美術
2022/03/28 UP
私たちは何かを見る時、無意識に見ているつもりが何かに影響を受けていて、それを自覚しないまま当たり前に見て過ごしている。水面を揺れ動き変化する虚像とも実像とも区別がつかない風景を、 どちらなのか区別できるわけでもなく、ただ漠然と眺めているのだ。どんなことも当たり前に起きることはなく、何かと何かが繋ぎ合わさり、影響し合い、 出来上がっていく。その過程で起こる見えないことを、想像してみる。
絵の中でまったく別のもの同士を繋ぎ合わせることでどんな可能性が生まれるのか探りながら描いてみる。
その重なり合いから意味が生じた時、偶然から必然に変化するのかもしれない。世界はそんな様々な可能性に満ちているし、その時どんな物語が生まれるのか見てみたい。
目の前にあるものを、 別のフィルターを通して見ると、実はそのすべてを見ていなかったことを自覚するかもしれない。本当はそこにあったけれど見えていなかったことに気付いてしまったら、もう無かったことにはできない。
私たちは何に翻弄されて、これから何処へ向かうのか。
複雑で多様なこの世界で、たくさんの見えないことを想像しながら世界の見え方を探してみたい。
全民玉
デジタルカタログは下記よりご確認いただけます。
〈 全民玉 Minok Choun 〉
1980 東京都生まれ
2006 東京藝術大学美術学部絵画科油画專攻卒業
2008 東京藝術大学大学院美術研究科絵画專攻修士課程修了
一個展
2008 「全民玉展」谷門美術,東京
2010 「全民玉展」谷門美術,東京
2016 「始まめの風景 その先の風景」新生堂,東京
2018 「Layer」新生堂,東京
2021 「光をすくう」新生堂,東京
一受賞
2004 東京藝術大学安宅賞
2005 東京藝術大学 高橋芸友会賞
2008 東京藝術大学修了制作 帝京大学買い上げ
2014 新生絵画賞展 優秀賞
2019 第2回枕崎国際芸術賞展大賞
2020 第1回三越伊勢丹千住博日本画大賞展大賞
曖昧な境界線 | F60号
825,000円
漂流 | F100
1,045,000円
世界を見るための道具 | 6号
165,000円
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