美術
2022/4/4 UP
この世界はどのようにできて、どのような姿をしているか。私達はどのように生まれたのか。遠い空に見える光の正体は何か。
そのような疑問に対し、科学が未発達な時代には、人々は想像と 実際に観察できる事柄を組み合わせて仮説を立てました。世界は神が創造したと考えられたり、人は粘土から作られたとされたり、 星には人や動物の姿が与えられ、神話によってその関係が説明されたりしました。現代から考えれば有り得ないものでも、それらは当時における疑いようのない真実でした。
現在の私たちの科学的な世界観に至るまでにはそうした多くの仮説が生み出され、更新され、古びていきました。現在私達の信じ ている世界もあくまで一時的なもので、いずれ変わっていくのでしょう。
私がモチーフにしているのは、こうした一時的な (=transient) イメージたちです。歴史の下層にあるものも現在の礎になり、今に影響しているように、絵画上の図像たちは搔き消したり上書きしたりし合いながら共存しています。当たり前に見ているものの裏にはそうした積層があり、その蓄積が垣間見えるような作品を作りたいと考えています。
熊倉涼子
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