伊勢丹新宿店のTOD'S論
〜BAG&SHOESバイヤー対談編~

伊勢丹新宿店のTOD'S論〜BAG&SHOESバイヤー対談編のメインビジュアル

ラグジュアリーブランドというと手が届きづらいイメージが先行しがちですが、普段のライフスタイルにも取り入れやすいアイテムについて、伊勢丹新宿店の視点からブランドの魅力を発信したいとスタートした連載企画。取り上げるのはイタリアのクラフツマンシップを代表する<TOD'S/トッズ>です。今回はプロダクトのこだわりを細部まで知り尽くすバイヤー対談をお届けします。

記事内でご紹介する商品の伊勢丹新宿店での展開場所は下記となります。
□伊勢丹新宿店 本館1階 ハンドバッグ・財布/トッズ
□伊勢丹新宿店 本館2階 婦人靴/トッズ

  • 上野 翔太さんの画像

  • 上野 翔太(うえの しょうた)

    伊勢丹新宿店 ハンドバッグバイヤー

    2008年伊勢丹入社。直近はジュエリー・ウォッチ領域のバイヤーを担当し、商品開発から店舗作りまで幅広い業務に携わる。趣味は車とバイクとアウトドア。

  • 笠井 栞さんの画像

  • 笠井 栞(かさい しおり)

    伊勢丹新宿店 婦人靴バイヤー

    2014年三越伊勢丹入社。入社以来、伊勢丹新宿店の婦人靴・ハンドバッグ領域の販売からアシスタントバイヤーまで計8年半担当し、2025年から婦人靴バイヤーに。趣味はコスメリサーチ。

ファッションコンシャスな方も注目し始めている

—世の中は<トッズ>に対してどのようなイメージを抱いていると感じていますか。

上野さんの対談画像

上野:クラフツマンシップを高く評価されることが多いので、プロダクトを見る目が成熟した大人の女性が持つブランドと思われているような気がしています。

笠井:シューズに関しては<トッズ>といえばドライビングシューズの「ゴンミーノ」という印象が強く、トレンド感を反映したデザインも揃っていることはあまり知られていないかもしれません。

—「<トッズ>は本当はこんなブランドです」と発信したいことは。

上野:職人技術に裏打ちされたクオリティは間違いないのですが、それだけではなくデザイン性も秀逸です。徐々にではありますがファッションコンシャスな伊勢丹新宿店のお客さまにも届き始めているように感じています。

笠井:婦人靴はハンドバッグ以上にコンサバと思われがちですが、シューズからスタートしたブランドだけにどれもが気が利いています。

—気が利いているとは?

笠井さんの対談画像

笠井:小技が効いているんです。履きやすさ、歩きやすさの工夫が随所に盛り込まれていて、だからといって機能に振りすぎていることもない。ファッション感度の高いローファーやサンダルも実用性は抜群です。

—<トッズ>の魅力が少しずつ届き始めていることで、来店されるお客さま層にも変化はありますか。

上野:伊勢丹新宿店では「初めてのラグジュアリーブランドのバッグ」として20代のお客さまは明らかに増えています。<トッズ>の魅力のひとつがコスパの高さで、品質は優れていながらラグジュアリーブランドのなかでは価格も抑えめで、そこも若い世代が関心を持ち始めている理由だと思います。

—婦人靴のお客さまはどうですか。

笠井:ローファー人気の高まりを受け、<トッズ>への注目が集まったことが転換期にもなっていて、30代からも選ばれるようになりました。ラグジュアリーのカテゴリーでも手に取りやすい価格というのをお客さまも感じているようで、そこはバッグと同じです。

—伊勢丹新宿店ではどういうお客さまが<トッズ>を選ぶ傾向にありますか。

笠井:「オンもオフも兼用できるラグジュアリーブランド」をお探しの方は<トッズ>を選ばれています。ロゴの刻印やプレートはラグジュアリーブランドのアイコンですが、<トッズ>はそこも主張は控えめです。なのでビジネスシーンでも合わせやすいと思います。

上野:「新社会人のお祝い」や「キャリアアップの第一歩」など、持っているだけで満たされるような自分へのご褒美というのもあると思います。ただ、同時に実用性、機能性も重視したいという方は<トッズ>を選択されることが多いです。

毎日のどんなコーディネートにも寄り添ってくれる

—それぞれバイヤーという立場で<トッズ>の魅力を語るとしたら。

上野:デザイン性と丁寧な作り込みのバランスが上手なブランドだと思います。要素はあれこれ盛り込まずに引き算の美しさが表現されていて、デザイン、素材、丈夫さ、価格など好バランスのレーダーチャートが完成するのが<トッズ>です。

笠井:婦人靴のバイヤーという視点から語ると「間口が広いブランド」という印象です。アイコニックすぎるとシーンも限られますが、<トッズ>はシーンを選ばないデザインが多いのでお仕事の靴をお探しの方からカジュアルスタイルに合わせる靴をお探しの方にまで提案しやすいです。

—デザイン性と実用性のバランスの良さはバッグもシューズも共通なんですね。

笠井:デザインを気に入ったとしても10万円を超えるシューズって簡単には選べないと思うんです。だからこそ快適な履き心地も備えた<トッズ>はおすすめしやすいです。「少し高価かもしれないですが、きっと毎日でも履きたくなります」とお客さまには自信を持ってお伝えできます。

トッズのアイテムが並んだ画像

上野:今日はモードだけれど、明日はコンサバで、さらに翌日はエレガントというのが多くの女性の毎日だと思います。それでもその日のスタイルによってバッグを持ち替える、シューズを履き替える必要がなく、どんな装いにも寄り添ってくれるのが<トッズ>の魅力ではないでしょうか。

—<トッズ>のモノづくりの方針はこれまで大きく変化はしていないのでしょうか。

上野:数年前に新しいクリエイティブディレクターが就任したのですが、路線変更は見られません。3代続く靴工房を前身としたモノづくりに重きを置いてきたブランドのため、これまで積み重ねてきたクリエイティブの方針をすごく大切にしています。

—ブランドとしての考え方が確立しているんですね。

上野:ベーシックなアイテムが充実しているので長く付き合っていけるブランドとも言えます。

—バイヤーとしてではなく、一人のファッション好きとして<トッズ>をどのように見ていますか。

上野:どんなコーディネートにも馴染むので、<トッズ>を選ぶ楽しさはそこに尽きるだろうなって思います。

笠井:シューズは履きたくなるような見た目の可愛さ、おしゃれさも大切ですが、それだけを優先するわけにはいかなくて、履きづらい、歩きづらいというのは私自身も避けています。コーディネートにも取り入れやすくて、お出かけしたくなるような快適さもあって、本当に「便利」という表現がぴったりなのが<トッズ>です。

—笠井さんは婦人靴バイヤーですが<トッズ>のバッグをどう思いますか。

笠井:お仕事でも持ちたいし、プライベートでも活用したいバッグが多いと思います。パンチングのバッグはデザインとしてはオフ仕様かもしれませんが、上品な表情は上質な素材や丁寧な作りならではで職種によってはお仕事バッグとしても活躍するはずです。

—個人的に購入を考えているアイテムはありますか。

笠井:トレンドとしても注目されているバッグストラップのシューズです。バックストラップはコンサバな印象になりがちなのですが、丸みを帯びたトゥとフラットソールにすることでカジュアル感が生まれています。ストラップは一部がゴム仕様になっているので脱ぐのも履くのも楽ですし、インソールにクッションが仕込まれているのでフラットでも足裏に響くこともありません。本当に履く人のことを考えて作られたシューズだなって感じます。

上野:細かいことではありますが実用性はバッグでも感じることは多いです。2WAYのためのストラップが必ず付属されていたり、肩掛けもできるけれどもたつきのない絶妙な長さのハンドルだったり、オールレザー製でも<トッズ>はとにかく軽いです。

<トッズ>らしさはそのままに進化を期待したい

—<トッズ>の魅力をさまざまな視点で語っていただきましたが、どのような方におすすめしたいですか。

上野:使いやすさや持ちやすさを実感していただきたいので「自分にはまだ早いかもしれない」と躊躇されている若い世代も、ぜひ店頭で実物を手に取っていただきたいです。<トッズ>は素材使いの巧さには定評があるので、ラグジュアリーブランドの上級者の装いとも釣り合いが取れますし、格負けすることはありません。

笠井:<トッズ>の履き心地の良さはラグジュアリーブランドの入門編としても適しています。一方であらゆるファッションを通ってきたような方にもおすすめしたいです。アッパーにスリットが入っていて、踵を覆うパーツもないシューズは脱げやすそうですが、<トッズ>はスタイリッシュな見た目と足を包み込むホールド感を同時に叶えていて、それこそが技術力の証です。上質なモノ、優れているモノを常に求めるおしゃれ上級者でも間違いなく満足できるはずです。

—持ちたくなるバッグ、履きたくなるシューズだとしたら<トッズ>のコレクションを買い足していくファンも多いですか。

笠井:リピーターはすごく多いです。

—オンからオフまで万能だとは思いますが、<トッズ>が特に絵になるシーンは?

上野:「ラグジュアリーな大人の休日」です。ラグジュアリーと言っても贅沢に過ごすというわけではなく、余裕とゆとりを感じられるオフというイメージです。だからと言ってリラックスしすぎているわけではなく、緊張度もちょうどいい感じです。

—バイヤーとして最も<トッズ>らしさを感じるプロダクトはありますか。

上野:テクスチャーが際立つアイテム全般ですね。スエードはなめらかで、ラタンはしなやかで、スムースレザーは艶やかで、素材の表情の美しさ、奥深さが<トッズ>らしさです。デザインに関しては引き算かもしれませんが、素材の仕上げに関しては足し算のように思います。

—アクセサリーのようなものもあるんですね。

上野:職人気質ではあるのですが遊び心があるのも<トッズ>の魅力で、ブランドを代表するドライビングシューズをモチーフにしたチャームもラインナップされています。底面には凹凸がしっかり再現されていて、こういうところも手を抜かないのはさすがです。

—婦人靴は新アイコンになりそうなものはありますか。

笠井:新顔のヌバックミュールは、今の<トッズ>らしさを感じます。アッパーがローファー風なので、サンダルでも品位を感じさせます。靴底にはグリップ力を高める凹凸が健在で、ブランドを代表するシューズデザインをカジュアルなアイテムに落とし込んで融合するのも<トッズ>は上手だと思います。スライドサンダルのカラーバリエーションは淡いトーンが揃っていて、コーディネートに自然と溶け込むカラーパレットも計算だと思います。

—伊勢丹新宿店で<トッズ>を選んでいるお客さまのファッション観に特徴のようなものがありますか。

上野:ラグジュアリーブランドの場合、お客さまのファッション観にはある程度の共通点があるのですが、それが特定できないのも<トッズ>なんです。マニッシュなパンツスーツにも合いますし、白シャツ&デニムでもサマになります。

笠井:デザインやテイストの好みで分類すればカジュアル、モード、メンズライクなシューズをお求めになるお客さまが多いかもしれません。バッグと同じようにお客さまは幅広いのですが、自分らしさをファッションで表現できる方が<トッズ>に来店されていると思います。

上野:「ファッションをアクティブに楽しむ」というのがバッグとシューズのお客さまの共通項かもしれません。

—<トッズ>はシーンも用途もコーディネートも選ばず、ライフスタイルに全方位で対応するポテンシャルを秘めているんですね。

上野:ユーザーやマーケットには寄り添うけれど時代に迎合しすぎることなく、<トッズ>はこれからもずっと<トッズ>であり続けるような気がします。

笠井さんの対談画像

笠井:変わらないこともありながら、変えていくべきこともきちんと見極めて、素材でもデザインでもアップデートしていくのが<トッズ>です。リアルなラグジュアリーの代表格だと個人的には思っています。

制作 STUDIO ALTA