2020.9.14 UP
紹介者は、前回に引き続きワイン・洋酒 アシスタントマーチャンダイザーの半田真也。
(前回記事リンク)https://www.isetan.mistore.jp/shinjuku/feature/foods/pickup/20071/19xx_011.html
イタリア展で毎年人気の王道ワイナリーと、魅力的な生産者が増えている自然派ワインのカテゴリーから新たな生産者をご案内します。
ワイン・洋酒 アシスタントマーチャンダイザー 半田真也
まずは赤ワイン。一本選ぶとすればやはりピエモンテ州のバローロをあげたいと思います。ブランド名にもなっているルイジ・エイナウディですが、実はこの方、イタリアの戦後、初めての選挙で選ばれた大統領。元々は経済学者で、戦後、イタリアの金融復興施策の陣頭指揮をとった人物でした。そんな彼が創立したワイナリーなのです。
ルイジ・エイナウディ。
ワイナリーの外観。ドリアーニで最も古いワイナリー。
ワイナリーの場所は、ピエモンテで地酒として愛されている赤ワイン、ドルチェットが有名なドリアーニ地区にあり、所有するワイン畑の100ha中98haはドリアーニ地区。そして、同社が2haだけ所有しているのがバローロの最高立地とされるカンヌビ地区です。バローロでも最も歴史が古く、格の高い区画がカンヌビ。<ルイジ・エイナウディ>の畑は海抜220mの南東向きで、泥灰に覆われた土壌。ここから非常に柔らかで酸の丸いバローロが生まれます。2020年のガンベロ・ロッソでトレ・ビッキエーリも獲得したワインです。
<ルイジ・エイナウディ>のカンヌビ畑。
<ルイジ・エイナウディ> バローロ カンヌビ DOCG 2015 (750ml 赤)11,000円 限定数120本
バローロのエレガンスを体現する一本。
※ご好評につき完売いたしました。
次は白ワインのご紹介です。今回選んだのはピエモンテと同じ北イタリアでも東側のロンバルディア州とヴェネト州の境目、両州をまたがり生産されているルガーナのワインです。ブドウ品種は、トレッビアーノ・ディ・ルガーナ。トレッビアーノはイタリア各地で土着化した白品種ですが、このトレッビアーノ・ディ・ルガーナは長熟可能なのがポイントです。<カ・ディ・フラティ>は、このブドウのポテンシャルを最大限引き出すワイナリーです。
<カ・ディ・フラティ>外観。トレッビアーノ・ディ・ルガーナは、イタリア最大の湖、ガルダ湖の南に広がる平野と丘陵地で栽培されるブドウ。
リスクを冒してもブドウを完熟するまで収穫を待ち、10月中旬から下旬に遅摘みのブドウで仕込む同社のワイン。陰干しのブドウではないので、完熟でもすっきりとした甘さがあり、酸とミネラルも豊富で塩っ気も感じられます。料理を引き立足せるパワーを持ったイタリアらしい白。これから寒くなる季節に、美味しいホワイトソース系の料理や旨味の濃い魚料理などと合わせていただきたい逸品です。
<カ・ディ・フラティ> ブロレッティーノ 2017年(750ml 白)5,500円 限定数60本
厳格なタイプだが、料理と合わせることで真価を思い知るワイン。
※ご好評につき完売いたしました。
白ブドウを、赤ワインの醸造のようにブドウの果皮、種も一緒に浸漬・発酵することで果汁がオレンジ色に色づくことからオレンジワインと呼ばれるようになったワインがあります。(オレンジワインというのは日本独特の呼び方で、海外ではアンバーワインと呼ばれることが多い)そのオレンジワインの中でもかなり異常な凝り方で醸造するのが<トンバッコ>です。ブドウはシチリアの土着品種であるジビッッボとグリッロをブレンド。ブドウは段階的に収穫したものを合わせます。まず1回目に収穫したブドウを自然酵母で発酵させたら、ここに2回目に収穫したブドウを加えて再発酵。このブドウもろみを地中に埋めたアンフォラに移し、別に陰干ししておいた1/3量のブドウを投入して3度目の発酵を行うのです。
12月末にブドウの果帽を取り除き、6ヶ月かけて自然に清澄するのを待ちます。その後、マルサラで使用した栗樽で2年間樽熟成、さらに瓶内で6ヶ月熟成の上、出荷。途方も無い手間暇をかけて造られた革新の一本です。
<トンバッコ>オリージネ・ビアンコ・IGT・テッレ・シチリアーネ 2016 750ml 白 4,455円 限定数120本
名前通りORIGINE(オリジナル)。エチケットもとてもユニーク。
※ご好評につき完売いたしました。
もう一本の革新派ワインは、ピエモンテの鬼才・天才<ファビオ・ジェア>のワインです。ファビオ・ジェアは地質学者のドクターを持つ土壌の専門家。先入観のない自由なワイン造りを志し、自家製の磁器アンフォラやガラス製の昔からあるデミジャンボトルでワインを熟成させるなど、独自の醸造方法に取り組んでいます。
ジョージアで自然派ワインのイベントに息子さんと一緒に参加していたパオロ・ジェア。
インポーターのノンナアンドシディさんは、ジョージアで行われる自然派ワインのイベントでファビオ・ジェアのワインに出合って一目惚れ。すぐにイタリアのワイナリーを訪れ、自然の力をリスペクトしたワイン造りとファビオ・ジェアの暮らしぶりにも敬服したと言います。出来上がったワインは、優しくて透明感があり、美しさをたたえています。
<ファビオ ジェア> クル オッテ 2018 (750ml 赤) 6358円
ボトルは、昔のピエモンテで造られていた形状を復刻させたもの。
※ご好評につき完売いたしました。
王道と革新、振れ幅の大きなイタリアワインの魅力は、どちらも捨てがたいものがあります。
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※ご好評につき、販売終了いたしました。
▼クレジット
Text:ISETAN FOOD INDEX編集部