス・ファニチャーから数種類の家具、アパレルやその他アイテムを展示販売します。サックスが2020年のイセタン ザ・スペースで行った革新的なプレゼンテーション「トム・サックス:店舗体験」に引き続き、伊勢丹のミッションである、お客さまの日常生活や住まいにアートやデザインを取り入れる方法を提案します。
9月13日(水)からは会期に先駆けて、本館1階のウインドーディスプレイ11面をジャックし、いち早くサックスのフルデザインを体感いただけます。
©Tom Sachs
Traditional Mailbox(Figure 1A), 2023
121.9×152.4×6.4cm
©Tom Sachs
Model Ninety Two, 2023
106.7×228.6×30.5cm
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Photograph:Shiga Shunsuke
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トム・サックス:店舗体験
□2023年9月20日(水)~10月23日(月)
□伊勢丹新宿店 本館2階 イセタン ザ・スペース
※本館1階ウインドーディスプレイ:9月13日(水)~10月10日(火)
□オンラインストア一般会期:9月21日(木)~10月23日(月)
※9月20日(水)のみ、エムアイカード会員さま限定の先行販売となります。
公式Instagram:@isetan_the_space
諸般の事情により、営業日・営業時間、予定しておりましたイベントなどが変更・中止になる場合がございます。必ず事前にホームページを確認してからご来店ください。
1. CONCEPT
サックスがアーティストとしての実践において重視するのは、身近であるが妥協のない素材の使用、見てすぐにわかる手仕事の跡、そして儀式的とさえいえる綿密な制作過程であり、伊勢丹新宿店の展示ではそのすべてが発揮されています。応接室のための絵画、抹茶用のお茶碗、オフィスへしつらえる椅子、ファッションウイークで着るジャケット、作業リストを作るためのノートブック、パーティーに必須な大型音響システムなど、これら展示されているアイテムの一つひとつは、各用途に合わせて丁寧に手作りされた彫刻作品です。
展覧会でご覧いただく椅子、小冊子(zine)、サウンドシステム、陶器、絵画、花瓶、ジュエリーといった作品は、すべて手作りのmade in USAです。これまでに伊勢丹新宿店の展示空間と11のショーウインドーがサックスの彫刻と化したように、今回展示されているモノはすべて、彫刻として位置付けられています。サックスのシグネチャーである合板によって覆われた展示空間は、その空間のために厳選された色から、アメリカのサックスのサプライヤーから取り寄せたネジ一本に至るまで、すべて彼のスタジオの規定に則って完成されたインスタレーションになっています。このインスタレーションは、展示を訪れるすべての人がまるでサックスのスタジオを訪れたかのように感じられるよう、その体験の効果を最大限に狙って本展覧会のために考案されたものです。
トム・サックス・スタジオと伊勢丹のチームは、2020年に行われた展覧会の成功以来、さらに強い絆を結んできました。サックスは、伊勢丹が今回の「トム・サックス:店舗体験」を企画し、ニューヨークのスタジオを訪れてくれたことに感謝を表しています。そして伊勢丹チームと小山登美夫ギャラリーの協力のもと、新作や未発表のアート作品、グッズや家具を発表できることを心待ちにしています。
2. ART/FURNITURE/PRODUCTS
ART
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©Tom Sachs
Stitches, 2023
94.0×94.0×20.1cm -
©Tom Sachs
Carmex, 2023
13.0×10.8×10.8cm -
©Tom Sachs
Mayonnaise Lamp, 2023
H37.5×W15.2×D15.2cm -
©Tom Sachs
Welding Jacket, 2023
FURNITURE
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©Tom Sachs
Walnut Shop Chair, 2022
H85.1×W47.0×D47.0cm -
©Tom Sachs
Shop Chair Black, 2023
H85.1×W47.0×D47.0cm -
©Tom Sachs
Arm Rest Shop Chair, 2022
H85.1×W60.1×D47.0cm -
©Tom Sachs
Crate Chair, 2018
H61.9×W67.9×D79.4cm -
©Tom Sachs
Record Crate (Natural), 2023
H35.2×W37.5×D46.4cm
PRODUCTS
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©Tom Sachs
Isetan Staff T Shirt
XS・S・M・L・XL・XXL
※店頭のみ販売。10月11日(水)午前10時より販売いたします。 -
©Tom Sachs
Pearl Paint×CK&L T Shirt
XS・S・M・L・XL・XXL -
©Tom Sachs
NASA Chawan T Shirt
XS・S・M・L・XL・XXL -
©Tom Sachs
No Skateboarding Skateboard Deck
20.1×81.0cm -
©Tom Sachs
Space Program Card Deck (Japan Import edition)
H8.9×W6.4×D1.9cm
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3. INTERVIEW
──2020年に開催されたコロナ禍真っ只中の『Retail Experience』以来の展覧会となりますが、前回初めてイセタン ザ・スペースでイベントを行った際に印象に残る体験がありましたら教えていただけますか?
トム・サックス 我々は2019年に伊勢丹新宿店で初めての展覧会の企画をスタートしました。コロナが事態をより難しくしたときでも、伊勢丹は粘り強く献身的にこのプロジェクトに取り組んでくれました。
それは究極のサイバネティックな体験でした。あれほど複雑なことを、遠く離れた地で完全にデジタルで行い、あれほどの成功を収めたことは、テクノロジーの勝利といえるでしょう。
2023年に開催されるこの2回目の展覧会で伊勢丹と仕事ができることに、心から感謝しています。
──今年の4月に久々に来日された時の日本、東京、伊勢丹新宿店の印象はいかがでしたか?
トム・サックス 私の心は愛で溢れかえりました。私は日本の文化と精神的なつながりを感じており、コロナでさえも日本の人々の精神を傷つけることができないことを目の当たりにして、胸が熱くなりました。
──2回目の展覧会を開催するにあたっての思いや、今回のテーマについてお聞かせください。
トム・サックス 2020年に私たちが成し遂げたことをとても誇りに思っています。私たちすべてにとって暗黒の時代に、本当にハイライトとなりました。それが絵画であろうと、彫刻であろうと、映画であろうと、本であろうと、茶碗であろうと、靴であろうと、Tシャツであろうと、椅子であろうと、私にとってそれらすべては彫刻なのです。
この2回目の展覧会は、私たちが開発したアイデアをさらに発展させ、洗練させ、新たなレベルに引き上げるものとなるでしょう。ウインドーディスプレイは、街に面したアート・ギャラリーになります。私はこのウインドーをとても誇りに思っています。
我々は2階の展示スペースの作品に費やしたのと同じくらい、ウインドーの作品にも時間をかけています。このウインドーディスプレイは、「イセタン ザ・スペース」を訪れる人もそうでない人も、通り過ぎるすべての人にアートを届けるもうひとつの機会となります。アートのアイデアは自由なのです。
──トム・サックス氏にとってスペシャルな作品、アイテムについて教えてください。
トム・サックス お気に入りなどはなく、私はすべての作品を我が子のように愛しています。最も大きな総合芸術であるインスタレーションにおいても、その最も小さなディテールに至るまで、同じように細心の注意を払っています。どれだけお金を持っているか、何を所有しているかということではなく、地球を含む、あなたの身の回りのものをいかに大切にするかということなのです。
──トム・サックス氏はアートだけでなく、家具や、プロダクト、他社とのコラボレーションなどさまざまなカテゴリーで活躍されている、稀有なアーティストだと思います。それらのさまざまなカテゴリーにはどのようなつながりが、もしくは発想の違いがありますか?
トム・サックス 各素材の長所を生かすことが重要です。何かを無理強いしてはいけません。目の前にあるものを受け入れるのです。それを認め、受容し、祝福することです。それが絵であろうと、スニーカーであろうと、大聖堂であろうと、デパートであろうと、私にとってはすべてが彫刻です。彫刻やアート作品にするのと同じ方法ですべてのプロジェクトに取り組んでいます、すべては繋がっているのです。
──今年度予定されている新しいプロジェクトがあれば、ぜひ教えてください。
トム・サックス 私は「店舗体験」をとても誇りに思っています。スタジオでは、絵画、彫刻、映画制作、家具、工業デザインなど、いろいろなことをやっています。私はこれからもアートを誰にとっても身近なものにしていくつもりです。
4. STORES INFORMATION
9月20日(水)は、店頭のグッズエリアのみ、Yahooパスマーケットでの事前抽選入場とさせていただきます。
販売方法更新のご案内
9月20日(水)の入場の抽選は締め切らせていただきました。
当日は、抽選の方のご案内終了後、13:30頃からフリー入場の予定です。
会場混雑時は、入場を制限させていただく場合がございます。予めご了承ください。
お申込みはこちら
お申込み期間:8月28日(月)午前10時~9月3日(日)午後11時59分
当選配信・チケット引き替え開始:9月11日(月)午後6時以降
チケット引き換え締め切り:9月14日(木)正午まで
入場時間配信:9月16日(土)午後6時以降
状況に応じて、販売方法が変わる場合がございます。その際には、こちらのオンラインストアとショップのInstagramより随時ご案内いたします。
【エムアイカード会員さま特典】
- 9月20日(水)の店頭入場抽選はエムアイカード会員さまを優先とさせていただきます。
- 9月20日(水)のオンラインストアの販売はエムアイカード会員さま限定とさせていただきます。
※商品をカートに入れる前に、三越伊勢丹WEB会員へのログインをお願いいたします。
※マイページ内の『エムアイカード情報』のご登録がない場合は、商品がカートに入れられませんのでご注意ください。
※決済方法はクレジットカード決済のみとなります。 - 期間中、エムアイカードをお持ちで、店頭にて22,000円以上お買いあげのお客さまへ、ドックタグをプレゼントいたします。
- 新たにエムアイカードにご入会いただいたお客さまも対象とさせていただきます。
- お渡し時にエムアイカード会員さま名義のご本人さま確認をいたします。
- ドッグタグはトム・サックス・スタジオのルールに基づき、その場でお客さまの私物に付けさせていただきます。予め付ける物をご持参いただきますようお願いいたします。
- 店頭でのお買いあげのみを対象とし、お一人さま1回限りのお渡しとさせていただきます。
5. BIOGRAPHY
アーティスト、1966年ニューヨーク生まれ
終わりなき革新と破壊の彫刻家、トム・サックスは、エンジニアリングやデザインの傑作を精巧に再構築するブリコラージュ作品で知られる。
その作品では、大量生産品に見られるピカピカのアルミニウムやポリカーボネートに代わり、彼のトレードマークである質実な素材のフォームコアや合板が使用され、工業製品の特性とそれを扱う高度な手仕事のコンビネーションにより制作されている。サックスの作品の中心となるテーマは、アメリカの文化と社会であり、そこにユーモアと皮肉をたっぷりと織り交ぜて扱う。彼は、ラグジュアリーな消費財や国際的なブランドを模倣することで、大企業のエコシステムや「ブランドイメージ」といった概念を遊び心をもって扱い、それをアートの文脈へ取り込むことで変容させる。
1990年代、サックスはニューヨーク近代美術館でピエト・モンドリアンの絵画を何日もかけて研究し、合板にダクトテープを貼っていくつかの作品を再現した。こうした初期の探求を通じて、彼は自身のスタジオの理念を展開し始め、自身が手に入れたいと望むものを身近な材料で再構築し、その過程を、あらゆる困難や不完全さを含めて、意図的に明らかにした。
彼の作品は、より清潔に、よりシンプルに、より完璧な機械生産のアイテムへと向かう近代化の流れに逆行し、手仕事が前面に出ることにより、生産技術に対する我々の目を開かせてくれる。
またスタジオでの制作の枠を越え、ブロックチェーンからスニーカーまで彼が作るものはすべて彫刻であることの証しとして、サックスは手仕事へのフォーカスを更に強めている。デジタルアートの領域でのパイオニアとして、彼はブロックチェーン技術と分散型プラットフォームを採用し、デジタルアート作品を制作、流通させている。アートとテクノロジーの共通点を探求する中で、サックスは『Tom Sachs:Rocket Factory』というプロジェクトを通じてデジタル領域に創造性と革新性をもたらし、NFTムーブメントの中でのアート界を牽引するリーダーとなった。
身の周りにある素材を使って現代のアイコンを再現するなど、ジャンルを超越したサックスのミクストメディアによる彫刻は、よりすっきりとしてシンプルかつ完璧な製品を志向する近代化の波に逆行するかのようなオブジェの制作に集約される。合板、樹脂、鋼鉄、セラミックなどの断片を愛嬌いっぱいにつなぎ合わせた作品は、一目でそれと分かるほどに手作りの質感を誇示。彫刻に見られる傷や欠損は、作品が奇跡によって生み出される過程でごく自然に生じたものであるかのような仕上がりとなっている。
Ten Bulletsと呼ばれる十カ条のルールを厳守し、さながら大学病院かカルト集団のように意思統一された機能を誇る彼のスタジオチームは、素材としての合板や制作プロセスの透明性を何よりも重視している。
彼の作品は、多くの国で展示され、ニューヨーク近代美術館、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、ホイットニー美術館(ニューヨーク)、ポンピドゥー・センター(パリ)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)、サンフランシスコ近代美術館、プラダ財団(ミラノ)をはじめ、さまざまな国や美術館に収蔵されている。また主な個展では、ダイヒトーアハレン(ハンブルグ、2021年)、東京オペラシティアートギャラリー(東京、2019年)、ナッシャー彫刻センター(ヒューストン、2017年)、ノグチ美術館(ニューヨーク、2016年)、イエルパ・ブエナ芸術センター(サンフランシスコ、2016年)、ブルックリン美術館(ニューヨーク、2016年)、森美術館(東京、2016年)、リヨン・ビエンナーレ(フランス、2013年)、「Space Program:MARS」パーク・アヴェニュー・アーモリー(ニューヨーク、2012年)、ベネチア建築ビエンナーレ(2010年)、プラダ財団(ミラノ、2006年)、グッゲンハイム美術館(ベルリン、2003年)などがある。
サックスはニューヨークに在住。同地で制作を行なっている。
企画協力
小山登美夫ギャラリー
1996年に東京・江東区佐賀町に開廊し、2016年より六本木に拠点を移す。開廊当初から海外アートフェアへ積極的に参加し、日本の同世代アーティストを国内外に発信。トム・サックスとは20年を越えて仕事をしており、東京オペラシティアートギャラリーでのサックスの個展「ティーセレモニー」(2019年)での企画協力、六本木のスペースでの同時個展開催などがある。