美術
2026/7/31 UP
「記憶をめぐる」
人は、積み重ねてきた記憶を抱えながら、変化し続ける存在です。 表情は変わり、心は揺らぎ、身体にはその瞬間の感情や、これまで 生きてきた時間の痕跡が表れます。
その揺らぎは不安定さであると同時に、「今ここに生きている」という 証でもあります。
情報があふれ、価値観や真実さえ揺らぐ時代の中で、私が信じられる ものは、自分の内側に残り続ける記憶と感覚です。
ふれた手の温度、消えかけた光の記憶、何気ない呼吸のリズム。言葉 にはできない、一度きりの体験は、時間の中で静かに積み重なり、 自分だけの感覚として心に残っていきます。それらは他者と共有する ことのできない、私という存在を形づくる唯一無二の痕跡です。
人は、その記憶を抱えながら、それでも前へ進もうとします。
答えが見つからないからこそ、誰かへ向ける眼差しや未来へ伸ばす 手には、自分の内側にあるものを信じようとする意志が宿ります。
私は、揺れながらも記憶を抱え、前へ進もうとする人の姿を描きたい。 このたびの個展「記憶をめぐる」は、人の揺らぎの中に宿る「記憶の 断片」と、その記憶が支える「信じる力の断片」を、人物画として 描きとめたものです。
作品を通して、皆さまが自身の記憶をたどり、自分という存在を 形づくるものや、心の奥に残る大切な感覚と静かに向き合う時間 となれば幸いです。
坂根輝美
デジタルカタログは下記よりご確認いただけます。
記憶の底に眠る理由
40号S
1,870,000円
※数量に限りがある商品もございますので、品切れの際はご容赦ください。
※価格はすべて、税込です。
その他のニュース