2023.9.15 UP
ヨーロッパを代表する高級食材店にしてライフスタイル・フードブランド<ケーファー>は、1930年、ドイツ・ミュンヘン郊外で誕生した輸入食料店に端を発する。
現経営者の祖父母であるケーファー家のパウル氏とエルザ氏がスタートし、“品質は熱意から”を信条に、家族経営で世代を経て成長してきた。
ドイツ・ミュンヘン郊外、ボーゲンハウゼンという高級住宅地に構えるケーファー本店。
本店の店内。味に定評のあるデリカテッセンの他、パンや菓子、生鮮食品にワインといった幅広い食料品や加工品を扱う。
写真中央に立つ女性が創業者・エルザ・ケーファーさん。彼女の先見の明と品質へのこだわりが評価されて、大きな発展を遂げた。
デリカテッセンに加え、レストラン事業やケータリング事業においても、高いパフォーマンスでその名前を知られている。
たとえば、ミュンヘンのオクトーバーフェストへは1971年に初めて参加して以来、アヒルからシカの背肉まで、あるいはワインからシャンパーニュまで<ケーファー>のごちそうを提供。会場内に設営されるケーファーのテントは、各界の著名人の集う場所となっている。
ミュンヘンのオクトーバーフェストでもケーファーが手掛けるテントは著名人が集う特別な場所。
ケーファーが手掛けるケータリングの一例。その規模やデコレーションは圧巻。
2006年に行われたドイツFIFAワールドカップの際はVIP向けのケータリングを担当し、過去最大の挑戦をする。なんと12カ所のスタジアムにて、計17万4,000人に料理を提供したのだ。
また、2012年からは、ミュンヘンに本拠を構えるBMWワールドのレストラン運営を引き受け、同社の車を購入するお客様にケーファーの食事が楽しめるように。いくつかのレストランを引き受けているが、そのうちのひとつのレストラン「EssZimmer(エスツィマー)」がミシュランガイドにて二つ星を獲得。ドイツ国内のここという場所、ここぞという時にケーファーあり、なのだ。
ミュンヘンに本拠を構えるBMWヴェルトの車両展示場の上に位置するレストラン「EssZimmer(エスツィマー)」。ケーファーが運営を引き受けており、モダンで独創的な料理を提供。エレガントでプロフェッショナルなサービスでもてなされる。
日本国内においては、<ケーファー>のハムやソーセージがよく知られているが、デリカテッセンが登場してからは惣菜も知られるところとなった。約20種類の惣菜は、基本的に本国のレシピに則って料理しており、ことに歴史あるメニューに関しては、開店の際に本国のシェフの入念なチェックが行われた。
その筆頭に上がるのが、本国で不動の人気を誇る“アーモンドチキンサラダ”だ。鶏むね肉を薄くスライスし、トリュフオイルやレモン果汁、塩、胡椒などが和えてある。全面に覆いかぶさるほどのアーモンドスライスが振りかけてあり、名前にはサラダとあるが、前菜としても活躍する。
アーモンドチキンサラダ レモン&トリュフ風味ドレッシング(日本製/100gあたり)627円
創業時からの惣菜で、本国の一番人気。鶏むね肉にトリュフオイルやレモン果汁を和え、たっぷりのアーモンドを。香ばしさと酸味が口いっぱいに!
食材の組み合わせやその見た目は、ヨーロッパらしさが漂うものばかり。単品で楽しむのもいいが、各種の料理を合わせて食卓に並べれば、ごちそう感がさらにアップ!
ドイツの家庭料理の代表格“アイスバイン”には、定番の“ザワークラウト”を添えたり、おかずに見た目も華やかなサラダを合わせたり。何種類かを組み合わせて、少し特別な食卓を楽しみたい。
ケールと生ハムのサラダ(日本製/100gあたり)692円
近年、開発されたサラダ。日本向けには、生ハム以外にオレンジやナッツ、キヌアなどを加えてボリューム満点に。
ホワイトアスパラガスと生ハムのマリネ(日本製/100gあたり)994円
ドイツの典型的な食材の組み合わせ。炒めたベーコンに粗く刻んだ玉ねぎなど具沢山のドレッシングが添えられる。
アイスバイン(日本製/1本)2,700円
ザワークラウト(日本製/1パック/150g)486円
豚の骨付きすね肉を使ったドイツを代表する家庭料理。ケーファー伝統のレシピで1週間漬け込み、約2時間かけて煮込んでいる。ザワークラウトは、ベーコンの旨味が広がる。リンゴの果汁入りでフルーティーな風味。
ゴルゴンゾーラ香る豚ひれ肉ベーコン巻き(日本製/1個)789円
イタリア料理のサルティンボッカからインスパイアされた料理。赤ワインや香味野菜・スパイスを使ったグレービーソースも美味。
Text : Yumiko Numa
Photo : Yuya Wada