2020.11.11 UP
友達や家族とほおばる時には、迷わず和菓子を手土産に。
もともと和菓子が大好きで、特にお餅に目がないんです(笑)。〈鈴懸〉を最初に知ったのも、季節限定の苺大福にハマったのがきっかけで、そこから『鈴乃〇餅』に出合いました。見た目はミニサイズのどら焼きですが、食べると皮がもっちりとしていて、なんとも言えない食感で。お餅好きの血が騒ぐ和菓子ですね」
〈鈴懸〉鈴乃〇餅(8個入り)1,350円
■伊勢丹新宿店本館地下1階=甘の味
にこやかにそう話すのは、モデルで女優の菊池亜希子さん。お気に入りの〈鈴懸〉の「鈴乃〇餅」は、友人への手土産にはもちろん、家族だんらんのおやつとしても定番だそう。
「上の娘はまだ2歳なので、甘いものはあまり食べないのですが、試しに『鈴乃〇餅』をあげてみたらすごく気に入ったみたいなんです。サイズも小ぶりなので子どもにもちょうどいいですし、家族で伊勢丹に買物に行ったら最後は必ず〈鈴懸〉で甘いものを買って帰る、というのが我が家のお決まりのコースになっています」
モデルを目指し、10代後半で岐阜から上京してきた菊池さんにとって、伊勢丹新宿店は〝東京の象徴〟ともいえる存在だったとか。「当時はデパートに入っているブランドの服をなかなか気軽には買えなかったのですが、いろんな洋服が見たくてよく通っていましたね。結婚して家族ができてからは、今まで足を踏み入れてこなかった寝具コーナーを見るようになったり、昔とは違った楽しみ方をするようにもなりました。そうそう、娘のファーストシューズを買ったのも伊勢丹です。人生の節目に必要なものを家族とデパートに買いに行くことで、それが思い出として残っていく。なんだか素敵な体験だなって思います」
そんな菊池さんと、伊勢丹新宿店で買ったおやつを持って出かけたのは、世田谷区にある豪徳寺。このエリアもまた、独身時代から菊池さんが足しげく通うお気に入りのスポット。
「世田谷線沿いに住んでいる友達が多かったので、昔からよく遊びに来ていました。世田谷八幡宮や豪徳寺でお参りをしてから、なじみの喫茶店でまったり時間を過ごしたり、商店街のたこやき屋さんや中華料理店に寄ったり……基本的に食べてばかりですが(笑)。東京とは思えないほど雰囲気も落ち着いているので、子どもを連れてお散歩するのにもいいんです」
招き猫の発祥の地として知られる豪徳寺では、休憩がてら、木製のベンチに座って「鈴乃〇餅」をぱくり。「う~ん、やっぱりおいしい!」と、思わず笑顔をこぼす菊池さんでした。
豪徳寺で50年もの歴史を持つ〈ドエル珈琲店〉。アメリカンダイナーのような雰囲気の店内にはマスターのこだわりがあふれている。「オーナーのご夫婦には独身の時からお世話になっていて、東京の両親みたいな存在。上の子のお宮参りの時も、この店に両家の祖父母を呼んで、みんなでお茶をしました」(菊池さん)
境内にある三重塔。よく見ると、至るところに猫の彫り物が施されている。何匹いるのか数えてみても。
まずは招福殿にてお参り。「豪徳寺へは今年の元旦に来ました。中に入ると景色の抜けが良くて、空が広く感じられるのが好き」
「 自然が豊かな神社やお寺を散歩すると、気持ちが穏やかになります」と菊池さん。
参道は立派な松の木に覆われ、厳かな雰囲気。
世田谷城主吉良政忠が1480年に亡くなった伯母の名前をとって名付けた〈弘徳院〉という庵にはじまる。1633年頃に世田谷が井伊家所領となったのを機に彦根藩が井伊家の菩提寺と定め、2代目藩主の井伊直孝の戒名にちなんで〈豪徳寺〉と名付けた。
至福の時間。「『〇籠 鈴乃〇餅』はかご入りなので、持ち歩きにも便利です」。
招福殿の向かって左側には、奉納された1000体以上の招き猫が。豪徳寺と猫との関係は、井伊直孝が猫により寺の門前に招き入れられ、雷雨を逃れることができたという「招き猫伝説」による。
招き猫は約2㎝の豆サイズから、約30㎝の尺サイズまで全9種類。
豪徳寺では招き猫のことを「招福猫児(まねぎねこ)」と呼ぶ。左手に小判は持たず、右手を挙げるスタイルが特徴。
菊池亜希子
モデル、女優
1982年岐阜県生まれ。ファッションモデルを経て女優としても活躍。舞台、映画、ドラマに出演。また、文筆家としての顔も持ち『好きよ、喫茶店』(マガジンハウス)『おなかのおと』(文藝春秋)『へそまがり』(宝島社)といった著書も多数。プライベートでは2児のママ
写真:太田隆生
ヘア&メイク:新田美佐子
取材・文:瀬尾麻美
編集:松岡真子