美術
2021/07/12 UP
江戸末期から明治期の限られた時期に、主に外貨獲得、輸出目的のために制作された明治期の工芸品。
今、その高い技術と驚くべき繊細さで、「超絶技巧」の名で呼ばれるようになり、評価が見直されています。
今回は人気の高い並河靖之の作品から七宝、漆、金工など優品12点を展覧いたします。
並河靖之
菊花文七宝飾壺
寸法:高さ8.2㎝
並河靖之の独特の色であるトルコブルーを背景に、数種類の菊の花が全面に描かれています。
この飾壷は同じデザインで色違いの作品が数点製作されており、当時人気のモチーフであったことが分かります。蓋についている菊の蕾の形をした摘みは並河のほとんどの飾壷に使われています。
並河靖之
紫陽花に鳥図飾壺
寸法:高さ8㎝
紫陽花は並河靖之が好んで使ったモチーフで、黒を背景に白や濃淡をつけた青やピンクの釉薬によって、花びらを微妙なグラデーションで見事に表現しています。
裏面には芙蓉や桔梗、菊などの秋草に二羽の雀が飛んでいます。
小ぶりな作品ですが、肩の花唐草模様も細密で、並河の全盛期の作品です。
並河靖之
花蝶図花瓶
寸法:高さ9.4㎝
京都生まれの並河靖之(1845~1927年)は国内外の博覧会で受賞を重ね、明治29(1896)年には帝室技芸員に任命された、明治時代を代表する作家です。
花瓶の背景には並河が開発した黒色透明釉が使われ、蝶の白や花の薄いピンク色を美しく見せています。
※数量に限りがある商品もございますので、品切れの際はご容赦ください。
※価格はすべて、税込です。
その他のニュース