美術
2023/5/29 UP
「日本のゴジラを描いた」
元気モティーフを求めている。
それでゴジラに辿り着いた。
絵画のジャンル「日本画」。
日本人の琴線に触れる世界観を描くとそれに近づく。
自国の名称が付いているのだから、
何を描くかが大切。
日本の古い絵画「鳥獣人物戯画」。
日本画のルーツ的絵巻物。
現代の漫画やアニメに似て親しみ易い。
品の有るジョーク混じりの教えが描かれている。
海外から伝来した墨絵に彩色を加えると大和絵になる。
その進化?形が日本画である。
日本画の画材は、文房具店やネットでは入手が難しい。
ぼくは便利なアクリル絵具に頼らずにやっている。
日本画材専門店も最近は随分減ってしまった。
絵具や道具の枯渇。さらにその作り手も離職がすすんだ。
令和時代の今が最後と想い、執着し探している。
高額な画材は青天井で、求めれば求めるほど上が有る。
専門店で「ありません」と聞いてもあきらめない。
追えば人の出会いにもつながり、入手ルートが広がる。
それは創作に影響し、気分が前進出来る。
ゴジラは日本画材で言うと何色か?
昭和ゴジラ=焼群青(黒)。
バーニングゴジラ=橙(赤勝)と美紅。
どちらの色も特別。
ゴジラは怪獣王。
怪獣の善悪理解は人それぞれの感じ方で良いと思う。
ぼくの描くゴジラ絵は、そんな風に見て欲しい。
日本で生まれたキャラクターは、今や世界的スター。
ゴジラは日本らしい世界観なのだろう。
それは海外の人が創り出したゴジラ映画を観ると判る。
日本のゴジラは何となく「間」が抜けている。
「間」は、大抵が大切と説くけれど、
抜けている事で「考えるより感じる」ことが出来る。
子供に人気なのもそこがポイント。
ぼくがゴジラを日本画で描く肝がそこに有る。
さらに言えば日本文化の多くが間が抜けている。
「足りすぎてはならない」事の理解から、
つつましいか否かの基準で淘汰されている。
それに気付くと安心感に包まれる。
ぼくの描くゴジラは、ニッコリだったり、
破潰し尽くすゴジラとなったけれども、
感じた「間の抜け」を描くと楽しい気分になれた。
2019年から絵にしてきた「ゴジラ」。
世界の国々では、人命に関わる問題が山積みな今日。
そんな中、描き続けてこられたのも、
東宝様をはじめ、周りの方々のご尽力やご協力のおかげです。
ありがとうございました。
村上裕二
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