ハーフミラー、球体鏡、LED などを用いて視覚や認識にかかわる光学的作品を制作する。
近年は鏡の歴史とルッキズムについてを研究し、鏡の素材、技法を分解、再構成し「自分が映らない」鏡を制作している。
一方、低密度の固体である超軽量なエアロゲル等、様々なマテリアルを用いながら形状を問わず制作を行う。
《box-ordered 400》 2020 年
アクリル鏡、LED 40.0×40.0×16.0cm
撮影 : 助田喜久
wall-ordered box-ordered
数列を可視化する。
光を反射、透過、屈折という鏡の基本的機能を複合化し、像を作っている。描画を凸面の曲率や光源方向ベクトルに任せ、タブローを保護するカバーや額装を構造体とすることで等倍の列や凸面の収縮率を公比とする等比の列を同一面上に浮かべる。
本作タイトル well-ordered は「秩序だった」に由来する。
《wall-ordered ellipsoid》2021年
ガラスミラー、LED、額縁 35.8×67.8×14.4cm
撮影 : Kenryou Gu
《wall-ordered L-shape》2021 年
ガラスミラー、LED、額縁 39.2×39.2×9.2cm
撮影 : Kenryou Gu
撮影 : Kenryou Gu
mirror in the rough
形状の歪みから鏡像を歪ませる。
溶解炉の中に溶けているガラスの火を落として
坩堝を急激に冷却し、人工物と自然物の
境界のような歪な塊を生む。
銀鏡塗装やアルミ蒸着など、ガラス板から
制作する一般的な鏡の製造方法と同じ工程で、
ガラス塊を鏡にすることで鏡像を歪ませる。
作品タイトルは鏡の原石に由来する。
《spherical mirage building No.1》2021 年
アクリルミラー、ガラスミラー、ステンレスミラー、LED、額縁
φ30.0×16.0cm
撮影 : Kenryou Gu
spherical mirage
視界では捉えられない、鏡によって拡張された世界を、収縮させ可視化する装置。360 度カメラで撮影したものを、ホログラム装置で立体的に再生させている。本作は山梨県北杜市の史跡、梅之木遺跡で復元された竪穴式住居をモチーフにしており、広葉樹林の有機的なフォルムで組まれた住居内部、装置の構造や内部を撮影する行為は、身体の内部をスキャンするレントゲン写真撮影と重なるように思える。作品タイトルは、球形の蜃気楼を意味する。
narcissus telescope
人が鏡に出会う瞬間。
鏡の誕生は、自分自身を水面に映した瞬間から始まったとされる。そのような鏡の起源に触れるギリシア神話 ナルキッソスの伝承から着想した本作。
水面に映った自身の虚像に恋し身を投じたナルキッ
ソスと見守る水仙のイメージを、天体の観測に使用する液体回転鏡をモチーフにした水面に投影した。
作品タイトルは伝承と観測装置を組み合わせたもの。
映像時間:4 分33 秒
技術協力、設計:高野慎太郎( 株式会社Makership)
撮影、編集:助田喜久
《invisible layer creature》2021 年
ABS板、塗料 φ66.6cm
撮影 : Kenryou Gu
invisible layer
見えない層を表面に映す。
銅鏡など金属鏡に分類される魔鏡、
その製法に着目し制作した。
鋳造された鏡面を研磨し続けることで
微細な凹凸が生まれ、反射光に濃淡ができ、
紋様が浮かび上がってくる。その現象を塗装
に応用し、可視の層の画面を作り出した。
表面に重ねられた干渉色は鏡像から色を奪う。
作品タイトルは、鏡面に浮かぶ不可視の層を意味する。
2021 年
井村一登 展 mirrorrim
( 日本橋三越本店コンテンポラリーギャラリー)
撮影 : Kenryou Gu
井村一登 Kazuto Imura [略歴] 2017 年 東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻 修了 2015 年 京都市立芸術大学総合芸術学科 卒業 1990 年 京都市に生まれる [個展] 2023年 井村一登 展 mmmwm ( 日本橋三越本店コンテンポラリーギャラリー) 2022年 Æ/æ(SANLORENZO JAPAN/東京) xnumx(AO Gallery/AGC横浜テクニカルセンター) 2021 年 quaquaqua(DiEGO表参道) 井村一登 展 mirrorrim ( 日本橋三越本店コンテンポラリーギャラリー) [グループ展] 2023年 マツモト建築芸術祭 (信毎メディアガーデン/長野) ここに住めますか? 城戸崎和佐の14.5/30(日本橋の家/大阪) 2022年 第26回友の会展示「サークル活動展2022」(岩宿博物館/群馬) 青山行不尽3:唐詩の道中日芸術家作品特別展(浙江展覧館/中国) Kiaf SEOUL 2022 (COEX 1F, Hall A&B, Grand Ballroom/韓国) 第101回企画展「ガラスにまつわるエトセトラ」 (地底の森ミュージアム/宮城) 村山悟郎 × 井村一登 <重複するイメージ>(アートフロントギャラリー/東京) 国際ガラス年特別企画展2022「ガラスの正体」 (AGC横浜テクニカルセンター) マツモト建築芸術祭 (まつもと市民芸術館/長野) Sense Island - 感覚の島 - 暗闇の美術島 2021 (猿島/神奈川) 2021年 ghostliness (studio Ghost/東京) REAL by ArtSticker DAIKANYAMA ART WEEK (ヒルサイドフォーラム) DESIGNART TOKYO 2021 (サルヴァトーレ フェラガモ 銀座本店) 2020 年 mirror in the rough (ABSship 内ショールーム / 京都 ) 2018 年 “交叉域” 中日芸術家交流展 ( 蘇州金鶏湖美術館/ 中国) 2017 年 京都国際映画祭・アート部門 ( 元・立誠小学校/ 京都) 見立てと想像力 千利休とマルセ ル・デュシャンへのオマージュ展 ( ニュイ・ブランシュKYOTO 内プログラム/ 淳風小学校/ 京都) Rever 2074 ( 東京藝術大学美術館 ) A-Lab Artist Gate (A-lab/ 尼崎市 ) 東京藝術大学修了展 2016 年 wall-order ( 瀬戸内国際芸術祭内プログラム/ 竹の茶室/ 小豆島) ANTEROOM×SANDWICH ( アンテルーム京都) 2015 年 Trafic Site ( 名古屋芸術大学学内ギャラリー ) 京都市立芸術大学制作展 [受賞歴] 2022年 TOKYO MIDTOWN AWARD 2022 アート部門 優秀賞 HOKKAIDO BALLPARK ART PRIZE 2023優秀賞 2021年 NONIO ART WAVE AWARD 2021 審査員特別賞 名和晃平賞 [コレクション] 岩宿博物館 JR 西日本ホテルズ ホテルヴィスキオ富山 塩野義製薬医薬研究センター |
その他のおすすめイベント