バイヤー鏡陽介×世界の職人たち
2019/12/9 UP
―「モノ」を誂える場から「個性」を誂える場へ―
をコンセプトに、時代と場所を超える、真の身嗜みを提供する売場へと2019年8月14日(水)にリフレッシュオープンするパーソナルオーダーサロン。国内外の一流ブランドのオーダーメイドからレディトゥウェアにいたるまで、幅広いアイテムを展開。ソーシャルからオン、オフすべての場に対応し、新の紳士の身嗜みをトータルで提供します。
このコーナーでは、バイヤーの鏡が独自の審美眼でセレクトしたブランドのアルチザンやテーラーとモノ作りのこだわりについて対談し、「誂えることの喜び」を伝えていきます。
第6弾は〈N.H.SARTORIA(N.H.サルトリア)〉のフェデリコ・チェスキ氏との対談をお送りします。
鏡 〈N.H.サルトリア〉を立ち上げたきっかけを教えてください
フェデリコ 2003年に私がクリエイティブディレクターとして、テーラーのドメニコ・ボンビーノ氏と組んで、立ち上げました。ドメニコ氏はプーリア生まれで、ミラノのトップテーラーと並び称されたテーラーです。
鏡 フェデリコ氏の経歴を教えてください。
フェデリコ 私は1986年から1995年までクチュールブランドでコマーシャルディレクターを務め、1996年から2002年までファッションのコンサルタントビジネスをしていました。ドメニコ氏とはそのクチュールブランドで働いていた時に出会いました。
鏡 〈N.H.サルトリア〉と、他のテーラーとの違いはどんなところですか?
フェデリコ 私たちは、大見返し(ジャケット裏仕立ての作り方を出来るだけ裏地を排して作る仕立て方)のアンラインド(裏地なし)スタイルにこだわりがあります。なぜならば、外から見えるところだけではなく、中も手を抜かないからです。中をオープンにすることによって徹底した品質をアピールしています。このスタイルはもともとドメニコがやっていたもので、クチュールブランドに在籍していた時にも打ち出していました。
それと、ディテールにもこだわりを持っています。袖山はややビルドアップですが、肩傾斜をつけることによってナチュラルに。ゴージラインは湾曲に刻み、上衿と下襟のバランス(ダブルブレストの上衿と下襟の間にも絶妙なバランスの空間があります)にも気を配っています。ポケットは、水平フラップのチェンジポケット付き。一つひとつのディテールにこだわることを大事にしています。
鏡 フェデリコはどうやったら格好良くなるかのコツを抑えていますよね。今日のスタイルのポイントはありますか。
フェデリコ 〈N.H.サルトリア〉はスーツがメインのブランドですが、今日はあえてジャケット+パンツのスタイルにしました。ジャケットは〈N.H.サルトリア〉らしい大見返しのアンラインドスタイルですが、それに合わせてネクタイも軽めのものを選びました。私は着心地が良いアイテムが好きです。着用していて体の一部の様に感じられるからです。大量生産では、私たちが作るような一体感を出すことは出来ません。
鏡 「ポケットのフラップは収納し、チェンジポケットのフラップは外に出す」というスタイルをいつもされていますが、どういう意味があるのですか。
フェデリコ チェンジポケットを強調するために2つのポケットのフラップは収納しています。フラップが3つ全て出ていたら、「トゥーマッチ」ですね。
鏡 そのあたりのバランス感覚も素晴らしいですよね。本日はありがとうございました。
#7 coming soon
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