美術
2025/4/21 UP
ラウル・デュフィは、その鮮やかな色彩と生き生きとした筆遣いで「色彩の魔術師」と称賛され、フランス絵画の歴史で最も重要な画家のひとりとして、現在も世界中のアートファンを魅了し続けています。
デュフィは1877 年にル・アーヴルで生まれ、幼少期は港の船や海岸沿いを散歩する人々を眺めて過ごしました。その後、1900 年にル・アーヴル出身の画家ジョルジュ・ブラックの紹介でパリに移り住みます。当時のパリは社会の変化の瀬戸際にあり、活気に満ちたこの熱狂的な環境が、彼の芸術にインスピレーションを与えました。
また、パリで出会った画家たちもまたデュフィに強い影響を与えました。フォーヴィズムのアンリ・マティス、キュビズムのジョルジュ・ブラックやパブロ・ピカソなど、時代を代表する作家の個性に触れながら、それらを自身の画風にも取り込んでいきました。その結果、印象派のような遠近法と光の描写に富んだ表現とは全く異なる、色彩の強弱と濃淡に特化した独自の風景画を生み出すことに成功、20 世紀のフランスの謳歌を代表する表現として確立させました。そして同時に、デュフィはシャガールやルオーら次世代の色彩画家につなぐ重要な画家となりました。
本展では、デュフィの才能と深い感性、息遣いが伺える貴重な原画作品の数々をご紹介いたします。
ぜひこの機会にご高覧くださいませ。
〈ラウル デュフィ (Raul Dufy)〉
1877 年 フランス・ノルマンディーに生まれる
1895 年 ル・アーヴル市立美術学校の夜間講座へ通学
1898 年 兵役につき翌年フランス西部のヴァ―ジュ地方 ヴァルダジョル滞在
1900 年 エコール・デ・ボザール入学 レオン・ボナに師事
1903 年 アンデパンダン展出品 同展覧会にてマティスやマルケなどと知り合い、フォービスムに傾倒するきっかけとなる
1908 年 ジョルジュ・ブラックとエスタックにて制作活動
1914 年 第一次世界大戦勃発 陸軍郵便事業に従事
1917 年 翌年まで戦争博物館の図書室員となる
1920 年 モンマルトルに居を構える 近隣にはジョルジュ・ブラックが住む
1925 年 「シャトー・ドゥ・フランス」シリーズが国際装飾美術展にて金賞受賞
1943 年 第二次世界大戦の戦火を逃れスペイン国境近くの村に移住
1952 年 ヴェネツィア・ビエンナーレ出品 国際大賞受賞
1953 年 フランス・フォルカルキエにて逝去
デジタルカタログは下記よりご確認いただけます。
ラウル・デュフィ
サーカス / Le Cirque
油彩・キャンバス
60 × 81 cm
※価格はお問い合わせください。
ラウル・デュフィ
ノジャン・シュル・マルヌ / Nogent-sur-Marne
水彩、紙
50 × 65 cm
33,000,000円
ラウル・デュフィ
夜の出発 / Le Départ pour la soirée
グワッシュ・水彩、紙
50.6 × 66 cm
※価格はお問い合わせください。
※数量に限りがある商品もございますので、品切れの際はご容赦ください。
※価格はすべて、税込です。
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