美術

吉野もも「Make It Simple」

このページをシェアする

2022/2/5UP

日本橋三越本店では初となる吉野もも氏の個展を開催いたします。

吉野氏は光と影を巧みにアクリル絵具で描きわけ、その絵が空間に影響することで私たち鑑賞者が存在する3次元をも取り込み、拡張していくようなトリッキーな絵画を制作しています。

制作を重ねている「Kami」シリーズの作品は「折り紙」をモチーフとしており、日本人であれば多くの人が幼少期に1度は遊んだ記憶のある日本独自の遊びです。近年では世界的にも「Origami」として認知され、あらゆる人々を繋ぐコミュニケーションツールにもなっています。

この折り紙のルーツを紐解いていくと、元来は神事において供物や贈り物を包むということから派生しています。室町時代に入ると、包みを美しく折って飾る儀礼折が生まれます。そして江戸時代に入ると礼法や決まりなどからは離れ、紙も量産されたことで庶民にも親しまれるようになります。この折り方自体が楽しまれるようになったのが現在の「折り紙」です。

また折り紙の空間の捉え方に目を向けると、四角い形から様々に折って形を変容させることができる点は、日本建築の畳を敷く、障子で仕切るという自由な空間性と柔軟性を折り紙にも同様に見て取ることができます。

そして「Kami」シリーズに関しては“紙”と“神”というダブルミーニング的な意味あいを持たせており、ない場所に奥行きを観るということと、存在しない対象つまり森羅万象に畏怖の念を抱いて拝むという行為に類似性を見出しました。このような背景を引用しつつ、“ある”と“ない”の狭間の状況を感じるような作品の制作に昇華させています。

今展のタイトルでもある「Make It Simple」。「simple」 のラテン語の語源がsim:一回、ひとつ plico / plicare:折る、畳むという意味であり、まさに今回制作する新作が、シンプルな形を中心としているということと、一度、単純な要素に立ち戻って制作したいという自分自身への投げかけのようなものと吉野氏は語っています。

 

 

 

 

折り紙をモチーフにした「Kami」シリーズは、日本における‘空間’の概念的な特徴として、シンプルな色面から様々なかたちに変容させる柔軟性を持っていることに着目し制作している。今回は、折り紙に一、二度手を加えてできる単純なかたちを元にした新作を中心に発表する。平面から絵が立ち上がってくる気配、そこに空間が生まれるさまを見つめてみたい。
描かれたものが立体的に感じられるということは、そこに在るように想定される領域にまで絵画が及んでいる、と言うことができると考えている。絵の一部の粒子のようなものが画面から飛び出して、漂い、空間と干渉し合いながら、絵画は拡張していく。日本には古代から、自然や何か見えない存在を信仰してきた精神性がある。その「見えないけれど何か在る」ような状態を、ひろがっていく絵画の存在によってつくり出す。

 

                                                           吉野もも

 

吉野 もも Momo Yoshino

 

1988 東京都生まれ

2012 多摩美術大学 絵画学科 油画専攻 卒業

2014 イギリス ロイヤルアカデミースクールファインアート科 交換留学

2015 東京藝術大学大学院 美術研究科 油画専攻 修士課程 修了

 

個展

2019 into the Painting (Luxelakes・A4 Art Museum International AIR Base、成都、中国)

2018 being (rin art association、群馬)

2017 Metamorphose (SHOWROOM、台北、台湾)

2015 Transformation (Hasu no hana、東京)

2013 間 (Hasu no hana、東京)

   空と実(くうとじつ) (Gallery APA、愛知)

 

主なグループ展

2022 Encounters in Parallel (ANB Tokyo、東京)

   アルスくんとテクネちゃん パラレル・アートパーク(バーチャル渋谷区立宮下公園)

2020 天王洲アートフェスティバル2020 (天王洲、東京)

   アートプロジェクト高崎 (高崎、群馬)

2019 画のなかとそと (ANAインターコンチネンタルホテル東京、東京)

   正しい歪み方 (KOGANEI ART SPOT シャトー2F、東京)

2018 多摩美術大学助手展 (多摩美術大学アートテーク、東京)

2017 A LITTLE WEIRD (ISETAN The Japan Store KUALA LUMPUR、クアラルンプール、マレーシア)

2016 台湾・日本・現代絵画の未来と可能性 (東京藝術大学大学美術館陳列館、東京)

2015 黄金町通路 再訪 (黄金町 高架下スタジオSite-Aギャラリー、神奈川)

   PAPER DRAWINGS (ギャラリーなつか、東京)

2013  吉原芸術大サービス (吉原神社他、東京)

   ハギエンナーレ2013“Third Life” (HAGISO、東京)

   CONSTELLATIONS (Blanc Gallery、マニラ、フィリピン)

2012 黄金町バザール2012 (黄金町、神奈川)

2011 薬局はどこ? ( 旧小林薬局、東京)

 

アーティストインレジデンス

2019  Luxelakes・A4 Art Museum International AIR Base(成都、中国)

 

受賞歴

2015  TURNER AWARD 2014 未来賞

    神山財団 芸術支援プログラム 第一回卒業成果展 神山賞

2014  TURNER AWARD 2013 未来賞

2012  多摩美術大学卒業制作 福沢一郎賞

    GTS AWARD奨励賞

2009  via art 2009 KURATA賞

 

 

 

画像

Kami #76

2022年
90.4×91.0cm 

アクリル絵具、パネル 

 

撮影:木暮伸也 Shinya Kigure

画像

Kami #82

2022年

18.0×42.3cm 

アクリル絵具、パネル

 


撮影:木暮伸也 Shinya Kigure

画像

Kami #43 -lightning-

2018年

123.0 × 116.0㎝

アクリル絵具、パネル

 


撮影:木暮伸也 Shinya Kigure

どこにいても、店頭の商品を、百貨店の接客でおもてなし。
店頭にしかない商品もリモートで購入いただけます。

日本橋三越本店本館6階の最新情報を発信

 

※数量に限りがある商品もございますので、品切れの際はご容赦ください。

 

このページをシェアする

アートギャラリー

アートギャラリー

本館6階 | 美術,宝飾品・時計・メガネ

OTHER NEWS

その他のニュース

小川 剛 特集

小川 剛 特集

5月18日(水) ~ 6月7日(火) 最終日午後5時終了

矢部裕輔 展「君とダンスを踊りたい」

矢部裕輔 展「君とダンスを踊りたい」

5月11日(水) ~ 5月23日(月) 最終日午後5時終了

2022 MITSUKOSHI Art Weeks

2022 MITSUKOSHI Art Weeks

5月11日(水) ~ 5月23日(月) 最終日午後6時終了

工芸の表現 見立ての楽しさ・取り合わせの美

工芸の表現 見立ての楽しさ・取り合わせの美

5月11日(水) ~ 5月24日(火) 最終日は午後5時終了です。

指物師 三代 川本光春展

指物師 三代 川本光春展

5月18日(水) ~ 5月23日(月) 最終日午後5時終了

未来へむかって '22 -大作で描く巨匠展-

未来へむかって '22 -大作で描く巨匠展-

5月18日(水) ~ 5月23日(月) 最終日は午後5時閉場

山田大陶展「日本のやきもの」

山田大陶展「日本のやきもの」

5月18日(水) ~ 5月23日(月) 最終日は午後5時終了です

奥西希生展

奥西希生展

5月25日(水) ~ 5月30日(月) 最終日は午後5時終了

備前 伊勢﨑紳 作陶展 ―winding road―

備前 伊勢﨑紳 作陶展 ―winding road―

5月25日(水) ~ 5月30日(月) 最終日午後5時終了

Night View -青と黒の響き-岩波昭彦展[ 日本画]

Night View -青と黒の響き-岩波昭彦展[ 日本画]

5月25日(水) ~ 5月30日(月) 最終日は午後5時終了

作陶50周年記念上瀧勝治作陶展

作陶50周年記念上瀧勝治作陶展

5月25日(水) ~ 5月30日(月) 最終日は午後5時終了です

木工 髙月國光 展

木工 髙月國光 展

5月25日(水) ~ 5月31日(火) 最終日は午後5時終了です。