「とらや パリ店」40周年記念菓子発売!  パリでの40年を振り返ります。

2020.9.17 UP

室町時代後期創業の和菓子の老舗<とらや>がパリに渡ったのは1980年。<とらや パリ店>は、今年40周年を迎えます。これを記念して、40年の感謝を込めた特別なお菓子をご紹介します。9月1日(火)より<ピエール・エルメ・パリ>とコラボレーションした小形羊羹「イスパハン」が期間限定で販売開始。また、9月30日(水)~10月6日(火)には、フードコレクションにて「とらや パリ店40周年記念イベント」を開催いたします。

試行錯誤しながら、和菓子がパリの風景となるまではどのような道のりが?時系列で振り返ってみましょう。

このページをシェアする

ph

なぜパリだったのか?

<とらや パリ店>の構想は、先々代の社長、黒川光朝氏が戦後初めて海外渡航した際、パリで受けたインスピレーションから生まれました。「建物の佇まいや歴史、古いものを大切にする精神、人々の気質」が、とらや発祥の地である京都を彷彿とさせ、先々代社長に「もし海外に店を持つならパリをおいて他にない」と感じさせたと言います。「いつかパリで和菓子を通して日本文化を伝えたい」。フランス初渡航から数十年経った1979年、パリで開催された国際菓子見本市「インターサック」にて、和菓子への反応がとてもよかったことが後押しとなり、パリ開業の夢が、長い時間をかけてようやく叶います。

1980年 <とらや パリ店>がオープン。暖簾、小豆、文化の違い

開業当初は苦難もありました。フランスでは豆を甘く煮て食べる文化がないため、小豆を煮るにおいにクレームが入り、餡は日本より空輸することになりました。また、パリ市から暖簾が「広告の一部であり、景観を損なう」と指摘されました。しかし、市の景観委員会に日本文化に精通したフランス人が在籍していたことから「暖簾は広告でなく、店が営業している時に掲げるもの」と認められ、無事掲げることができました。その他にも、羊羹が黒い石鹸と勘違いされたり、抹茶に砂糖を入れる人がいたりと、異文化ギャップが満載のスタートでした。

1984年 「羊羹de 巴里」販売開始。パリでの手応えを感じる

日本と同じ和菓子を同じ手法で販売することが、和菓子にとって、日本文化にとって果たして良いことなのか。大前提として、まずは喜んでいただく、楽しんでいただくことこそ大切なのではないか。パリ店では、現地の人々に喜んでいただく菓子作りに舵をきります。現地の方にも馴染みある食材で、フランスの文化や嗜好を尊重した和菓子にしたいと試行錯誤が続きましたが、その結果誕生したのが、パリ店初のオリジナル商品「羊羹de巴里」でした。カシスやコーヒーなど現地の方に馴染みのある素材を用い、小ぶりな形、色や香りも現地で好まれ、大好評を博します。その後、「ポワールキャラメル羊羹」や「マロン饅頭」などの人気菓子が誕生したのです。中でも、1994年に発売された「夜半(よわ)の月」はリピーターが続出。出来立ての時間に合わせて来店されるファンも現れるほど人気となります。パリ店にとって、フランスで和菓子が受け入れられたことを実感する象徴的な出来事でした。

store

<とらや>ポワールキャラメル羊羹(1個) 486円 

本館地下1階=フードコレクション ※販売期間 9月30日(水)~10月6日(火)

伊勢丹新宿店の催事で今回販売する菓子の一つ。パリ店で誕生したリッチな風味のフランスらしい羊羹。リキュール・ポワールウィリアムスの香る洋梨を飾り、キャラメルの苦味が効いた羊羹とのハーモニーが抜群。

1999年 フランスの「ル・フィガロ」誌の「パリのサロン・ド・テ ベスト30」で2位に選ばれる

1997年には1度目の店舗リニューアルが行われました。全体の建築デザインを手がけたのは、シルヴァン・デュビュイッソン氏で「東洋と西洋の調和」の実現がテーマでした。その2年後、フランスの「ル・フィガロ誌」の「パリのサロン・ド・テ ベスト30」で2位に選ばれます。20年という歳月は<とらや>はフランス文化を、フランス人は和菓子を、単なるブームではなく、相互に理解するのに必要で正当な時間だったと言えるのではないでしょうか。

store

気鋭のフランス人建築家によるデザインは、国内外に大きな反響を呼びました。

2006年 「とらや和サロン」がスタート。様々な日本文化の発信基地に

この頃になると和菓子の販売が軌道に乗り、和菓子教室や製造実演など、より和菓子の理解を深める文化活動を行うようになります。そして和菓子に限らず、日本文化をより総合的に伝えるために「とらや和サロン」が開催されるようになりました。京ふろしきや螺鈿織についての講演や琴の演奏などを実施。現在も日本文化を伝える場所として活動は継続されています。そして、2015年には2度目のリニューアルを実施。全体の建築デザインを手がけたのは、国際的に活躍する気鋭の日本人建築家、田根剛さんです。<とらや>の象徴である羊羹をモチーフにした小豆色の「YOKAN TABLE」が、店内で堂々と輝きます。

store
store

現在のとらやパリ店の内観。

田根剛さんによるリニューアル。丸みのあるインテリアが日本人の「折り合いのこころ」を表現している。

 

パリで和菓子を伝えるために<とらや パリ店>が大切にしてきたことはとらやの経営理念“おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く”ということだったと言います。日本の和菓子をそのまま伝えることよりももっと大切なこと。喜びへの心遣いという本質が、パリで生まれた和菓子の中には宿っているのではないでしょうか。40年の歩みを知っていただくことで、パリ生まれの和菓子が、私たち日本人にも、よりおいしく感じられそうですね。

【とらや パリ店40周年記念商品】 本館地下1階=茶の道<とらや> 

※9月30日(水)~10月6日(火) フードコレクション「とらやパリ店40周年記念イベント」でも販売いたします。

image

<とらや>小形羊羹「イスパハン」(1本)368円 (5本入り)1,998円

本館地下1階=茶の道

販売期間:9月1日(火)~11月上旬 ※なくなり次第終了いたします。

”イスパハン”の風味を生かした小形羊羹。最初に甘酸っぱいフランボワーズがほのかに香り、食べ進めていくうちに華やいだライチの風味が口いっぱいに広がり、最後に上品なバラの香りが立ち上り、羊羹本来の甘みが感じられます。

image

<とらや>カカオ珈琲羊羹「昼下がりのカフェ」(1本)2,160円

本館地下1階=茶の道

販売期間:9月26日(土)~11月上旬 ※なくなり次第終了いたします。

カカオ入の煉羊羹、白煉羊羹、コーヒー入りの煉羊羹の取り合わせから生まれた、黒・白・茶からなる縦縞模様の羊羹です。パリの街角の風景といえばカフェ。コーヒーとカカオの組み合わせは、昼下がりのカフェでのひと時を思い起こさせます。

image

<とらや>きんとん製「イスパハン」(1個)648円

本館地下1階=茶の道

販売期間:9月26日(土)~11月1日(日)

濃紅・薄紅・白の3色が混ざり合った、バラとライチ風味のそぼろの中に、白餡で包まれたフランボワーズ水羊羹製角芯が入っています。口の中に広がるイスパハンの風味をお楽しみください。

image

<とらや>求肥製「イスパハン」(1個)648円

本館地下1階=茶の道

販売期間:9月26日(土)~11月1日(日)

葛で固めたとろりとしたフランボワーズジュレを、なめらかなバラとライチ風味の餡、さらにやわらかく伸びる薄紅の求肥で包み、色付けした氷餅を散らしました。食感の組み合わせも楽しいお菓子。

【とらやパリ店40周年記念イベント】

9月30日(水)~10月6日(火)

本館地下1階=フードコレクション

パリに店を構えて、今年で40年。これを記念して催事を開催いたします。

京都、東京、パリ。

創業以来、様々な取り組みを重ねてきた歩みを、お菓子を通じてお届けします。

 

〔パリ店関連商品〕

パリ店生まれのお菓子をフードコレクションで特別に販売いたします。

※全て日本製

※なくなり次第終了となります。

image

<とらや>ポワールキャラメル羊羹(1個) 486円 

パリ店で誕生したリッチな風味のフランスらしい羊羹。リキュール・ポワールウィリアムスの香る洋梨を飾り、キャラメルの苦味が効いた羊羹とのハーモニーが抜群。

image

<とらや>マロン饅頭(1個) 540円

蜜漬けの洋栗に洋栗ペースト、バターを混ぜたこし餡を入れたパリ生まれの饅頭です。

image

<とらや特製羊羹(中形)「エッフェル塔の夕暮れ」(1本) 1,944円 

パリ店開店30周年を記念してつくられた限定羊羹。パリ市内の夕暮れの風景を橙の琥珀羹と黒の煉羊羹で表しました。パリの象徴である、エッフェル塔と凱旋門を抽象的に配しています。

image

<とらや>夜半の月(1個) 476円

1994年に誕生したパリ店限定のどら焼き。満月をイメージしてつくられました。パンケーキのような食感は、フランスのお客さまに好評です。

〔誕生90周年 小形羊羹〕

小形羊羹が発売されたのは1930年。15代店主・黒川武雄が考案したものです。六大学野球の帰り道で「こんなに大勢の人にたやすく買ってもらえるお菓子をつくりたい」と考えた武雄が、フランスの香水の化粧箱を見て「これだ!」と考えついたものが始まりです。

image

<とらや>京都限定 小形羊羹「黒豆黄粉」「白味噌」(各1本)各 292円

京都にちなんだ原材料を使用した小形羊羹。京都産の黒大豆・大鶴大豆を煎りあげた黄粉の香ばしい風味が特徴の「黒豆黄粉」と、西京白味噌を使用した、まろやかな味わいの「白味噌」の2種です。

image

<とらや>伊勢丹タータン柄パッケージ小形羊羹「紅茶」(1本)292円

※本館地下1階=茶の道<とらや>でも9月9日(水)より販売いたします。

熊本県水俣市の山間部、石飛で生産された紅茶の茶葉を挽いて白餡に混ぜ、煉りあげた羊羹。伊勢丹のマクミラン柄のパッケージでご用意。

〔新栗まつり〕

とらやの栗菓子は、その年に採れた国産の新栗のみを使用することにこだわり、秋限定でおつくりしています。今回はとらやグループの栗菓子をまとめてご紹介します。

image

<ミナ ペルホネン>×<とらや>

ふろしき「kurikasane」(1枚)1,980円

昨秋に限定販売して人気を博した<ミナ ペルホネン>がデザインしたふろしきを販売します。末広がりな栗のフォルムを組み合わせた幾何学模様のふろしきです。

image

<とらや>小形羊羹「新栗」(1本)368円

※本館地下1階=茶の道<とらや>でも販売いたします。

今年採れた栗を使用した秋限定の羊羹です。裏漉しした新栗と白餡でおつくりしました。白餡を加えることで栗の風味をまろやかに感じつつ、スッキリとした後味となるよう仕上げました。

image

写真上:<とらや>栗蒸羊羹(1個)584円

※本館地下1階=茶の道<とらや>でも販売いたします。

餡に小麦粉と葛粉を加え、栗の風味を大切にして蒸しあげており、煉羊羹とは異なる食感が特色のお菓子です。もっちりした食感が好きな方におすすめです。

写真下:<とらや>栗粉餅(1個)584円

※本館地下1階=茶の道<とらや>でも販売いたします。

<とらや>の栗菓子の中で一番人気の生菓子。裏漉した栗と白餡を混ぜたそぼろを、求肥包みの餡に付けたお菓子です。秋の味覚を代表する栗の香り、色、風味をお楽しみいただけます。

 

image

<とらや>栗カシス羊羹「マロニエの並木道」(1個)1,296円

フランスではよく見られる組み合わせのカシスと栗を使ったお菓子です。カシス羊羹の上に栗煉羊羹をかさね、黄色く色づいたマロニエの葉が敷き詰められたパリの並木道を表しました。

 

image

<トラヤカフェ>和栗とチョコレートのフォンダン スモール(1個)540円

こしあん、白あんにたっぷりの和栗のペーストとミルクチョコレートをあわせ、和栗の甘露煮を加えた贅沢な一品。

 

 

 

〔<ミナ ペルホネン>×<とらや>〕

<ミナ ペルホネン>デザインの、甘くふっくらと実った栗のような巾着です。昨秋限定販売して人気のあった巾着を今年は伊勢丹新宿店のイベントで限定販売いたします。

本体と裏地はシルク、栗の座にあたる部分は柔らかなレザーを使用。秋らしい深みのある配色と、森の生き物たちが揺れる ❝forest parade❞ のレースで森の景色を抜き出しました。

カラーはnavy、light brown、mustardの3種類。

※伊勢丹新宿店限定

image

<ミナ ペルホネン>×<とらや>

巾着navy(1個)11,000円

※オンラインストアでの販売は終了いたしました。

image

<ミナ ペルホネン>×<とらや>

巾着light brown(1個)11,000円

※オンラインストアでの販売は終了いたしました。

image

<ミナ ペルホネン>×<とらや>

巾着mustard(1個)11,000円

※オンラインストアでの販売は終了いたしました。

〔トラヤカフェ〕

「あんのある生活を」トラヤカフェは<とらや>がつくったブランドで”あんをもっと気軽に楽しんでほしい”という思いから生まれました。毎日楽しみたい「あん」のおいしさをお届けしています。

今回はトラヤカフェの定番商品から、<ピエール・エルメ・パリ>とのコラボレーション商品もご紹介。その場で召し上がれるテイクアウト商品も要チェックです。

image

<トラヤカフェ>あんペースト[イスパハン](110g)1,296円

”イスパハン”のハーモニーをイメージした華やかな風味のあんペーストです。希少な白小豆でつくった白あんに、バラの上品な香り、フルーティーなライチの風味、酸味のあるフランボワーズを合わせました。

image

<トラヤカフェ>あんペーストシェイク[イスハパン](1杯)721円

バラが香る甘酸っぱいあんペースト[イスパハン]がまろやかなミルクシェイクと溶けあう3層のドリンク。

image

<トラヤカフェ>ヨウカンアラカルト[ローズ・ライチ・フランボワーズ](6個入り 3種×各2個)994円

好みや気分に合わせてひとつ、ふたつとお楽しみいただける、ひとくちサイズの羊羹。

”イスパハン”のフレーバーである3種類の味を詰め合わせました。

image

<トラヤカフェ>あんコッペ[イスパハン](1個)481円

小麦の味を生かした歯切れ良いコッペパンにフルーティーなあんペースト[イスパハン]を挟みました。

〔とらや工房〕

「和菓子屋の原点」を今の時代に再現したいという想いから、2007年に自然豊かな御殿場市東山で開業。「おいしい和菓子」を気負いなく、ありのままに、素朴で、無骨にお客さまや地域とのつながりを大切に…、それが<とらや工房>のめざす姿です。

image

<とらや工房>干羊羹(1本)1,201円

煉羊羹の表面に細かい砂糖をまぶし、乾燥させてつくりました。表面の細かな砂糖が薄く積もった雪のように見え、さくさくとした食感が特徴の羊羹です。

Text:ISETAN FOOD INDEX編集部

Photo:Yu Nakaniwa (ポワールキャラメル羊羹・エッフェル塔の夕暮れ)

RECOMMEND

店舗・オンラインストア情報

レストランイタリア

レストランイタリア

伊勢丹の“think good” 食文化を未来に残したいから、 食のあるべき姿を考える。

伊勢丹の“think good” 食文化を未来に残したいから、 食のあるべき姿を考える。

SEA VEGETABLE

SEA VEGETABLE

CATEGORY

カテゴリー