一つ一つ、手で焼き、手で包み、手でとじる。
どらやきに込めた〈文明堂〉の菓子作りの真髄に迫る。
〈御笠山〉
北海小豆
1個 216円
甘の味
小豆の穏やかで上品な甘さの中にコクが感じられる奥深い味わい。
真一文字に口を結んだように、きちっと耳がとじられたどらやきをふたつに割ると、中にはみずみずしい粒餡がみっちり。パクッとひと口頬張ると生地は驚くほど柔らかく、口溶けはしっとり軽やか。と同時に、小豆の旨みと上品な甘さの餡がしっかりと感じられ、口の中で完璧なハーモニーを奏でる。
「“より餡をおいしく食べるための生地”と“より生地をおいしく食べるための餡”を追求し、食べやすさ、お求めやすさを意識して試行錯誤の末に完成したのが、このサイズのどらやき『御笠山』です」とバイヤー。
2007年6月、伊勢丹新宿店本館地下1階食品フロアのリフレッシュに伴い、〈文明堂東京〉が手がける伊勢丹限定ブランドとして登場した〈御笠山〉。“餡を食す”をコンセプトに、どらやきに特化した商品を展開している。
北海道産の小豆を使用。圧力釜で炊き、手練りで餡に仕上げていく。
仕上げは糖度計で、餡の糖度をチェック。真剣な眼差し。
上/生地は銅板でじっくり蒸し焼きに。
下/直径6.5cmのミニサイズが肝。
ふわふわ生地に丸く餡を絞ってサンド。どらやきらしくなっていく。
親指と人差し指で生地を摘み素早くまっすぐに耳をとじる熟練の技。
焼き、餡絞り、耳とじ、包装まで。
一連の手作業が流れるように完結。
「御笠山」は、伊勢丹新宿店から歩いて10分ほどの場所にある文明堂の新宿工房から、毎日作りたてが届けられている。
定番の「北海小豆」を始め季節限定の味も展開。3月は「塩キャラメル」が登場予定です。
写真:今津聡子 取材・文:西野入智紗