2021.3.23 UP
食べて呑んで旅して執筆、と大活躍のハナコさん。さぁ、本日はどんな気分で食材を選んだの?
ツレヅレハナコ
食と酒を愛する編集者。著書に『女ひとり、家を建てる』(河出書房新社)他。
Instagram:@turehana1
そろそろ春の気配を感じるシーズン。魚介を見ていると、決まって作りたくなるのがイタリアの郷土料理「アクアパッツア」です。
桜色に光り輝く鯛や、殻のふちまでみっちりと身がふくらんだ貝類。旬を迎え、味も濃厚になったこの魚介類をあますことなく食べつくしたい!そんな願いをかなえてくれるのが、このメニューなのです。「アクア」=「水」の通り、ポイントは水で煮ること。初めて作ったときは、ブイヨンを入れなくとも具材から出る旨みの強さに驚きました。
切り身をオリーブオイルでしっかり焼きつけたら、水と貝類に旨みのかたまりのようなドライトマトを加え、煮汁を魚にかけながら強火で煮るだけ。そう、強火で一気に火を通すとパサつかないのです。このあたりは日本の煮魚と同じですね。具材は出汁がよく出るあさりはマストですが、イカやタコ、きのこ類などお好きなもので試しても楽しい!
仕上げには、オリーブオイルをたっぷりと。なによりのごちそうは煮汁なので、パンで吸って春らしいロゼワインをひと口。はー、シンプルなのに、なぜこんなにうまいのか!
サイドメニューには、蒸し野菜に市販のソースを添えたお手軽バーニャカウダがオススメ。かぼちゃやズッキーニ、カブなどにたっぷりソースをつけて合間につまめば、アクアパッツアとの相性もぴったりです。
〈オリオテーカ〉オルシーニ コッリーネ・ポンティーネD.O.P. (イタリア製/229g)2,376円
▪伊勢丹新宿店本館地下1階=シェフズセレクション
青いりんごやトマトの香りを感じるさわやかなオリーブオイル。
プロヴァンス風ブラックオリーブ(フランス製/125g)870円
▪伊勢丹新宿店本館地下1階=シェフズセレクション
プロヴァンスハーブをまぶした種付き黒オリーブ。
〈オルト〉ドライトマトオイル漬け(イタリア製/190g)670円
▪伊勢丹新宿店本館地下1階=シェフズセレクション
ほどよいドライで歯ごたえよく仕上げたトマト。
〈信州自然王国〉環境栽培バーニャカウダ(160g)821円
▪伊勢丹新宿店本館地下1階=シェフズセレクション
にんにくとアンチョビをたっぷり使った濃厚ソース。
〈東信水産〉ムール貝(青森県産他/100gあたり)270円から
▪伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケット
アクアパッツアを華やかにする、旨みたっぷりな貝。
〈東信水産〉真鯛切身(養殖)(愛媛県産/1切)756円から
▪伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケット
ふわふわの白身がアクアパッツアにぴったりな春の魚。
材料(4人分)
好みの白身魚(真鯛、スズキなど)・・・4切れ
あさり・・・300g
ムール貝・・・4個
ドライトマト・・・16個
オリーブ(黒・緑)・・・各4粒
オリーブオイル・・・大さじ3
イタリアンパセリのみじん切り・・・適量
塩、好みのパン・・・各適量
作り方
①魚に塩をふり、10分ほど置く。あさりは砂抜きをする。
②フライパンにオリーブオイルを熱して魚を並べ入れ、途中で上下を返して全面を焼く。
③魚の高さの半分ほどまで水を入れ、沸騰したらあさり、ムール貝、ドライトマト、オリーブを入れる。煮汁を魚にかけながら強火で煮て、貝の口が開いたら火を止めてオリーブオイルふた回し(分量外)、イタリアンパセリを散らす。パンを煮汁に浸しながらいただく。
※生鮮品は天候等の諸事情により、産地や価格の変更、入荷のない場合がございます。
写真:福田喜一
文:ツレヅレハナコ