みんな大好き「コシヒカリ」のルーツをご存知ですか?

2021.1.15 UP

もはや日本人の定番人気のお米ともいえるコシヒカリ。ずっと昔からコシヒカリはコシヒカリとして存在していたわけではありません。沢山の生産者の英知と努力の結晶として開発されたお米の品種なのです。では、そのルーツはどのようなものだったのでしょうか。その歴史を紐解くと、実は現代に食べたいそのルーツ米が見えてきます。

その物語を<越後ファーム>店長 秋山舞さんに伺いました。

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現在のお米ができるまで 

地球上では、紀元前12~13世紀からお米を作り始めたといわれています。太古の昔から人々の生活に根付き、現在のお米が生まれるまでのストーリーには生産者たちの奮闘がありました。

今回は皆さんがご存じのコシヒカリにスポットを当ててコシヒカリが生まれるまでの「ルーツ米」3種をご紹介しましょう。

 

※ご紹介するお米は、伊勢丹新宿店限定にてご予約販売をいたします。(ご予約承り期間:2月19日(金)~2月28日(日))

伊勢丹新宿店地下1階 シェフズセレクション<越後ファーム>

こしひかりができるまで

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家系図のようなこちらの表。実はコシヒカリの系統図です。めしべとおしべを母、父と見立てて、コシヒカリが生まれるまで系統がわかります。

 

コシヒカリが生まれるまでには数多くの品種が生み出され、良い食味を追求しつつ、増収や効率化も目指し長い年月をかけて品種改良されました。

今回は代表3品種、「陸羽132号」「亀の尾4号」「朝日」をご紹介いたします。また、これら3品種は自然栽培のお米です。

 

※自然栽培について

現在の日本では有機栽培や特別栽培は明確な栽培基準がありますが、自然栽培には規定はありません。<越後ファーム>が提唱する自然栽培は以下に規定しております。

『化学農薬・有機農薬・化学肥料・有機肥料をすべての工程で使用しない』

農薬や肥料を使用せず、適切な管理をすることで生物多様性を確保し、稲の成長を促します。自然栽培は自然との共存であり、経験と知識、そして手間暇が必要です。兼業農家が大半を占める日本において、その時間を確保することが困難になりました。

農薬を使う栽培方法は国民の食糧確保という意味においても役割を果たしていると思います。

自然栽培はその対極にあるものかもしれませんが、私たちの自然を守っていくという意味においても自然栽培は未来に紡ぐべきものと考えています。

コシヒカリのおじいさん「陸羽132号」

味わい:さっぱりとした飽きのこない味わい。

約100年前に秋田県農事試験場陸羽支場の2人の研究者によって開発された品種です。

冷害に強い「陸羽20号」と良食味の「亀の尾」を親にもち、育成に7年の年月を要し、試行錯誤の末、増殖・選抜と品種改良に成功し、陸羽132号は東北地方の主力品種になりました。

農学者であった宮沢賢治は、冷害に苦しむ地元岩手県花巻の農家への陸羽132号の普及に努めたといわれています。

 

♢生産者インタビュー

生産者:宮入広光さん(秋田県)

 

・なぜ「陸羽」を栽培しようと思ったのか?

「無農薬栽培では雑草とどのように向き合うかが大切な課題になりますが、雑草の勢いに負けてしまうこともしばしばあります。土地の気候や風土に合っていて、除草剤や農薬がない時代に栽培されていた品種には、雑草に負けない逞しさがあると聞いたので、栽培を始めました。現在では栽培されなくなってしまいましたが、秋田の風土に合っていると思いました。農業の本質を目指し、陸羽の栽培に取り組みます。」

 

・生産のこだわりは? 

「手植えと天日干しは大切にしております。どちらも手間がかかりますが、稲の力を最も発揮するものだと携わりながら感じております。」

「手植えは4月に田んぼの一角に直接種を蒔きます。約1ヶ月半、水を入れて待っていると、機械で植える稲の倍以上ある立派な苗が出来ます。機械と違い、密にならないので大きな苗が出来ます。それを2~3本をまとめて一つ一つ植えて行きます。」

「植えるときは大変ですが、熱中します。植えた後は、感慨深いものがあります。」

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「稲刈りは、稲がお米に変わる第一段階ですが、刈った稲を木の棒に掛けて行きます。横に掛けるやり方と縦に積んでいくやり方の2種類があります。出来上がった時は、稲杭が並んでいて、また感慨深いものがあります。」

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「この後、約1ヶ月弱で脱穀するのですが、それからはお米を出荷する最終作業なので、大変神経を使います。」

コシヒカリのひいおじいさん「亀の尾4号」

味わい:食感は固めで、噛めば噛むほどさわやかな甘みを感じられる。

今から125年以上前に山形県の農家、阿部亀治が不作の稲から元気に実を結んだ3本の稲穂から4年の歳月をかけて生み出したとされる品種です。味の良さから大正時代に広く栽培された亀の尾でしたが、農薬や化学肥料を使用する現代的な農法に合わず、栽培も難しいため徐々に姿を消していきました。

 

♢生産者ストーリー

生産者:協同組合 人田畑(新潟県)

 

・なぜ「亀の尾4号」を栽培しようと思ったのか?

「昔(明治時代頃)は「西の旭、東の亀の尾」と言われ、東日本では亀の尾が良食味品種として栽培されていたそうです。その味を味わってみたいと思い、栽培を始めました。」

 

・生産のこだわりは?どんな気持ちで生産に取り組んでいますか?

「『世界一おいしいごはんを食べられるNIIGATAをつくる』を第一に考えています。

 (1) 多様な生態環境を学び、復活させる

 (2) 愛情豊かで栄養豊かな健康で美味しい食べ物を作る

 (3) 田畑を人の輝くハレ舞台にする

亀の尾は丈が長く、倒れやすく栽培が難しい品種です。元々、化学肥料を使わない栽培が向いています。土の力と稲の力を十分に発揮させて栽培する自然栽培を仲間と情報共有をしながら、技術研鑽に努めています。」

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コシヒカリのひいおじいさん「朝日」

味わい:モチモチ感はなく、大粒で粘りが少なく、歯ごたえのあるあっさりとした旨味。

約110年前、京都の農家山本新次郎により見出された品種です。日の出という品種から選りすぐられた種子を栽培し、登熟したお米が鮮やかな黄金色していたことも相まって、日の出をも勝る「旭」として命名されました。その後、岡山県農場試験場が「朝日」として確立し、現在も岡山県の奨励品種として推進しています。 

 

♢生産者ストーリー

生産者:NPO法人 岡山県木村式自然栽培実行委員会  (岡山県)

 

・なぜ「朝日」を栽培しようと思ったか?

 「朝日は、岡山で育ち、人工交配のない希少な在来種です。幻の米と呼ばれており、コシヒカリやササニシキの祖先です。かつて西日本で作られていた「京都旭」という品種を、岡山県農業試験場が純粋淘汰を行い「朝日」として確立しました。全国で唯一残る旭系品種で、「朝日」は岡山県の必須銘柄登録米です。   岡山で自然栽培を始めるにあたり、昔から肥料、農薬が使われてなかった時に作られていた在来種である「朝日」が、自然栽培をする上で最もふさわしい品種と判断しました。」

 

・生産のこだわりは?

「ジャンボタニシの被害を受けないように、注意しながら育苗から丁寧に育てます。田植では間隔を明けて栽培し風通しをよくします。害虫や病気の予防になります。田植え後に生えてくる草はできるだけ取り、新たな茎を芽吹かせ収量アップにつなげます。」

 

・どんな気持ちで生産に取り組んでいますか? 

「自然環境の保全、子どもたちの未来のため、そして安全安心なお米を提供して参ります。植える時は大変ですが、熱中します。植えた後は、感慨深いものがあります!」

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【商品情報】

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「陸羽132号・亀の尾4号・朝日」3種詰合せ(各1kg×3)10,800円

伊勢丹新宿店本館地下1階 シェフズセレクション<越後ファーム>

ご予約承り期間:2月19日(金)~28日(日)

お渡し期間:3月より順次出荷予定

※伊勢丹新宿店限定商品

 

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