バイヤー鏡陽介×世界の職人たち
2019/12/2 UP
―「モノ」を誂える場から「個性」を誂える場へ―
をコンセプトに、時代と場所を超える、真の身嗜みを提供する売場へと2019年8月14日(水)にリフレッシュオープンするパーソナルオーダーサロン。国内外の一流ブランドのオーダーメイドからレディトゥウェアにいたるまで、幅広いアイテムを展開。ソーシャルからオン、オフすべての場に対応し、新の紳士の身嗜みをトータルで提供します。
このコーナーでは、バイヤーの鏡が独自の審美眼でセレクトしたブランドのアルチザンやテーラーとモノ作りのこだわりについて対談し、「誂えることの喜び」を伝えていきます。
第5弾は〈RICHARD ANDERSON(リチャード・アンダーソン)〉のピーター・スミス氏との対談をお送りします。
鏡 〈リチャード・アンダーソン〉のブランドの歴史を教えてください。
ピーター 〈リチャード・アンダーソン〉はハンツマンでキャリアを積み、若干34歳で史上最年少のヘッドカッターに就任しました。その後、ハンツマン時代の同僚であるブライアン・リシャクと共に独立し、自身の名を冠したテーラー〈リチャード・アンダーソン〉をウェストエンドで2000年に設立しました。設立当初は北米のお客さまをトランクショー中心にビスポークをとっていましたが、2001年にサヴィルロウにて店舗をオープンしました。
ブライアン・リシャクは、サヴィルロウで60年間テーラーの仕事に携わっている重鎮です。
鏡 スミス氏の販売職としての経歴を教えてください。
ピーター 学生時代から友人のつてで土曜日だけ、〈ギーブス&ホークス〉で働いていました。その時、字が綺麗だという理由から様々な仕事をもらうことが出来、1984年にギーブス&ホークスに販売職として入社しました。その後、1995年にハンツマンに転籍し、その時にリチャード、ブライアンの2人と出会いました。2013年には〈リチャード・アンダーソン〉へ転籍しました。
鏡 販売のプロフェッショナルとしてのこだわりや想いをお聞かせください。
スミス お客さまとの密接な関係が商売につながっていると感じています。
一つの例ですが、シカゴからサヴィルロウの店にいらっしゃったお客さまがヒースロー空港に向かっている途中でパスポートがないことに気付き、私共にお電話を頂きました。試着していたジャケットのインナーにパスポートを入れ忘れてしまったのです。もちろん私はタクシーに飛び乗ってパスポートをお届けしました。
また、私たちのお客さまは服飾業界、政財界、ミュージシャンなど様々ですが、3世代に渡って仕立ててくださっている方が数多くいらっしゃいます。お客様との密接な関係性こそが私たちの一番の強みだと思っています。
鏡 〈リチャード・アンダーソン〉のスタイルを教えてください。
スミス サヴィルロウのどこのテーラーもオリジナルのスタイルを持っています。私たちのハウススタイルは1つボタンのタイトフィッティング、ハイアームホール。準礼装とスーツの中間のようなイメージです。
鏡 〈リチャード・アンダーソン〉と、他のテーラーとの違いはどんなところですか?
スミス リチャード・アンダーソン本人が強烈なまでのタレント性と、抜群のセンス、そして熟練のテクニックを併せ持っています。リチャードのカッティングは明らかに彼が製図したものと一目で分かります。そして、どのテーラーのスーツよりも着ていて凛とします。姿勢が正されるとも言えるかも知れません。それが伝統と革新的なクリエーションが融合された〈リチャード・アンダーソン〉独自のスタイルとなっています。
鏡 本日はありがとうございました。
紳士ファッションフロアでは、男のこだわりとトレンドを感じさせる上質なデザインや、現代を生きる紳士のニーズを満たす多彩なワードローブが集結。お客さま一人ひとりのさまざまなシーンを彩る、上質かつエレガントなアイテムをご提案します。
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