イギリス出身のアーティストでイットガール、Faye Wei Weiが日本初個展で描いた愛の世界

イギリス・ロンドンを拠点に活動するアーティストFaye Wei Wei(フェイ・ウェイウェイ)。ファッションショーのフロントロウに座り、「Simone Rocha x H&M」コレクションの公式キャンペーン映像に出演するファッションアイコンでもある彼女は、英国の名門・スレード美術学校出身。“古典的な神話”、“愛の儀式”、“ジェンダーの演劇性”といったテーマを淡いカラーを用いて表現している。そんなイットガールが、日本で初めての個展を伊勢丹新宿店 本館2階 イセタン ザ・スペースにて開催する。

「Faye Wei Wei solo exhibition 'Sun'」
□開催期間:2021年3月14日(日)~26日(金)
□開催場所:伊勢丹新宿店本館2階 イセタン ザ・スペース

公式インスタグラム:@isetan_the_space

心を揺さぶるものたちからインスピレーションを受けて。

鐘、十字架、馬などのモチーフが詰まった幻想的で民族的なイメージの作品は、観る人を絵の中の世界へと惹き込む。彼女から送られてきたアトリエの写真を見ると、手書きの詩やポラロイド、ぬいぐるみ、紙うちわ、陶器の鉢、本などが溢れていた。「私の周りには、旅先で集めたものや人からもらったものなど、感情を揺さぶるものがたくさんあります」と語り、これらが作品のインスピレーションとなっているようだ。

彼女が「毎年訪れるほど大好き」だという日本で、初めての個展となる今回。実際に顔を合わせることも叶わない状況下で、オファーから数ヶ月かけて綿密なリモートミーティングを重ねて準備を進めてきたバイヤーチームがメールインタビューを敢行した。アートに対する思いや創作活動の原点、そしてファッションのこだわりに至るまで、彼女自身を深堀りする内容となっている。

今回のために描き下ろした新作を含む計24点が公開された。

 

幼い頃から今までずっと、絵を描くことを心から愛している。

 

━━アーティストになったきっかけを教えてください。

小さな子供の頃にアート番組を見て、ノートの切れ端に夕日を描きました。私はビデオゲームで遊ぶよりも、「何を作ろう」と考えたり、何時間も座って絵を描くことが大好きな子供だったんです。特に赤からオレンジ、そして黄色へと移り変わる桃色の空のように、互いに振動して溶け込んでいく耽美的な色彩が好きで、真っ赤に染まる丘を描いたことも。その絵は、赤い夕焼けが丘に染み込んでいる、あるいは丘が太陽の一部を浸食しているようにも見えて、とてもクレバーな描写だったと記憶しています。幼い頃から絵を描くのが好きだったことこそが、今も私の作り続けたい気持ちを掻き立たせているし、心から愛しているから私は日々絵を描き続けているのです。

“Love is Lullaby” Oil on Linen, 人と会うことが制限される特殊な期間に描かれた新作たち。
ロンドンにある彼女のアトリエをイメージした家具と一緒に展示された作品。

━━絵を描くとき、どんなものからインスピレーションを受けていますか。

一部の作品は中世の花の絵本からインスピレーションを受けました。花はそれぞれ唯一の形状をした彫刻のようで、また私にとっては擬人化されたもののようでもあり、単に姿かたちを愛でる存在という以上に重要なものです。重たい花びらを持った彼らは、風の中の囁きの上に横たわっていて、時に互いにあくびをしながら、葉にはそれぞれ秘密を隠し、蕾の中には愛を込めているように見えます。花の咲いている枝と枝の隙間や、銀の鈴を抱えているかのように重く垂れ下がる茎など、花は重要な目印となる要素をたくさん持っているんです。

━━大切にしていることについて教えてください。

一番大切なことは、イメージの力強さと、人を魅了する力。作品を描くときにはこれらを常に意識しています。今回出展している中にリボンと共に青いカウボーイを描いた作品がありますが、永遠の時間の中で宙に浮くその瞬間が絵に閉じ込められたよう。あと“肖像画の二面性”もまた、今回描いた作品たちのなかで重要な意味を持っています。今年に入ってから私たちが感じていた“孤独感”が、作品上で登場人物を出会わせる欲求を掻き立てました。また私の作品の中には、背景に色褪せた人物像が描かれたものもありますが、これは余韻の残る香水のように、私の中にいつまでも残るある人の記憶です。

 

━━どんな服が好きですか。また、アトリエで絵を描くときはどんな服を着ていますか。

白い洋服が好き。私にとって白はとても心地良い色で、身に付けることで“自分自身”を強く意識出来ます。持っている洋服のほとんどがニュアンスの異なる白だと言っても過言ではないくらいお気に入りのカラーです。他にもフェミニンなドレスや洋服、常に自分だけのもののように感じられるヴィンテージ古着もよく着ます。ファッションブランドで言うとShimone Rosha、miumiu、Chanelが好き。日本では原宿の「DOG」が好きで、そこで買ったトップスがお気に入りです。様々な白いワッフル生地を赤い糸で縫い合わせた、とても美しいものなんですよ。

 

輝く海の中にいるような気分になった、東京での日々。

「日本が大好き」という彼女、来日の記憶からインスピレーションを受けた作品も並ぶ。

━━今回、日本の地名を用いたタイトルの作品がいくつかありますが、その理由について教えてください。

私は15歳の時からほぼ毎年夏に日本を訪れていて、その思い出全てが私の成長に影響を与えている本当に大切なものです。人生の中でもとても大きな出来事だと思っています。今回作品のタイトルに日本の地名を使ったのは、東京に行く度にとても感動して、まるで輝く海の中にいるような気分になるから。全てが刺激的で、電気が走ったような感覚です。今回、展覧会に在廊することが出来ないのはとても残念ですが、私の一部は作品ともに東京にいるはずです。

━━最後に、展覧会に来る日本の皆様へメッセージをお願いします。

展覧会に足を運んでくださり誠にありがとうございます。心を込めて描いたので、私はこの作品たちを誇りに思っています。今回の東京での展覧会に向けて、昨年から今年にかけてとてもとても長い時間をかけて作品を製作しました。特殊な一年でしたが、私の描く作品の中に光を見出してもらいたいと考えて、沢山の希望と安らぎ、ロマンスや躍動を作品に込め、展覧会の表題も「SUN」としました。楽しんで鑑賞して欲しいですし、作品が皆さんに喜びや発見をもたらせば嬉しいです。そして、誰かがデートで片思いをして、私の絵の前で恋に落ちてくれることを願っています。

伊勢丹チーム、そして携わってくださった関係者の皆さん、どうもありがとうございます。私は本当に幸運だと思っていますし、ロンドンから展覧会の開催をお祝いします。愛を込めて。

日本初となるFaye Wei Weiの個展は、伊勢丹新宿店 本館2階 イセタン ザ・スペースにて開催。コロナ禍のロンドンのスタジオで、「困難な状況下で絵を描く喜びを感じながら製作しました」という今回の展示作品は、過去に来日した際の記憶からインスピレーションを受けた新作を含む計33点。一挙に作品を見る事のできる特別な機会だ(新作を含む展示作品の一部は購入も可能)。彼女の作品の世界観に合わせた家具やインテリアを「Objet’d art」がコーディネート。アトリエやダイニングのような空間に作品が並び、アートのある暮らしをイメージしやすい展示となった。

過去の大型作品も併せて展示され、彼女の心境の変化が垣間見られる展示になった。
3月26日(金)までの貴重な機会、ぜひ会場に足を運んでほしい。
Faye Wei Wei
イギリス在住のアーティスト。名門と言われるイギリスのスレード美術学校を卒業した後、特定の神話的なテーマを暗示した作品を多く手がける。絵画のプロセスを、実際の空間と絵画的な空間の間の親密な振り付けと位置付けており、作品からは詩の中にみられるような感情的なリズムも読み取ることができる。

「Faye Wei Wei solo exhibition 'Sun'」
□開催期間:2021年3月14日(日)~26日(金)
□開催場所:伊勢丹新宿店本館2階 イセタン ザ・スペース

公式インスタグラム:@isetan_the_space

 

「イセタン ザ・スペース」のショップページを見る

Text:Rio Hirai

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