<写真:右>児嶋弘志 アンデルセン 総ベーカー長
<写真:中>上小園結花(かみこその ゆか) 伊勢丹新宿店ブランド担当 ブーランジュリー スタッフマネージャー
<写真:左>森本哲司 アンデルセンファーム 農場長
ここは、島根県との県境に近い北広島町(旧:芸北町)。老若男女に愛されているベーカリーの〈アンデルセン〉が、本社を置く広島県で営んでいる農場〈アンデルセンファーム〉だ。
〝土づくりから食卓づくりまで〟を合言葉に、農薬を使わない栽培を目指し、約10.4haの農場でりんごとぶどうを育てていて、収穫されたりんごはパンや洋菓子、ジャムやジュースなどに、ぶどうはワインに加工され、商品化されている。
「2005年の開場以来、果実栽培に適した土づくりから始め、品種の選定、栽培方法の検討を重ねてきました。現在は『新矮化栽培』という方法でりんごの栽培に取り組み、シナノゴールド、紅玉、グラニースミスの3品種約5300本を育てています」と、森本さん。
シナノゴールド
長野生まれの黄金色のりんご。オリジナルの発酵種の元になる。
紅玉
小玉ながら甘酸っぱく濃厚な味わいが特徴。冬の新商品の主役に!
グラニースミス
欧米では最もポピュラーな青いりんご。酸味が特徴で加工向き。
アンデルセンファームで育ったりんごにはもうひとつ大きな役割がある。それはりんごを使った発酵種になり、そして、「ファーマーズブレッド」になること。その誕生秘話を、アンデルセン総ベーカー長の児嶋弘志さんが話してくれた。
「弊社にはデニッシュペストリーというリッチな看板商品がある一方で、料理の味を引き立て、毎日の食卓を豊かにするおいしい食事用パンも大切にしてきました。ストーリー性を持ち、よりアンデルセンらしい食事用パンの開発を目指して着目したのが、自社農場のりんご・シナノゴールドを使った発酵種です。シナノゴールドは果汁が多く、糖度も高いため発酵が進みやすい利点もありました。りんごを使った発酵種でパンを焼くと風味がより豊かになり、焼き皮は香ばしく、中はしっとりとした食感になります」〝土づくりから食卓づくりまで〟。まさにその想いがギュッと詰まった「ファーマーズブレッド」は、多くのリピーターに愛されるもう一つの看板商品に育っています。
(写真上から3番目)
焼き皮は香ばしく、中はしっとりとした食感で、どんなお料理とも合わせやすい。
〈アンデルセン〉ファーマーズブレッド
1本 540円
デリ エ ブーランジュリー
そしてこの冬、アンデルセンファームのりんごを使った伊勢丹新宿店の限定商品も登場。スタッフとのミーティングを重ね、お客さまからの声をもとに誕生した、アンデルセンファームのりんごの魅力を余すことなく詰め込んだ2つの新商品は、1月から店頭に登場しています。
柔らかなバターロールの生地と大小にカットしたりんごのプレザーブの食感と甘みが楽しめる。半分に分けられてお子さまでも食べやすいサイズ感です。
〈アンデルセン〉紅玉りんごのバターロール
1個 184円
デリ エ ブーランジュリー
カスタードとレーズン、シナモンの風味が効いたちょっぴり大人な味わいのアップルパイ。ぜひ温めてお召しあがりください。
〈アンデルセン〉紅玉りんごのホットアップルパイ
1個 324円
デリ エ ブーランジュリー
写真:伊藤徹也 取材・文:西野入智紗