伊勢丹新宿店 旨の膳・日本橋弁松総本店 店長

森谷その子さん

2020.2.11 UP

若い頃は家族の経営する喫茶店を手伝い、切り盛りしていたという。

「コーヒーなどの飲み物だけでなく、ナポリタンや軽食を用意して近くの皆さんにとって息抜きの場として喜んでいただくような、ごく普通の喫茶店でした」。

味わいだけでなく、そこで過ごした時間で重ねてきた努力がもうひとつあるとすれば、それは訪れたお客さまが、自分の顔を見た時に、「あっ、いた」と安心できるような“いつもの人”でいることだったという。

新しい仕事を探した時の唯一の決め事は、「自分でおいしいと思うものを、自分の言葉で売ることができる店で働くこと」。

江戸時代から日本橋で弁当を作り続けているという〈弁松〉に出会い、試しに買ったお弁当の玉子焼きとごぼうの味わいが、まさに「自分にどんぴしゃ」だったという。

「冷蔵庫の無い時代から、常温で保存できるおいしいお弁当を売り続けるなんてすごいですよね。しかもおいしかったんですよ」。

その驚きや喜びを伝えたいと、現存する中では日本最古の弁当屋の店頭に立って12年が過ぎた。喫茶店からお弁当の販売に生業が変わっても、お客さまへの努力は変わらない。

数百人はいるというお名前を憶えているお客さまにとって、森谷はたとえお弁当を買わない日でも、気軽におしゃべりを楽しめる“いつもの人”であり、また〈弁松〉は今年で創業170年を迎えるが、カウンターに並ぶお弁当の「濃ゆい味つけ」、このいつも味も変わることはないだろう。

休日は電動自転車での散歩&日帰り温泉巡りを楽しみ、最近はトレーニングジムにも通っている。「足のむくみに効果があると期待してるんですよ」とほほ笑む。

〈弁松〉のシンボルカラーは緑。それが誰よりも似合う笑顔の持ち主だ。

 

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ラジオ・テレビパーソナリティー ジョン・カビラさん

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