美術
2024/07/09 UP
日本橋三越本店では、渡邉泰成氏の初個展「un natural realism」を開催いたします。
渡邉泰成氏は愛知県生まれ。2024年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。不完全な美 - 侘び寂び - という日本特有の概念を軸に、現代の文化や社会問題を主題としたアートワークから、独自の手法で彩色を施した日常的な食器、茶器などの美術工芸品まで幅広く手掛け、現代における陶芸表現を拡張し続けています。近年の活動は COMITE COLBERT AWARD 2022ファイナリスト選出、第 72回東京藝術大学卒業修了作品展メトロ文化財団賞受賞、暁展 -KOGEI competition- 最優秀賞受賞など、今後の活躍が期待されるアーティストの1人です。展覧会タイトル「un natural realism」は、日常における不自然な事象は全て現実であり、作者による想像の世界は常に我々の生きる時代の何処かに存在することを表しています。
自然物と異物の関係性に着目した「vegetables skin series」は、野菜や果物の持つ本来の造形美を覆い隠す不自然で異質な粒の存在があらゆるものを想起させると共に、完成された一つの美を壊し、新たな価値観と存在感を与えています。成熟した現代の消費構造の犠牲となった自然物を土という素材に変え再生させることで消費されることのない存在となり、日常と非日常の境界が曖昧であるというリアリティがそこに表現されています。
会場に同時展開する器作品は、ポップで鮮やかな色彩がシンプルな形状の器にグラフィカルに呼応しその世界観が表現されています。手仕事を重視する工芸において、シルクスクリーンやマスキング、デジタル技法を惜しみなく組み合わせ、作者の美意識を介し視覚化させることで現代における新たな陶芸の装飾表現を実現しています。しかしその本質は装飾がある種の犯罪という考えに対しての反骨と装飾文化と日本のサブカルチャーを軸とした、伝統技法を再解釈した自由な技法での表現によって作者自身がそれらの必要性について自己との対話によって導き出した作品であります。今展ではこれまでの制作の原点に立ち返った新作を多数展覧いたします。ぜひ会場で作品の数々をご覧ください。
略歴
1996年 愛知県生まれ
2021年 愛知県立芸術大学美術学部デザイン工芸科陶磁専攻 卒業
2024年 東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻 修了
現在 金沢卯辰山工芸工房 在籍
受賞歴
2021年 愛知県立芸術大学卒業作品展 買上賞
2022年 16th 藝大アートプラザ大賞 審査員特別賞
公益財団法人 クマ財団クリエイター奨学金第6期生 採択
COMITE COLBERT AWARD 2022 ファイナリスト
2023年 第119回有田国際陶磁展 佐賀県陶磁器工業共同組合賞
TOKYO GEIDAI ART FES 2023 佳作賞
2024年 公益財団法人 クマ財団クリエイター活動支援生」 採択
東京藝術大学卒業修了作品展 メトロ文化財団賞
暁展 -KOGEI competition- 最優秀賞
公益財団法人 現代美術文化振興財団 陶芸家支援助成金第11期生 採択
展示歴
2021年 愛知県立芸術大学卒業制作展 愛知県立芸術大学(愛知)
16th TAGBORT AWORD 渋谷ヒカリエ CUBE8 /1.2.3 (東京)
SDGs×ARTs 十七の的の素には芸術がある 東京藝術大学大学美術館(東京)
酒器展 2021 日本橋三越本店(東京 ,2022,2023)
movie... 元映画館(東京)
2022年 現代作家茶碗特集 日本橋三越本店(東京 ,2023)
The Prize Show!~What's 藝大? ~ 藝大アートプラザ(東京)
COMITE COLBERT AWARD 2022 東京藝術大学大学美術館(東京)
2023年 ぐいのみ展 GALLERY 数寄(愛知 ,2023 )
Body Cover-KUMA experiment- KUMA GALLERY(東京)
旬の工芸 - 技の茶碗展 - 緑ヶ丘美術館(奈良)
TARA JAMBIO ART PROJECT 展 旧粟島小学校(香川)
すきなかたち展 GALLERY 数寄(愛知)
2024年 東京藝術大学卒業修了作品展 東京藝術大学大学美術館(東京)
藝大 Art Journey メトロ銀座ギャラリー(東京)
LIFE with ART 誠品生活 COREDO 室町(東京)
その他グループ展等
助成・協力
公益財団法人 クマ財団
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