美術

FRAGILE こわれもの

2025年6月25日(水) ～ 2025年7月7日(月) 最終日午後5時終了

2025/06/16 UP

ステートメント

遠いむかし、この地球には恐竜が生きていた。たしかに存在していたのに、私たちはその姿を知らない。死もまた、誰にも平等に訪れるはずなのに、生きている間には触れることができない。私たちの存在も、もしかすると現実味のないものなのかもしれない。

私はこれまで、「こわれやすいいきもの」というテーマで制作を続けてきた。風船や陶器、ガラスでできた、壊れることが前提のような儚い存在たち。モチーフとして多く登場する骨は、恐竜も、人間も、魚も――まったく異なる姿かたちをした生きものたちが共通して持つかたち。骨は、私にとって“いきもの”そのものを象る共通言語のような存在だと思う。

今年から暮らす土地がふたつになり、東京と愛知を行き来するなかで、新たな環境に身を置き、その場所でしか生まれない表現を探る日々が始まった。土を焼き固めてできたそれらは、まるで命の痕跡のようで、壊れやすく、けれど確かにかたちを持って、そこに存在している。

恐竜は変わることができずに滅びたけれど、環境に適応したものたちは、今も形を変えて生き続けている。壊れることは、終わりではなく、変化のはじまり。

生きることは壊れることの連続で、制作スタイルが環境によって変わってきた私自身の在り方も、そんな「適応」のひとつなのかもしれない。守ることでかたちを知り、破ることで自分の輪郭があらわれ、離れることで新しい道がひらける。

私たちもまた、環境の変化に導かれながら、変わることを恐れずに軽やかに生きていけたらと思っている。

FRAGILE

デジタルカタログは下記よりご確認いただけます。

イベントのご案内

【レセプションパーティー開催のお知らせ】

2025年6月28日(土)午後5時～7時

アーティスト来場

※諸般の事情により、予定しておりましたイベントなどが変更になる場合がございます。ホームページまたは店頭でご確認ください。