<丸山珈琲>スベシャルティコーヒーを拓き、 第一線を走り続ける。

2024.9.13 UP

コーヒーの新しい世界観を打ち出し、啓蒙してきた先駆者<丸山珈琲>。社長の丸山健太郎さんは日本にスペシャルティコーヒーが浸透する前から、いち早く自ら現地へ足を運び、精選した豆を直接買い付け、独自のルートを築いてきた。

カップに注がれるコーヒーのすべてのプロセスに密接に関わる<丸山珈琲>の物語を追いかける。

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<丸山珈琲>がスペシャルティコーヒーの先駆者となるまで

「スペシャルティコーヒー」を語るにゆるぎない存在を放つ<丸山珈琲>の歩みは、社長でありバイヤーの丸山健太郎さんの歩みと共にある。丸山さんは、コーヒー豆の生産国で開催される世界最高位のコーヒー豆品評会「カップ・オブ・エクセレンス(COE)」の国際審査員として世界で最も多く招待される人物。高品質のコーヒーの認識を向上させることを目的とした非営利団体「ACE(Alliance for Coffee Excellence Inc.)」の名誉理事であり、2018年~20年においては日本におけるスペシャルティコーヒーの啓蒙・普及などを目指す「日本スペシャルティコーヒー協会」の会長も務めた。

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代表取締役社長 丸山健太郎さん

1968年生まれ。1991年に軽井沢で喫茶店を開業。焙煎技術を磨き、早くから海外の農園でスペシャルティコーヒーを買い付けてきた。国際品評会で審査員を務める第一人者。

あらためて「スペシャルティコーヒー」の定義を記すと、「生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆丸山健太郎さん 代表取締役社長

1968年生まれ。1991年に軽井沢で喫茶店を開業。焙煎技術を磨き、早くから海外の農園でスペシャルティコーヒーを買い付けてきた。国際品評会で審査員を務める第一人者。

であること。 そして、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること」が挙げられる(日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)*による定義より一部抜粋)。

 

丸山さんのコーヒー人生は、1991年に軽井沢で喫茶店を開業し、店の一角でコーヒー豆の販売したことから始まる。最高の焙煎を求めて技術を磨き、豆の仕入れや卸しも手掛けるようになる。

そして、2000年代初頭。「スペシャルティコーヒー」という言葉すら浸透していない頃だったが、丸山さんはアメリカで催された世界最大のコーヒー展でスペシャルティコーヒーに興味を持ち、今度は素材に着目するようになる。

コーヒー展では、グアテマラでスペシャルティコーヒーのオークションが開催されることを知り、帰国後に国内20社の仕入れ元と協力してオークションに参加。無事に落札に成功し、業界で注目されるように。そこから、世界各地のコーヒー生産地へ足を運び始めた。

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丸山珈琲のブレンド 深煎り(100g) 875円

創業から33年経った今も売り上げ第1位を誇る深煎りのブレンド。大多数の日本人がおいしく感じるようイメージして作られた。コクと苦味、チョコレート感のバランスが秀逸で、スペシャルティコーヒーらしい甘い後味が広がる。

 

丸山さんが店と焙煎所を構えていた軽井沢という場所は、当時、「24区目の東京」と称され、夏の避暑シーズンには銀座の街が移ってくるような華やかさがあった。舌の肥えた人々にとって、これまでのコーヒーとは違う味わいはセンセーショナルなものであり、あっという間に東京へ名を轟かせる。これが東京への進出とつながったわけである。

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<丸山珈琲>では、単一産地・地域、農園単位で味わう「シングルオリジン」を基本に、専任の焙煎士が素材を生かす焙煎を施している。

 

年間約150日以上を海外で過ごし、生産者との信頼関係を築いてきた

丸山さんは、品評会の上位入賞者を中心に生産地へ足しげく買い付けに赴いた。

「年間約150日以上、多い時は180日ほど海外を飛び回っていました。それは目の回る忙しさでしたね。でも、どの生産地でもはるか遠くの国から標高の高い場所まではるばるやって来た僕を歓迎してくれました。花火を打ち上げてくれたり、バンド演奏で出迎えてくれる村もあったなぁ(笑)。訪ねた先で新しい生産者を教えてくれたりして、ネットワークが格段に広がっていきました」

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顔を合わせる回数と時間を重ね、お互いのビジネスプランを語り合う。心を通わせるには、それだけで十分だった。毎年訪ねては買い付け続けることで、生産者と交流を深め、丸山さんにしか入手できないルートを確立してきた。

 

続いて取り組んだのは、高品質な豆を飲み手に伝えることだった。

「標高と土壌の質と品種で大体の味が決まってきます。まるでワインのように、畑の場所や斜面の特性が味の違いに出ることに僕自身がとても感動しました」

その感動を伝えるべく、生産者の特徴が際立つシングルオリジンでパッケージをした。

いい生産者の良質な豆を毎年届け続けることも、「コーヒーは工業製品ではなく農産物である」ということと、生産者ごとの魅力を啓蒙するための取り組みだ。

 

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アグロタケシ ゲイシャ(80g)5,200円

世界有数の標高を誇る農園によるゲイシャコーヒー。きめ細かな質感と、華やかですばらしい甘さと酸味が織りなす至福の味わい。生産量が限られており、現在、アジアで買い付けができるのは<丸山珈琲>だけ。

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ゲイシャアイスコーヒー ペドロ・ロドリゲス ゲイシャ ピンクハニー(1本)6,480円

ハイエンドなゲイシャコーヒーをリキッドで。ジャスミンや柑橘のようなフレーバー。開封してストレートですぐに楽しめる。

 

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バイヤーズセレクション シングルオリジンコーヒー 

<丸山珈琲>のバイヤーが特別な想いで贈る「厳選豆シリーズ」。産地や地域、農園を限定した、同店最上クラスのシングルオリジンをラインナップする。

 

手軽なフレンチプレスを推奨してコーヒーの魅力を伝える

良質なコーヒー豆をいかに手軽に、日常的に飲んでもらうか。それも大きな課題だった。そこで、丸山さんが推奨したのは、フレンチプレスで淹れる手法だ。日本で大々的にコーヒーの淹れ方として普及したのは、丸山さんが初めての人だろう。

「お湯を注いで置いておけば抽出できるので、ドリップより手間が少なく、味のブレも出ません。僕らが扱うコーヒー豆は、いわば半分だけ完成している状態で、ケーキでいえばスポンジとクリームは完璧にできている状態。後は、お客さまが好きなトッピングやクリームを添えて召し上がればいいように、コーヒーの淹れ方は自由です。まずは飲んでいただくことが大事だと考えています」

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豆はよい状態のうちに味わうべし。ドリップより手軽で素材の味が楽しめるフレンチプレスを推奨。

 

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豆を入れ、熱湯を注ぎ、抽出時間4分の計測を開始する。

 

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一湯目は、プレスの半分ほどまで注ぐ。

 

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30秒ほど経過したら二湯目をビーカーの縁から約1.5cm下まで注ぐ。4分経過したら、カップに注ぐ。

 

丸山さんは、今なお現地に足を運び、コーヒーへの情熱を燃やす。カップ一杯に至るすべてのプロセスに密接に関わり、生産者の想いと共に高品質なコーヒーを届け続けている。

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丸山珈琲オリジナル コーヒーバームクーヘン ハード(ホールタイプ) 1,674円

丸山珈琲のブレンドを濃縮したコーヒーとエスプレッソ中深煎りブレンドの粉を贅沢に使用したオリジナルバームクーヘン。コーヒーと一緒に味わうもよし、ミルクと合わせても口中にコーヒーの風味が広がる。

 

Text : Yumiko Numa   

Photo : Yu Nakaniwa , Yuya Wada

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