2020.11.8 UP
吉兆に伝わる日本の家庭料理を伝授するシリーズ第4回目。今回<正月屋吉兆>岡田康平料理長に教わるのは、これから脂ののってくるぶりを使った「ブリテキ」です。ぶりをステーキに見立て、とろろと温泉卵をのせた、吉兆らしい華やかな彩りあるブリテキ。食べやすいひと口サイズなので、お子様にもご年配の方にもやさしく、ご家族みなさんに喜んでいただけます。
フライパンで作ると焦げやすく、身がぱさつきがちな「ぶりの照り焼き」。サッと揚げてから手早くたれにからめれば失敗なしです。絶妙な塩梅に仕上がる作り方を教えていただきます。
「甘辛いぶりと大和芋と卵を合わせて食べると口の中でまろやかになって、やさしい口当たりになります」(岡田料理長)
<材料>(2人分)
・ぶり(切り身)・・・1切れ(100g)
・ししとうらがし・・・4本
・片栗粉・・・適量
・サラダ油・・・適量
・温泉卵の黄身・・・1個分
・大和芋のすりおろし・・・大さじ4
A 濃口醤油・・・15cc
A みりん・・・30cc
A 酒・・・30cc
(下準備)
市販の温泉卵を使えば手軽に作れますが、ひと手間かけた吉兆流で作れば格別の味わいに。常温に戻した卵を68℃の湯で25~30分おいて、柔らかい黄身に仕上げます。
<作り方>
1.ぶりは皮を取り除き、3㎝くらいのひと口サイズに切り分けます。
(ポイント)皮が口に残らないように、皮は取ります。包丁を皮と身の間に入れて、皮の先を片手で引っ張るようにすれば、きれいに仕上がります。
(ポイント)食べやすいひと口サイズに。ぶりに包丁の刃を入れたら手前にすーっと引きながら1回で切り分けます。
2.ボウルに片栗粉とぶりを入れて、ボウルごと軽くふり、粉をからめます。
(ポイント)ボウルを軽くふるだけで、ぶりに片栗粉を薄く、満遍なくまぶすことができます。慣れれば菜箸を使うより簡単です。
3.サラダ油を高温(180℃)に熱し、ぶりを入れ、全体が薄く色づくまで揚げて油を切ります。続いて、ししとうがらしもサッと素揚げします。
(ポイント)衣が薄く色づいたらすぐに引きあげます。ここできつね色になるまで揚げてしまうと、ぶりに火が入りすぎてパサパサになるので注意しましょう。
4.フライパンにAの調味料を入れ、強火にしてアルコール分を飛ばします。気泡が大きくなったら、中火にしてぶりを加え、照りをつけるようにたれをからめて仕上げます。
(ポイント)ぶりに衣をつけて揚げることで、たれの味がのりやすく、からめていくうちに適度なとろみがついてきます。
(ポイント)フライパンをふってぶりにたれをサッとからめたら完成。時間が経つと火が入りすぎるので、ここは手早くをこころがけてください。
5.ぶりを器に盛り、すりおろした大和芋、半分に割った温泉卵の黄身をのせて、素揚げしたししとうがらしを添えます。
(ポイント)ぶりの上にとろろと黄身をのせると、華やかな彩りに。いつものぶりの照り焼きと一変、食欲をそそる一皿になります。
とろろと温泉卵を合わせると、さらにとろけるようなやさしい口当たりに。ぶり以外に脂ののったまぐろやカンパチなどでも同じようにおいしくつくれます。ぜひご家庭でお試しください。
東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿店本館7階イートパラダイス
電話 03-3355-6644 (代)
営業時間 昼 平日11:30〜14:00 L.O
土・日・祭 11:30〜14:30 L.O
夜 全日 17:00〜19:00 L.O
※営業時間は変更になる場合がございます。
【教えてくださった方】岡田康平料理長
1992年<東京吉兆>入社。吉兆一筋の料理人人生を歩み、2018年に<正月屋吉兆>の料理長に就任。入店以来心がけているのは「一つの皿の向こうに、一人のお客様がいるということ」。一つ一つ、一皿一皿の仕事を丁寧に、吉兆の味を守り続けている。
▼クレジット
Text:Kanako Kanki
Photo:Yu Nakaniwa